「ドゥニ版デッカードのその後」ブレードランナー 2049 akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
ドゥニ版デッカードのその後
ソニーコロンビア。アメリカでは大コケしたらしいが、大衆が素直に楽しめる作品ではない。前作を見ていなければ、全く意味不明だろう。
前作を見たことがある人でも、しっかり復習しておかねばならない点はいろいろあるように思う。前作と本作をつなぐ短編がネットにあるらしいが、これらも多分必須なのではないか。
最低でも、基本の基本、「レプリカント」という概念を理解しておかねばならないのが一つ。あと、私はレイチェルについてあまり覚えてないので、前作を見返さなければと思う。そんなに魅力あったかなあ。
老齢のハリソン・フォードに無理をさせてアクションをやらせているのは、失笑してしまう。もっと短くするか、別の方法はなかったかと思う。
デッカードとレイチェルのその後について知りたいという欲求についての答えがここにある。そしてBR世界でレプリカントと人間がどういう展開を見せてゆくのかというテーマは、21世紀の現実のこれからの重要課題であるとは思う。人口知能の人権についてだ。そもそも「人工知能はヒトなのか」というテーマがあるが、私個人の考えでは、ヒトではない神様みたいなモノになってゆくんだろうなあとも思う。
ヒト型ロボット関連映画で言えば、スピルバーグのAI、ターミネーターシリーズ、エクスマキナ等々あるが、人工臓器や人工義肢、人工知能、先進国の倫理観、ラブドール等々の進化であと百年もたたぬうちにこの映画が現実化するかもしれない。
なんとも切なすぎるラストでしたね。前作に思い入れがある人にとっては、この続編を過小評価する人が多いようですが、私はどちらも同じ位好きな映画です。ただ前作を最初に見たときの、近未来の情景は驚嘆に値します。その点この映画はそのような新鮮さに欠ける点は否めませんが。