手紙は憶えているのレビュー・感想・評価
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気になってました
90才の恐れるもののないお爺ちゃんが何十年も前の復讐をするという設定が気になってました。
認知症も抱えていて何度も忘れてしまい物凄くシュールだが、復讐を遂げようとする執念や、復讐相手と間違えた人々との心の触れ合いや、徐々に気力に満ちピアノを引けた現役を取り戻していく。
しかし最後の実は復讐相手は自分だったという落ちはあり得そうだが、それまでの仮定で何故思い出さなかったのだろうか。大量殺人が役割の分担されすぎて生々しく強い記憶にならなかったために、思い出せなかったのだろうか、微妙に引っ掛かります。流れが自然ではないといいますか。
もっと落ちへの伏線としてゼブが何か嫌なものを思い出す様子を見せるべきではなかったのかと思います。
記憶はあてにならない
90歳の主人公(クリストファー・プラマー)は認知症で、毎朝目覚めると妻が亡くなったのも覚えていない。
車椅子の友人(マーティン・ランドー)から、自分たちの家族を殺したナチスを探し出して殺してほしいと頼まれる。
怪しいのは4人で、順番に訪ねていく。
面白いけど何も言えない。
邦題が素晴らしい
邦題の「手紙は憶えている」は終始ゼヴが物忘れをし易い為に、この手紙は憶えている。と言うのはまあ観ればわかると言う感じでしたが、ゼヴがオットーヴァリッシュ本人だと言うことが判明した後の最後の最後にマックスが被害者でありその後オットーヴァリッシュの顔写真と手紙という場面で「手紙は憶えている」なんだ!と震えました。
原題のrememberもいいけど日本人向けではこの邦題が良かった。
鮮やかな復讐
ゼヴの正体は何となく分かっていたけど、最後の正体が分かるシーンは鮮やかだった。スッキリするわけではないけど気持ち良かった。
認知症と言うのが何となく話を複雑にしてるのかな?と操られているだけで、とんでもないオチが用意されてるのでは?と勘繰ったけどそのままの物語で見やすかった。
ゼヴの正体は他の映画なんかを思い出しつつ大体オチはこうだろうと思っていたけど、ゼヴ=狼とか、ナチの息子のシーンなんかでヒントはくれていたな、と見終わってから思った。
とても面白かったし、ゼヴはボケているのかボケたふりをしていたのか、何とも悲しいラストだった。
壮大な復讐劇
重度の認知症の主人公ゼヴが、戦時中に親を殺したナチスを探しに出る話。
しかし、最後に待っていたのは、衝撃的な事実でした。この物語で重要になってくるのは、主人公が認知症だということです。主人公が認知症ではなければ、この話はできなかったと思います。きっと予想外のラストに、ぞっとすると思います。
ネタバレなしで見るべし。
ミステリーに疎いので、全然先を予想できずに見ていてまんまと、え??まじ???うそやん!!!、と、うなりました。
その驚きによってぶわっと好感度が増したわたくしでした。よって、ぜひとも未見の方はネタバレなしでご覧になられますように。
ホロコーストとナチスドイツとユダヤ人についての予備知識はあった方がいいと思います。
以下、結末を知っている体での感想です。
クリストファープラマー主演ね、ホロコーストものね、京都シネマ名画リレーにかかったんね、ほなみよかな。その程度の興味で見ました。東宝系のシネコンでかかっていた時はまったく気付かずのスルーでした。
「最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。ある日彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。『覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―』2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―」
↑あらすじは上記の通り(公式HPより引用)
あらすじを信じ、フンフンなるほど、そっかつらいね大変だったねという感じで見進めていきました。
ゼヴは自分がユダヤ人でルディ・コランダーに家族を殺されたアウシュビッツの生き残りだと思っていたわけです。
当然観客も、家族もそう思っていたわけですよ。
なのに、実は認知症だからぜーーーーんぶ忘れていたけどゼヴこそがルディ・コランダーであり、マックスの家族を殺したナチス戦犯だったんです。
ゼヴ自身の復讐だったはずが、実はマックスによるゼヴことルディ・コランダーへの復讐だったわけです。
認知症って!!!恐ろしいです。
ナチスドイツの兵士だった自分が、殺したユダヤ人の身分を盗んで(囚人番号も腕に彫って)、同僚(この人が四人目の容疑者で)と共にアメリカに逃れた。その後、ユダヤ人として生き続けるうちに老いて、記憶があやふやになって、ついにはナチス兵士だったことを完全に忘れるにいたった。その事を覚えていた本物のユダヤ人マックスに復讐された。
最後に殺された元同僚とゼヴの子供たちのその後って、どんな感じなんだろうね。
自分自身もユダヤ人として育ったわけでしょ?きっと。少なくともゼヴの息子はユダヤ文化の中にいます。
そんな息子が、実は父は元ナチだったと知ったわけです。どんな気持ちでこれからを生きていくのかな。
マックスは容疑者の4人をどういう意図で選択したのでしょうね。
最後の1人はわかる。ルディ・コランダーと共に殺してしまいたかったのでしょうから。
最初の1人(元ナチ軍属・でもアウシュビッツにはいない)もわからなくはない。
3人め(本人死亡しており対応したのはネオナチの息子)も分からなくはない。
わからないのは2人目です。囚人にされていた同性愛者のドイツ系の人でしょ。この人にマックスはどういう意図をこめたのでしょう。
ゼヴを含めて4人とも元ルディ・コランダーだからってことでしょうか。
本命がゼヴって事以外は本当のことだけなのかもしれません。
電車で出会った男の子、病院で出会った女の子とのゼネレーションギャップ満載の交流が可愛らしかったです。
ミステリーの醍醐味なんでしょうね・・・こういうのがね。
ラストに若い頃のプラマーの写真が使われていてね、ああ、説得力!とか思いました。
テーマが理解されていない秀作NO1。
今まで"テーマが理解されていない秀作ランキング"1位は
"グリーン・マイル"でした。
しかし本作が、1位となります!
『手紙は憶えている(2015)』
原題 Remember
※あ、ネタバレとかそんな映画ではないと思いますが、後半、核心部分に触れます。本作をラストびっくりドンデン返し映画かしら?と思われる方は、閲覧注意です。
(あらすじ)
90歳。認知が進み、妻の死も忘れてしまうゼブ(クリストファー・プラマー)に、友人マックス(マーティン・ランドー)が手紙を一通渡す。
そこには、最愛の妻が亡くなったら、アウシュビッツで殺されたゼブの家族の復讐をやるぞ。と、いうゼブの決意が記されていました。
時に曖昧になる自分の記憶が心配になり、大事なことを記してマックスに託していたらしい。
相手はルディ・コランダーと言い、身分を隠して生きている。
容疑者は4人に絞られており、ゼブは手紙を頼りに復讐の旅に出るのだった……。
またまた自分語りすみません!
日本の作家で、ラストが全く読めない小説を書くのは都筑道夫せんせだけだと思っています(当社比)。
私は小学校から高校にかけて、都筑道夫せんせの"悪夢図鑑""悪意辞典"シリーズといった、かなりブラックなショートショート集を読んで育ちました。
私の頭の半分は、横溝正史せんせ。
あと半分は、都筑道夫せんせによって形成されていると言っても過言ではありません。
なので、本作もあらすじ読んで、ラストはピーンときました。
これだけ登場人物が少ないのですから、ミステリー童貞でない限りだいたい分かると思います。
映画でも"記憶が保てない系"の作品は色々とあるので、やっぱミステリー童貞でない限りだいたい分かると思いますよ-。
そこを敢えて捻ってこないのは、他に言いたいことがあるからだと思われます。
だって原題がRememberですもの。
記憶する(憶える)とか、過去のことを思い出すという意味ですもの
ただ、ゼブは寝ると記憶を失うのですが、電車の中で移動中、入浴中に、おじいちゃんがうとうと……、ここはどこだ!?
読んでた手紙の上にウエイトレスが飲み物をこぼす!おじいちゃんが激しく動揺!など、違った意味でハラハラいたします。
そこはミステリーではなく、サスペンスっす。
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(以下、ネタバレ)
上にも書きましたが、原題がRemember。
主役のおじいちゃんは90歳で、過去のことを思い出そうにも、認知症などでかなり厳しい状態。
思い出せないどころか、記憶を都合良く作り替えている。
嘘の自分を演じるあまり、嘘を現実のこととして信じ込んでしまう。
そうなんですよ。
戦後70年を過ぎた今、戦争を記憶している方達が亡くなったり、ご存命であってもかなり高齢で、あの戦争が本当の意味で、忘れ去られようとしている。
忘れるならまだしも、史実が歪められて後生に伝わる可能性がある。
"ヒトラーの忘れもの"でも書きましたが、そんな状態の中で、私達は対戦国とどのように関わっていくのか。
当事者でもなく、どれが正しい記憶か分からない状態の中で、悲しい歴史を背負って、どう接していくべきか。
隣国との関係など、特に。
深く考えさせられる内容でした。
ラスト、困惑した顔の子供達、その孫の姿に、自分自身を重ねました。
あと、"ヒトラーの忘れもの"や本作、"さよなら、アドルフ"などにみられる、戦後ドイツ人がどのように生きたのか。
ユダヤ人側から描いた映画とは違った戦争が見えてくるのも、興味深いです。
何より私は、ゼフの元同僚の台詞である「なんで忘れられたんだ?」に衝撃を受けました。
自分に突きつけられてる気がして。
なので正直、マックスの説明要らないっす。あそこ、無粋。
でもベラ・ルゴシ(エド・ウッドの時の役名)を観られて良かった!
いつまでもお元気で!
日本人だからこそ、観て欲しい作品でした。
ぜひ。
思わぬ良作
前情報なく見た。
始まりはやんわりとした雰囲気なんだが、
終始低い弦楽器の音。
最後までコメディータッチなのかと思ったら、
ある出来事から、サスペンスになっていく。
マックスは全てを知り、全て思い通りになるが、
嬉しそうではないところがやるせない。
良い映画でした。
ヨボヨボおじいちゃんが よちよち歩き(笑)で 復讐の旅に出ます。 ...
ヨボヨボおじいちゃんが
よちよち歩き(笑)で
復讐の旅に出ます。
復讐相手も
おじいちゃんです。
寝たきりとか...
眠ると記憶が飛んじゃう...
毎回起きる度
「ルース?」って
奧さんの確認から始まるの...
なんか切ない(泣)
パニクるものの
手紙を読むと
すぐ状況把握できちゃう(笑)
いい感じのまったり感なのに
緊迫感もあり
拳銃も震えながら持ってるから
別の意味でヒヤヒヤ〜
アルツハイマーでなければ
成立しない
復讐劇だったね
恐怖の旅。
劇場予告でいつも思っていたのが、こんなに分かり易いサスペンス
もないよなぁということだった。どこかに意外性があるのだろうと
観に出かけたが、確かにラストはビックリ、劇中の家族共々呆然と
なるに違いないがそれ以外の意外性は全くない。予備知識を持たず
観たとしても、冒頭から流れる不気味な音楽に不気味な演出が復讐
を盛り上げるだけでなく「そういうことだよね」と納得さえいくほど。
もうこれは、復讐に辿り着くまでの老人の葛藤劇(記憶との)である
と豪華なキャスト陣の演技を観ていくのに決定。怖いから緊張する。
ただ思うに、手紙だけで旅を続けるにしては認知症の具合が重すぎ
る気がしてならない。あそこまで記憶を失い一人旅ができるものだ
ろうかと心配半分、ウソだろ半分という感じだった。彼らが生きた
過去の壮絶な歴史は美しい風景と優しい人々(怖いのもいるけど^^;)
によって忘れ去られていきそうだが、いや、そうではないと現実に
引き戻されるラストがやはり一番の恐怖。憶えてしまうよ怖すぎて。
(こんな風に生きた人も多かったのだろうな、きっと。やりきれない)
心理描写が丁寧
自分の妻が亡くなったことさえ時折忘れてしまう認知症のゼブ。ホームに入所している。
アウシュヴィッツ収容所の生存者でそこで家族を殺されている。そこでの責任者も生存しており復讐する事を決意し探す旅に出るのだけど何しろ認知症ですから度々全て忘れる。
その復讐計画やらが書かれている手紙だけが頼り。
人と人の出逢いなど1つ1つ丁寧に描かれていて尚且つ何かありそうなサスペンスなのでゼブから目が離せない。
また、音や映像でユダヤ人収容所や戦争が連想される感じの描写もうまい。
しかも、こうしたキーワードや、それに対してのゼブの表情などが映画を見終わった時にはガラリと印象が違ってしまうことも凄い。
鑑賞後暗い気分になるし、さほど衝撃もなかったのに良い映画観たな~という気持ちにさせてくれる。
好き♪
REMEMBER
「記憶」が鍵を握るミステリーは「メメント」を例に挙げるまでもなく数多くある。この「手紙は憶えている」は、認知症の主人公が登場し、彼の頼りない記憶を類寄せるような形で、物語が紡がれていく。これがなかなかうまく機能していて、サスペンスを上手く盛り立てていた。
ストーリーは連作短編小説のように、4人の標的を渡り歩く。その一人一人がチャプターになっているかのよう。さらに、その相手ごとにアウシュビッツの歴史の一側面がそれぞれ見えてくるような、そんな感覚があり、人間の業や罪深さや危うさみたいなものがドラマティックに描かれていて、ミステリーとしてだけでなく、人間ドラマとして残るものがあった。
「記憶」と一概に言っても、薄れてしまう記憶と決して消えることのない記憶があり、また無意識に蓋をして仕舞い込んだ記憶、というのもある。そういった種類の違う「記憶」という概念を上手く使って作った良質な映画だった。
クリストファー・プラマーがまた巧かった。記憶を失ってしまう演技も、記憶が蘇る演技も、記憶違いを信じ込む演技も、そして現実の中で行動する感情の演技も、すべてが素晴らしくて、物語の牽引者としての存在感と役者としての偉大さに感動すら覚えた。
ナチスのしたことの残虐さは、歴史的に根深い後遺症を残して、それは今も続いているのだということを改めて思う。映画を最後まで見て、原題「Remember」というシンプルなタイトルがやけに心に響いてきた。
ゼヴで終わらせるべき
この作品のラストはゼヴのアップからバン!で幕を下ろすべきだったのにマックスの御丁寧な二度手間の説明セリフでの終わり方に少し落胆。
確かに「メメント」っぽさもあり雰囲気は全く違うが「エンゼル・ハート」要素も!?ラストが特に。
全てがスムーズに用意周到で老人が苦労しながらを応援したりハラハラ、ドキドキしたりと期待したがラストで全てが納得。
「ハリーとトント」や「世界最速のインディアン」などお爺ちゃんが旅する映画としてもナイス。
S・ペンの「きっとここが帰る場所」と比較しても面白いと思う。
ある意味、恐ろしいマックスだが歴史を思えば悪役とは言えないし?がぁ腹黒い。
ミステリアスにマックスを保っていたかったが出過ぎでやはりラストのいちいち説明するのは台無しに近い終わり方のようにも!?
ナチハンターが存在している現実に驚かされた。
上質
ストーリーもテンポも演技も演出もオチも、全てが上質な映画。
凄い面白いって訳じゃないけど、(質の)いい映画見たなって感じになりました。
2回目見ると、また違った発見がありそう。多分見ないけど。
それにしても、認知症のおじいちゃんが銃を持ってフラつけるアメリカさんって、やっぱ偉大だね。
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