戦場のメロディのレビュー・感想・評価
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ダニーボーイとアニーローリー
北朝鮮の孤児ドングとスニの兄妹も韓国の孤児たちに混じって孤児院に収容されることになった。大人の戦争に子供たちは関係ないという南北融和の精神も垣間見え、戦争をなくしたいと願う作者の思いが伝わってくる。
孤児たちをこきつかってあぶく銭をかすめとろうとするかぎ爪男や、その商売相手である幼児愛の変質男はそれほど要らないキャラであったが、まぁ味付け具合もなかなか良い。
北の子供と南の子供のケンカを仲裁するサンヨルのシーンが震えがくるくらい良かった。「ダニー・ボーイ」と「アニー・ローリー」を同時に歌わせて、違った音でも和音になれば美しくなるという教えは素晴らしい。ここだけもう一度聞きたいくらい。
終盤、慰問の旅に出ていた児童合唱団であったが、森の中でおしっこするために奥深くに入ったため敵の銃弾を受けてしまった14歳のドングが死んでしまう。9歳のスニは自分が北の歌を歌ったために父親が殺されてしまったという過去があるため歌を歌えなくなっていたのだが、兄の死に直面し、歌いだすところも涙を誘う。
(ほぼ備忘録)
歌の力が圧倒的
1945年の8月15日にこの映画は始まる。日本の占領が終わった日。朝鮮の独立が勝ち取られたと見えた時だ。
しかし、また東西の熱い戦争。最初の戦闘場面が凄まじい。同胞同士でと思うとさらに辛い。朝鮮戦争での死者200万人、残された家族、離れ離れになった家族はその何倍にもなる。
戦線の変化で、地域の支配者が変わり昨日の味方が今日の敵となる。そんな事の悲劇で親を失い、孤児になる子どもたちがいる。
故郷の歌の力は人の心の底を揺らし、圧倒的だ。どの国にも素晴らしい歌がある。
本気の韓国映画はすごい。邦題はありきたり過ぎ。
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