「【世の時勢を織り込みつつ、市井の人々を優しい眼差しで見つめ、品のある喜劇に仕立て上げる山田洋次監督の慧眼冴え渡る】」家族はつらいよ2 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【世の時勢を織り込みつつ、市井の人々を優しい眼差しで見つめ、品のある喜劇に仕立て上げる山田洋次監督の慧眼冴え渡る】
山田洋次監督は齢、80歳を超えているとは到底思えない程、外見も思考力もお若い。
現役で映画をバリバリ製作されており、しかもどの作品も高いレベルで喜劇要素を纏わせながら、強いメッセージを世に発信しているのだから、恐れ入る。
山田監督の半分強しか生きていない私などは、マダマダだなあ、と監督作品を鑑賞する度に思う。
さて、今作だが「東京家族」に出演した8人の俳優さんたちが再々集合している。
テーマは平田周造(橋爪功)が度々車をぶつける事から発する免許返納問題から始まり、
平田が、旧友丸太君(小林稔侍)が交通整理をする姿を見て(零落した姿として描かれている)十数年振りに呑みに行き我が家に泊めるが、丸太君が急死してしまい・・。
と、近年社会現象になっている諸問題を喜劇に仕立てながら、世に問う物語。
鑑賞中は場面場面でくすりと笑い、時に、我が身の周りに起こっている事を思い出ししんみりし、”うーん、矢張り山田監督の作品はいいなあ”と思いながら劇場を後にする事が出来る・・・。
今作もそのような良き作品である。
<2017年5月30日 劇場にて鑑賞>
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