マグニフィセント・セブンのレビュー・感想・評価
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「七人の侍」ファンとして見ました
長年の黒澤ファン、「七人の侍」ファンとして、吟味?しながら見ました。 限られた時間の中で、それなりに「七人の侍」の精神と形式を、また、「荒野の七人」の形式を入れ込んでいました。 相対的には、この映画の方が「荒野の七人」よりも黒澤映画に近いのでは、という印象を持ちました。
ゲーリークーパーなどの古典的西部劇を良く見ていた古希のものにはこの映画の拳銃捌きが見所でもありました。
現代的な裏テーマ
ストーリーのベースは確かに「七人の侍」だが「荒野の七人」のリメイクですらない別の映画だった。もちろん両作へのリスペクトはあるが、作者が本当にやりたかったのは別のこと。その為にとてもポピュラーな両作のストーリーを借りただけ。「七人の侍」では危機に瀕している人々は農民であり、襲ってくるのは野伏。食う為には農民は土地にしがみつかなければならないし、野伏も収穫を奪わないといけない。命を懸けてでも。この辺は「荒野の七人」も外していない。しかし本作の町の人々は開拓移民であり、命を懸けてまで町に残る必然性が感じられない。襲う側も金で雇われただけで、命を懸けることになろうとは思ってもいない奴らだし。彼らに夫を殺された若い未亡人の壮大な復讐がストーリーを動かしている。
第一にやりたかったのは単純に西部劇を作りたかったんだろう。監督でも俳優でもハリウッドにいたら、西部劇をやってみたいよな。日本人なら時代劇だけど。演技派デンゼル・ワシントンのガンさばきもサマになっている。実に気持ち良さそうに演じている。デンゼルはユル・ブリンナーよりも志村喬のつもりで演っているね。それとヘンリー・フォンダ。「ウェスタン」のフォンダに扮装も佇まいもソックリ。クリス・プラットは従来のカウボーイのイメージにいちばん近いが、白人だから当たり前か。役柄も「荒野の七人」のマックイーンに近い。手綱さばきに難はあったがカッコ良い。イ・ビョンホンの役もオリジナル二作からきているが、まさか宮口精二ではなくジェームズ・コバーンを演るとは本人も思っていなかったろう。彼も気持ち良さそう。イーサン・ホークは単純なカウボーイ役じゃないがやっぱりカッコ良い。他のメンバーはカウボーイではない。メキシコ人のお尋ね者にマウンテンマン、そしてインディアンの戦士。彼らのキャラが独特なのはいいが「七人の侍」の侍集めの面白さが全く活かされていないのが残念。リアリティーが全くないキャラたちだから西部劇版アベンジャーズの趣きがある。ラストの銃撃戦はリアリティーがない上に長過ぎる。いまの観客はあそこまでやらないと満足しないのか。
さて作者がもうひとつやりたかったこと。冒頭で悪役の資本家が教会に集まった町の人々に民主主義と資本主義についての暴論を吐く。まるで現代アメリカの白人資本家だ。あの大統領の顔も透けて見える。コイツに立ち向かうのが黒人リーダーに率いられたマイノリティーたち。彼らの雇い主は若くて美しいがタフな女性。現代アメリカ社会への痛烈な皮肉。西部劇のヒーローには全く相応しくない多種雑多な人種設定は実はこの裏テーマの為だろう。巧妙な皮肉の仕込みはまだある。デンゼルが「ウェスタン」のヘンリー・フォンダそっくりの扮装で腰の拳銃まで同じような光り輝くニッケル仕上げのピースメーカーなのはアメリカの良心と云われていたフォンダが「ウェスタン」では珍しく冷酷な悪役を演じていたためだ。白人スターのフォンダが悪役を演じたときの扮装で黒人スターのデンゼルが正義の役柄を演っている。かなりの皮肉。
イーサンとビョンホンは明らかに恋人同士でしょう。LGBTのヒーロー。その上イーサンはPTSDに苦しんでいる。PTSDに悩むひとたちも社会的弱者だ。
人種、性別、LGBT、PTSDといったあらゆるマイノリティーたちがヒーロー。
★★★★のうちひとつはこの裏テーマを事もあろうに西部劇に仕込んだ点が痛快だからです!白人の神話、西部劇に!
エンドロールのエルマー・バーンスタインのオリジナルスコア には泣けた。
人種を超えた西部劇
切り口上がないぞ!
"今どきだなぁ"と思うのは、今回はダイバーシティ(diversity)版になっていること。七人の傭兵は、白人、黒人、メキシコ人、アイルランド人にネイティブアメリカン、韓国人・・・そして依頼主は女性である。ユニバーサルな配慮のカタマリ。
十分に楽しめる作品であると同時に、複雑な気持ちにさせられる。なぜなら多くの人がまだまだ映画に、"新しさ"を求めていると信じたいから。
これは、もはや歌舞伎の十八番(おはこ)のひとつのようなもので、映画を知っている人ほど楽しめる、"通"のものである。
"Classical"と"Contemporary"のある、他の芸術分野と比較して、わずか100年余りしかない"映画"の中で、近代演劇・小説をネタにしたものは別として、こんな"枯れた"趣向は必要なのだろうか。誤解を恐れずに言えば、ついに"ネタ切れ"なのか。
それにしても、仕掛けに誘い込んで爆薬でまるごと吹っ飛ばしたり、袋小路に追い込んで一人ずつ仕留めたり、"型"をしっかりと踏襲していて、アントワン・フークア監督の並々ならぬ原作リスペクトである。ガンアクションのカッコ良さは、"いまの見得は美しかったなぁ"と呟いたりして。
オリジナルとの違いは、各人の動機が違うことと、恋愛要素がないこと。
この出し物は、「本当に勝ったのは農民たちだ、俺たちじゃない」が、"切口上"なわけで、これがない! ただ去っていくのは、とてつもなく残念。
"まずは今日は、これぎり"
撃ちまくり
デンゼル・ワシントンがリーダーならある程度架空設定はないと無理だよな、と思ったけど、予想以上の異文化人キャスト取り入れまくりで、収拾つくのだろうかと心配したが、まぁまぁよかったんじゃなかろうか。
というか、あのストーリーを政治的に正しくするとこうなるよねぇ、と辟易しつつも面白く観られたのは、やっぱり馬とガン、アクションが素晴らしかったからだと思う。
ツッコミどころはたくさんある。
しかし、そんなことはウエスタンな乗馬(何回見てもあの手綱の持ち方不自然)とか、デンゼル・ワシントンの恰幅の良さとか、ガトリング銃が悪魔のように新兵器な受け取り方されてるところとか、いやダイナマイト無双とか、男は皆酒好きで女好きで下ネタで盛り上がるところとか、そんなのが出てくるからいいのだ。
荒野の七人は観てなくても、七人の侍観てたらだいたい何をリスペクトしてるか分かるし、ウエスタンの他の作品知ってたらまぁまぁ納得できる出来栄えなんじゃないかなぁ。シェーンくらいしか知らんけど。
個人的には、未亡人がなかなか清廉に見えたし、アクションの後日焼けしてるのがいい印象。
菊千代とくっついてほしかった。
あ、そう。皆のガタイがとても良く、骨格からしっかりしててそれも素晴らしかった。
タイトルロールの短さも、今時無いほどで、マンパワーの良さを感じた。タイトルロールのBGMがずっと荒野の七人のメインテーマなら尚よかった。
とにかくガンアクションの爽快感でスッキリした。
カッコいい。
3.3くらい
男なら必ず胸が熱くなる!!!
久しぶりに興奮するアクション映画が見れました!!
ストーリーは単純明快。
悪いやつをたった7人でぶっ倒す。
アクションシーンはポスターや予告でも分かるように、ほとんどがガンアクションです。
ガンアクションと言っても、ただのガンアクションではなく、7人のキャラクターのそれぞれの個性が出ていてとても見応えがありました!!!
しかし、少し残念だったのが、サムたちが他のメインキャラを勧誘するシーンで、それぞれのキャラクターが付いていく動機が少し薄かった気がします。
でも、そこだけ。
本当に面白くて最高のアクション映画でした!
クリスプラットとヘイリーベネットがメイン
もっと古典的にするのか斬新な撮り方にするのかどちらにした方がいいような気もするが、別に粗もないし沢山のスタントマンを使っただけの事もある騎馬アクションは見応えあった。
もっとデンゼル・ワシントンが前に出てくるのかと思ったらそうでもなく、
最後インディアンとメヒコと黒人が生き残るのはやっぱり配慮なのかと
思った通りの映画!
7人全員個性的で、必ずしも根っからの善人ではない人ばかりだけどみんなかっこよかったです!
豪華メンバーで期待してただけに拍子抜け…ということがままある中、主人公達はメチャクチャ強い!敵はメチャクチャ悪い!町の人たちと力合わせて頑張る、戦う、ピンチくる!…と、ドキドキハラハラ楽しめました。仲間を一人ずつ集めていく過程もワクワクしましたねー。
7人は個別の知り合いはいるもののチームとしては寄せ集めで慣れ合いはないのですが、憎まれ口を叩きあってたファラデーとヴァスケスの微妙な友情が特によかったです。グッドナイトとビリーの絆もいい!
個性的に一つだけウーンだったのは、サムの'動機'。いらなかったんじゃないかなー、「今まで殺した者たちのために祈れ」で良かったんじゃないかなー、と思いました。
私は主にクリプラ目当てで見に行ったけど大満足。「陽気な二枚目(本人談)」のクリス・プラットを見たい方には是非お勧めします。
男なら黙ってトキメけ!
7人の侍・魂
ザ 西部劇
淡々としたウエスタンで賞
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