「いい意味で期待を裏切る良い映画」ちょっと今から仕事やめてくる るか19さんの映画レビュー(感想・評価)
いい意味で期待を裏切る良い映画
最近見た中では1、2を争う良い映画だった。
まず、福士君、工藤君を始めキャストの好演技。
いやいや、工藤君にこういうちょっと頼りない青い青年役をさせたら右に出るものはいないねー。素晴らしい。
福士君もアロハが似合うヤマモト役で、良い演技。
工藤君演じる青山が勤めるブラック会社の営業部長の吉田鋼太郎はさすがベテラン、思っていた通りの鬼部長役でした。
題材としてはまさに現代の日本の問題を象徴するような題材で、ブラック企業や長時間労働、上司のパワハラや若者の自殺、親のリストラなど今の社会問題が詰まった映画。
そういう意味では筋にリアリティーがあり入りこめた。
しかし、暗い内容の中にも笑える場面や泣ける場面もある映画。
ご心配なく。
唯一、違和感があったのはエンディング。
「今から会社の辞めてくる」とヤマモトを喫茶店で待たせて青山が意気揚々と会社へ向かい、ヤマモトに報告のために喫茶店に戻ってきたらヤマモトがその場から消えていたこと。
その後の場面の情報から、ヤマモトは青山が会社を辞めてきて嬉しさの余り道で小躍りしながら喫茶店に戻ってくる様子を目撃していたことがわかる。つまり、ヤマモトは青山が喫茶店に戻ってくる直前に姿を消したことになルミネでもが、映画的な意外性を求めたのだろうが不自然この上ないものだった。姿を消す理由がどこにある?
そこから青山は何度もヤマモトに電話したりヤマモトを探すが、ヤマモトは一言も告げずに海外へ。えっ、何で???
この辺りから映画的なハッピーエンドに向けて、筋を無視した展開になっていきます。残念だけど仕方ないか。映画だしね。
会社を辞めた青山を喫茶店でヤマモトが待っていて、嬉しそうに会社辞めてきた、と報告する青山に対しヤマモトが「おう、良かったな」っていうのが自然な流れだけど、それだと映画の筋としては地味すぎるもんね。
でも感動的な良い映画で満足。
レビュー、成る程と思いながら読ませて頂きました。
私は3回この映画を見たんですけれど、ヤマモトが何故消えたのかって考えてなかったです。
レビューを読んで、そういえばそうだと考えてみたんですけど、ヤマモトは隆に「俺、バヌアツ行くねん」ってお別れ言うのが辛かったのかなと。
隆にそれを言ったら何も考えずについて行くと言いそうだし。
だから孤児院に写真を預けたんじゃないでしょうか。
自分の意思でヤマモトを探して孤児院まで来た隆だからバヌアツに来ないかって誘ったのかも。
などと色々と考えてしまいます。
この映画は見る度に考えたり気づいたりしてリピートしてしまい、それが楽しいです。
人によって感じ方が違って、答えがあるようなないような。
るか19さんのレビューでまた新しい気づきが出て来ました。ありがとうございます。