「【教師と元生徒の“禁断の恋”を描こうとした作品。この作品を支えているのは、有村架純さんが確かな演技で、駄目駄目な二人の男に見切りを付け、新たなる人生を歩み始める姿である。】」ナラタージュ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【教師と元生徒の“禁断の恋”を描こうとした作品。この作品を支えているのは、有村架純さんが確かな演技で、駄目駄目な二人の男に見切りを付け、新たなる人生を歩み始める姿である。】
ー 手元には今作のフライヤーが三種ある。だが、当時私は今作を鑑賞しなかった。理由は明確にある。ー
■大学2年生の春、泉(有村架純)は高校の演劇部の顧問教師・葉山(松本潤)に、後輩の卒業公演に参加してくれないかと、電話で誘われる。
葉山は高校時代、孤独な泉を救ってくれた教師だった。
誰にも言えない葉山との思い出を胸にしまっていた泉は、再会により気持ちが募っていく。
◆感想<可なり、男目線で、批判的に書いています。>
・葉山が、自分の妻、美雪(市川実日子)が精神に異常を来し、家の納屋に火を放ち、東京から逃げるように富山に赴任して来た背景の描き方が粗い。
・そこで、出会った泉が孤立感を深めて行く中、演劇部に誘う葉山という設定だが、泉が孤立感を深めて行く過程が、キチンと描かれていない。
ー 故に、葉山に対する泉の想いが伝わって来ない。ー
・泉の卒業時、葉山が”自分を慕っていると知っていて”泉の唇に触れるシーン。
- 男として、どうだろうか、この行為は・・。-
・更に、随所で卒業した泉に電話を掛けてくる葉山の姿。
- 再び書くが、男としてどうなんでしょうか?若い女性を迷わせているだけではないのか?-
・泉は、葉山への想いを吹っ切る様に、自分に想いを持つ小野(坂口健太郎)と付き合い始めるが・・。
- 小野の、恋焦がれていた女性、泉に対する態度の微妙な変化を坂口健太郎が絶妙に演じているが、観ていて”この野郎!”と思うシーン多々あり。
夜中に葉山から掛かってきた電話について、着信履歴を見せろとか、男としての器が小さすぎる。しかも、別れの際に、自分で作って贈った靴を脱いでくれ!という言葉に至っては・・。-
・葉山も、妻の父が訪問して来た事で、グダグダになり、泉へ助けを求めるシーン。
- 何となく、葉山の妻が精神的に異常を来した理由が分かる。
【葉山は優しいが、男として”ここぞ”という時の力が無いのである。】ー
・再後半の、女生徒が歩道橋から身を投げた理由も台詞で語られるのみで、隔靴掻痒感が半端ない。
<行定勲監督監督は、恋愛映画の名手とされているが、この作品は男から見ると、駄目駄目な二人の男に翻弄されつつ、自分の道を歩み始める強い女性を描いたように見える。
監督の作品制作の意図がそうであれば、という想いと、有村架純さんの身体を張った熱演に対し、評点を付けた次第である。
女性の方が今作を観てどう思われたかは分からないが、男から見ると、繰り返し書くが、駄目駄目な男二人に翻弄された女性を有村架純さんが、確かな演技で演じた事が見所であった作品であると思う。
彼女が、駄目駄目な男達に見切りを付け、新たなる人生を歩み始めるラストシーンは、そういう意味では印象的であった作品である。>
先日は励まされるコメントありがとうございました。
久しぶりに観直しました。
やはり葉山は教師としても男性としても駄目駄目男でしたね。
泉のしっかりした態度が好ましかったです。
彼女に似合う男性は瀬戸康史の同僚かも知れませんね。
いつもありがとうございます。
そうですね。
葉山はダメダメな人ですが…ダメ故の優しさが好きだったり逆に支えてあげたい気持ちにがあるのかもしれませんね。(何となくですが…)