戦場のメロディのレビュー・感想・評価
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ダニーボーイとアニーローリー
北朝鮮の孤児ドングとスニの兄妹も韓国の孤児たちに混じって孤児院に収容されることになった。大人の戦争に子供たちは関係ないという南北融和の精神も垣間見え、戦争をなくしたいと願う作者の思いが伝わってくる。
孤児たちをこきつかってあぶく銭をかすめとろうとするかぎ爪男や、その商売相手である幼児愛の変質男はそれほど要らないキャラであったが、まぁ味付け具合もなかなか良い。
北の子供と南の子供のケンカを仲裁するサンヨルのシーンが震えがくるくらい良かった。「ダニー・ボーイ」と「アニー・ローリー」を同時に歌わせて、違った音でも和音になれば美しくなるという教えは素晴らしい。ここだけもう一度聞きたいくらい。
終盤、慰問の旅に出ていた児童合唱団であったが、森の中でおしっこするために奥深くに入ったため敵の銃弾を受けてしまった14歳のドングが死んでしまう。9歳のスニは自分が北の歌を歌ったために父親が殺されてしまったという過去があるため歌を歌えなくなっていたのだが、兄の死に直面し、歌いだすところも涙を誘う。
(ほぼ備忘録)
心に響く子供たちの歌
1952年、イムシワン扮する大学で音楽を専攻していたハンヨンサルは、最前線で戦っていた。その後、釜山へ転属し戦争孤児院の管理者に推挙され孤児たちの合唱団を作った。しかし、人民軍の歌を歌った事でアカとして父親を殺されたから歌わない幼い娘もいた。
韓国の歴史には疎いが、悲惨な朝鮮戦争だったんだね。言われは分からなくても子供たちの歌は心に響くものだね。
子供たちの熱演が光る!
冒頭、朝鮮戦争の戦闘シーンは、まともに見られないほど悲惨さが際立っていた。超絶美顔のイム・シワンが泥だらけになり、生きるのに必死な様子は涙なしでは見られないほど。
なにより、子供たちの演技が自然なのと、歌声が素晴らしい。改めて、少年少女合唱団ってやっぱりいいなあと。子どもの歌声って人を癒す力があるんですよね。
欲を言えば、女性教師とラブストーリーがあってもよかったかなあ、と。かなりいい感じになっていましたし。とにかく最初から最後まで号泣しっぱなしでした。まさに、戦争時代を生き抜いた人たちの凄さを思い知ることができました。
原題意訳『兄を想う』
あれれれ、中盤からメッセージ性が出てきたかと思いきや、後半にかけてブレてきた感が…
本作を一言でまとめると「前線から除隊した軍人と戦争孤児の出会い、彼らが創った児童合唱団の記録」それ以上でもそれ以下でもないかな。
キャッチにある「奇跡」もこれと言って描かれていなくて残念。
一見主人公はイム・シワン氏演じるハン・サンリョル、しかし観終えてみれば原題の指す人物(=兄)はドングでそこに想いを馳せる妹はスニ。
主眼がどこに置かれているのか、何映画なのか(戦争映画と言うには描写が弱いし、子供を主役にしているとしたら大人に充てたスポットが多過ぎるし、かと言って音楽映画とも言い難い)、戦時下という非常事態で生まれる苦悩や葛藤とそれを乗り越えていく過程の描写が散漫したり足りなかったり、題材が良いだけに仕上がりが勿体ないと感じた。
とは言え、史実を知る意味では一見の価値はあろうかと。(これまで取り上げられたことが無いと思うので)
また、どの時代どのような環境でも「子供たちは希望」だと思わせてくれる点は良い。つまり子役たちが非常に良かった!
歌の力が圧倒的
1945年の8月15日にこの映画は始まる。日本の占領が終わった日。朝鮮の独立が勝ち取られたと見えた時だ。
しかし、また東西の熱い戦争。最初の戦闘場面が凄まじい。同胞同士でと思うとさらに辛い。朝鮮戦争での死者200万人、残された家族、離れ離れになった家族はその何倍にもなる。
戦線の変化で、地域の支配者が変わり昨日の味方が今日の敵となる。そんな事の悲劇で親を失い、孤児になる子どもたちがいる。
故郷の歌の力は人の心の底を揺らし、圧倒的だ。どの国にも素晴らしい歌がある。
本気の韓国映画はすごい。邦題はありきたり過ぎ。
達者だがそれなり
朝鮮戦争中の戦災孤児による合唱団、という舞台装置だけで涙腺半開き。子役たちの演技も歌も達者で、それなりに感動もあったのだけれど。どのエピソードも想定を超えるものではなかったし、いまいち深みに欠けるというかね。面白い題材なのにな〜。たぶん脚本の問題。
サウンドオブミュージックとは全然違うけど…。
朝鮮戦争、同じ民族なのに…。
オトナが起こした戦争だけどなんの関係もない子供達が全てを失うのは酷。
合唱団が子供達の拠り所になりそうだけど、この子達も選ばれし子供達なんだよな〜。
戦争のむごさと子供達の美しい歌声が反比例して悲しい。
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