手紙は憶えているのレビュー・感想・評価
全118件中、41~60件目を表示
爺さん版ビックリものサスペンス
90歳認知症男性ゼヴが老人ホームにてマックスと出会い、共にアウシュビッツ収容所出身だという事を知る。
マックスから昔ゼヴの家族を殺し、今でも元ナチス・アウシュビッツ監守人が偽名にて亡命し生きている事を知り、探し復讐しようとする。
別映画「家(うち)へ帰ろう」や「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」などに描かれる、現代でありながらギリギリ第二次世界大戦時頃の過去出来事をモチーフに出来る(現代老人を使う)内容の映画である。
冒頭が「何故ゼヴが行かなきゃならんのよ?自分でも覚えていない家族殺しの犯人を探しに?」とツッコミ所満載だが、これが成立しないと全体話が成立しない訳(認知症で回避)であり、逆に言えば戦犯監守人探しへの誘導が雑とも思えてしまった。
悪い所を最初に書いてしまったが、逆に(脚本的に)奥さんを亡くした後に行動させている訳、途中探していた人物はユダヤ人以外で収容された同性愛者等、行き着く認知症ゼヴに所々工夫がより面白く感じさせた。
まぁ、「(ボケてもいないのに)昔の事だから忘れちまった」と都合の悪い事はとぼけて終わらせる現代老人に対し、言い逃れ出来ない一泡吹かせる様なエンドは良かった。
認知症老人の復讐劇
ゼブは認知症である。
起きるたびに亡くなった妻の名前を呼び、今自分がいるところがどこか分からなくなるほどの。
老人ホームにはアウシュビッツ時代の同志マックスがおり、マックスとゼブの家族を殺し、ユダヤ人の名を借りて生き延びている元ナチスの男ルディ・コランダーを探すために旅に出る。
マックスはホームから出られないために、司令塔として4人の候補者をどのようなルートで会いにいくかをゼブに手紙として託す。
ゼブは認知症なので、ことあるごとに記憶をなくし、その度に妻を呼ぶ最初に戻ってしまう。
それをルディ・コランダー探しに引き戻すのがこの手紙なのだ。
認知症の老人が4人の候補を一人一人あたっていくのだが、徘徊老人の行方不明者として捜索願が出されている上、銃を携帯しているため、国境越えや警察と関わるタイミングでいつ見つかるのかとヒヤヒヤする。
そもそも90歳のご老体では歩き方も話し方もよぼよぼとして落ち着かない。
ラストのストーリー展開については、ラスト5分の衝撃!となっていたので、ある程度予想がついたが、認知症とは進行するとここまで人間を変えるのかと少しだけ怖くなった。
復讐劇ではあるが淡々と、美しいピアノの音色と進んでいき、認知症でもピアノはおぼつかなく弾けるんだなぁ、アウシュビッツにいたはずなのにこんなにうまくなるほどピアノを習えるもんなのかな、と違和感を持ったのが最初だったが、最後までどういう展開をして終わらせてくれるのか楽しみではあった。
邦題が手紙は覚えている、だが、実際にはrememberだけなので、また邦題ダサいマジックだなぁと思いながらも、手紙がこの話の鍵にはなっているので仕方ないのかもしれない。
どんでん返し
主人公のゼフは認知症だが、友人のマックスからナチの戦犯を探し出して殺害するように頼まれ、旅に出る。そして探し出した戦犯と話をする中で自分もナチである事を思い出し、自殺してしまう。
衝撃
アウシュビッツ、70年後の後日譚
認知症が進行中で、短期記憶が定着せず、眠りに落ちて目覚めるたびに数日前の妻の死すら忘れてしまっている男が主人公。この設定は『メメント』に似ているが、本作の主人公は90歳近い高齢で、記憶だけでなく手もと足もと全てが覚束ない。動作も反応ものろく声も出ない老人をクリストファー・プラマーが演技とは思えないほどリアルに演じていて、まずそのことに感心した。
そんな老人があるミッションを遂行するべく一人旅に出かけるのだが、とにかく危なっかしくて見ていられない。迷子になるんじゃないか、忘れ物をするんじゃないか、行き倒れるんじゃないかとハラハラする。似たような年齢の父親と同居しているせいもあって、どうしても感情移入してしまう。
ミッションの内容と顛末は衝撃的で救いがない。非常に重たい歴史的事実を扱っているだけに仕方ないのかもしれないが、あまりにも残酷で陰惨だと感じてしまうのは、自分が当事者ではないからだろうか。
ナチスの戦争犯罪、とりわけ強制収容所におけるユダヤ人虐殺はこれまでにも様々な切り口で映画化されてきた。『サウルの息子』『ソハの地下水道』『ヒトラーの偽札』『ソフィーの選択』など印象深いが、本作も間然する所が無い脚本とクリストファー・プラマーの名演で忘れられない一本になりそう。
戦争の記憶と認知症
厄介な主題だ。戦争の記憶は忘れられること無く引き継がれなければいけない、二度と悲劇を繰り返さないために。
この作品は戦争被害者である二人の老人が加害者への復讐を行うもの。
厄介なのはそのうちの一人が認知症であること。
昨日の記憶も定かで無いような老人が手紙とわずかな記憶に頼って計画を実行していく。
非常に危うい。
危ういと思っていたら、案の定、事件が。
はじめのうちはその危うさがユーモアに包まれていくかと思っていたが、アウシュビッツは甘くはなかったということか。
最後は悲劇だ。戦争の罪深さ。
とても面白かった
おじいちゃんが痴呆と戦いながら暗殺に励むのが面白すぎる。ただ、彼を操っていた老人が主人公こそが仇であったというのはいくら痴呆が進んでいても無理があるのではないだろうか。真実だからこそ、ボケてていてもそこに向かえると思うので、真実を歪めていて、果たしてそんなに従うのだろうかと疑問だった。
恫喝されておしっこをもらしたり、買い物にいくのも一苦労であるなど老人ならではの困難が描かれていてとてもよかった。
上級なミステリー
ラストに鳥肌が立った。
「手紙は憶えている」字幕版 Amazonプライムで鑑賞。
*概要*
ある1通の手紙をきっかけに、家族を殺したナチスへの復讐の旅に出る男の姿を描いたサスペンス。
*主演*
クリストファー・プラマー
*感想*
気になっていた映画の一つ。他のレビューサイトではあまり評価が悪くてあまり期待していなかったのですが、退屈なシーンが多いけど、結構良かった。
認知症を患っている主人公・ゼヴは、同じ介護施設のマックスの頼みで家族を殺したユダヤ人のオットー・ヴァリッシュ(偽名=ルディ・コランダー)へ復讐の旅に出るロードムービー。
ゼヴは眠りから覚める度に亡き妻のルースを連呼したり、何度も忘れますが、手紙の存在に気付くとすぐに思い出します。伏線も張られてるけど、個人的にラストシーンで鳥肌が立った。
容疑者4人の家を一軒一軒探して、時々眠くなるし、途中から何となく結末は察してしまいますが、最後のアレは、、なんていうか、、後ろから頭でトンカチで殴られたような強い衝撃受けました。(^^;
認知症とナチスが絡んだ話で、まぁ~見方によれば賛否に分かれるかと思いますけど、個人的に最後はただただ驚いた。
スマホで観てましたが、驚きのあまり落としそうになりましたww
その他で良かった所は、ゼヴのピアノの演奏、病院にいた女の子が可愛かったな!
他のレビューサイトでは駄作だって書いてありましたが、駄作ではなかったです!\(^^)/
戦争責任に終わりなんてない…。
ずっと観たかった映画の一つ。
最後の最後に待ち受ける衝撃的な結末に、涙が止まりませんでした。
認知症を患う90歳の老人は、第二次大戦中にユダヤ人捕虜だった悲しい過去を持つ男。
ナチに家族を殺された復讐を果たすために、認知症でありながらも容疑者を求めて長い長い旅出ます。
寝むるとすべての記憶を忘れてしまう彼にとって、常に肌身離さず持ち歩いている手紙が命綱。
手紙を頼りに目的の為に、不安定な体を必死に動かしながら犯人の元に歩んでゆきますが、最後でまさかの衝撃的結末…。
全てを忘れた男に待ち受ける、悲劇の幕引きとなりました。
ミステリーでもあり、歴史物でもある、両方の面から楽しめる作品。
この作品は、ずっと心に残るものとなる気がします…。
最後にびっくり。
共にプロック責任者だ
映画「手紙は憶えている」(アトム・エゴヤン監督)から。
偶然にも、映画「ヒットラーの忘れ物」を鑑賞した後なので、
ナチスへの復讐をテーマにした作品が重なり、驚いた。
ヨーロッパでは、第二次世界大戦に絡んだ作品は、
必ずと言っていいほど「ナチス」の非道さと、
それをいつまでも忘れず、復讐に燃える人々が描かれる。
それも、ドイツ国が合作として関わることが多いから不思議だ。
さて、今回の作品を思い出すためには、2つのフレーズを用意した。
作品最後のシーンに登場する、
「いつか君が訪ねてくると思った」と「共にプロック責任者だ」。
そして「君は自分を『狼』(ゼヴ)と名付けた」で真実が明かされる。
愛する人、大切な家族を殺された記憶が、今もなお残っているし、
ナチスへの復讐とは、こうも根強く残っているのか、
その為には、驚くほど綿密に計画されているものなのか、
トリックが分かってから観直すと、また新しい発見があるのも本作。
どの時点で、見破れるか、これまた映画の楽しみである。
サスペンス作品の醍醐味はここにある、と言っても過言では無い。
予想通りの結末だったが
ホームの友人の表情から、こういう結末になるだろうと予感しつつ観賞。それでも途中ずっとハラハラして釘付けでした。四人のルディーコランダーのストーリーもそれぞれ印象的で引き込まれました。最後は予想通りの結末でしたが、とても満足しました。
全118件中、41~60件目を表示