「女性にモテモテの板尾創路の1週間」ジムノペディに乱れる mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
女性にモテモテの板尾創路の1週間
日曜日の午後、日本映画専門チャンネルで録画しておいた映画を
内容も何も知らずに、何気なく見てみたら・・・あれ? これって?
観賞用のTVはキッチンにあるのですが、同居人が行ったり来たり。
「なに、見てんだーー!」と、言われそうなので、足音がするたびに、停止ボタンを。笑
3回ぐらい停止して、何とも落ち着かないので、しばらくしてから、続きは自室でスマホで見ました。(悪いことしてないよ。月イチ衝撃作見てるだけ!)
前に園子温作の『アンチポルノ』を見たのですが、日活が45周年を記念した、ロマンポルノの「リブートプロジェクト」作品だったことを思い出し、行定監督も、そういえばこの企画に参加していたことに気付きました。(一定の低予算、70分前後の尺、10分に一度の濡れ場演出、撮影期間が1週間などの制約があるプロジェクト)
うだつの上がらない、映画監督の板尾創路、哀愁があって、なかなかよかったです。どうしようもない中年男なのに、女子が寄ってきてモテまくり。愛なのか、欲情なのか、本能なのか、自暴自棄なのか、渇きか、心の空虚なのか、行き詰まりなのか・・・いろんなものが交じりまくっていました。
エリック・サティのジムノペディが、けだるい感じで、一種の催眠術のようなBGMみたいでした。あとになって、植物状態となった監督の奥さんがピアノで弾いていた曲だったことがわかり、なるほどそこにつながっているのねと思いました。
多少笑ってしまうシーンもありました。自分がクスっと笑ったのは、
・最初のシーン。隣人の女性が片方の胸を出して、もだえながら誘ってる。
・あれ?いつのまにか、板尾さんが若者の風のTシャツ着てる。
「なんで俺のTシャツ着てんだよ!」
・病室でナースと絡むシーン。
医師とナースが入ってきて「離れなさい!」と言われる。
さかりのついた犬同志が離されるみたいだった。
板尾さんは『空気人形』でも、ちょっと寂しくてエロい中年男を演じていたような?
板尾さんしか出せない孤独なおじさんのオーラがありました。