「想像以上にエモーショナル:文句たらたら」映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
想像以上にエモーショナル:文句たらたら
石井裕也監督の過去作に持っていたイメージとは、ずいぶん違う、若々しくて痛々しくてエモーショナルな作品でした。
原作になっている詩集を読んだ事はありません。たぶん、美香が語るモノローグが最果タヒの詩の一部なんだと思います。
私にはちょっと若々しすぎるかなーとは思ってみていました。
世界には恋愛が溢れているとは全然思わないし。
恋愛に縁がなくても全然焦りもしなく、むしろほっとしている人も多いと思うんですよ。
なのでまあ、私の物語っていう気持ちはしなかったですね。
でも悪くはないってゆうか、切ないし、成功しているとも思いました。全体的にいい作品だと思います。
美香ちゃん演じる石橋静河は、原田美枝子と石橋凌の娘さんらしいです。
あんまりどっちにも似てないなーと思ってみていました。
殆ど演技は初、だそうで、確かに「うまい」という感じではないです。
でも下手でもなく、演技している人ではなくて、美香として生きているように見えていました。
慎二に近づく怪しげな元同級生の女に、すっげー見覚えがある、だれ?どこででてる?と、色々考えましたらね、
妄想OL日記のさえちゃん役の子だとわかりました。さえちゃん!夏帆とバカリさんの後輩のさえちゃんです。すっきりしました。
そしてね、着てる本人が選んだわけではないでしょうが、膝丈のスリップね、あれを着てる2017年の20代女子はいませんて、と無言でツッコミました。
セックス前のにおいを醸す小道具として着せたんでしょうが、あのデザイン、絶対選ばんでしょう、2017年の20代女子は(リピート)!
この映画に限りませんけどね、ブラとパンツ姿が役者的にNGだからとか色々理由があるんでしょうけど、
選ぶとしてもワンピースの日じゃないですか?ほいでもっとカジュアルなデザインでしょ。あの胸レースは50代のセンスですよ。
なんか男の幻想って感じがして興ざめしました。
あっれー文句ばっかりになってますが、や、よかったんですよ?
躁っぽさがときどき出る池松くんとか(にしても汚い格好似合いすぎw)、HEROでのいい人っぷりが嘘のような正名さんとか(職場で死ぬなってゆっといて、が震えた…)、ダメさを前面に出した松田龍平も田中哲司もよかったんですよ。
なんですがよかったことより、不満の方が語りやすい作品でしてね、まだ言い足りないんですよ。
えっとね、片目が見えないことの表現として画面の半分が黒っていうのは、比喩なんだとしてもいいと思えなかったです。
あとワーキングプア(年収200万以下程度の人)ならばもっと狭い部屋に住みませんか?松田龍平の部屋も結構広かったし、家賃6万なんぼっていうのは、東京だとしてももう少し安くできるんじゃあとか思います。
収入低い設定なのに住んでる部屋が広いっていうのは、映像作品あるあるなので(自分調べ)、今作に限ったことではないのですが。
撮影機材入らないからかなーとか思っていつもちょっとさめますね〜。
えっと、いい映画なんですけどもね、文句が言いたくなってしまう感じでもあって、すみません。以上です。