「雰囲気は楽しいけれども、作りが雑過ぎるような気がしました。」マグニフィセント・セブン Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気は楽しいけれども、作りが雑過ぎるような気がしました。
超傑作『七人の侍』をリメイクしようなどと考える人はたぶん日本人にはいないと思うから、ハリウッドで『荒野の七人』をリメイクしてくれるのは嬉しい。
荒野の七人は単なる銃の撃ちあいみたいな感じだったけど、この映画は多少『七人の侍』に近づけて戦争というか市街戦に近いような感じになってました。
いろいろ作戦を立てたり、罠を仕掛けたりしていた。
でもどういう作戦なのか、どういう罠なのか、説明がないのでわからなかった。
当たり前だけれど、『七人の侍』の重厚で精密な作りには遠く及ばないし、『荒野の七人』のキャラクター設定の素晴らしさにも及んでいない。
雰囲気だけ似せているような映画でした。
なんとなく雰囲気は元の2作品に近いけれど、内容はよく考えるとおかしいことだらけ。
まず大前提として、何でボーグがこの町の人を追い出そうとしているのかよくわらない。
金鉱は手に入れていたみたいなので、別に追い出す必要ないのでは?
逆にいてくれた方がいろいろ都合がいいような気がする。
反対する人を殺しているくせに、立ち退き料を払うと言ったり、準備に3週間待つと言ったりするのは辻褄が合わない。
それに短時間でキャラクター設定して説明するのは難しいから、とりあえず見た目重視、属性重視で、人種で分けているのも変。
メキシコ人はいいとしても、黒人のガンマンで賞金稼ぎというのも変だし、インディアンが参加してくるのも変、一番変なのはイ・ビョンホンの韓国人ガンマン。
いたかもしれないけどかなりおかしな感じがした。
これだったら日本人の侍の方がまだまし。
戦法や作戦や戦い方もよくわからない。
『荒野の七人』よりも『七人の侍』に近づけたという感じで、いろいろ『七人の侍』を意識したようなシーンが入っているのだけれども、なんでそういうことやっているのか説明がないのでよくわからない。
そんなことやっても意味ないだろう、というものばかりで理由が不明。
ボーグ一味の方もただ単に突っ込んでくるばかりでやられっぱなしというのもおかしい。
最後に秘密兵器が出てくるけれども、使い方も変だし、防ぎ方も変。
全体的に作りが雑すぎるような気がした。
リメイクする元の映画が名作過ぎるので、作り込んでも意味がないから雰囲気だけ楽しんでくださいということかもしれない。