インクレディブル・ファミリーのレビュー・感想・評価
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悪人やっつけるより子育てのが大変
スーパーヒーロー映画として見た時の本作の特異な点は、日常生活とヒーロー活動が等価に描かれる点だ。前作は、しがないサラリーマンとして苦悩するボブの姿が印象的だったが、今回はボブが家事・育児をしる間、イラスティガールことヘレンがヒーロー活動をすることでさらに日常の大変さが強調されている。
ステレオタイプなアメリカ男なボブは、育児も家事もからっきしである。そんな彼からしたら、ヒーロー活動よりも大変なことである。バード監督は、ここに子育てはヒーローとして平和を維持することと同じくらい重要なことだとメッセージを込めた。
イラスティガールの活躍が多いのも、昨今の女性のエンパワーメント的を支持するハリウッドの潮流も影響あるだろうが、前作で強調できなかったヘレンの元々持っていた一面でもある。
メディアを通じて大衆を洗脳する悪役というのも現代社会を顧みると考えさせられるものがある。スカッとする内容ながら、複雑な社会も反映されている。家族で観て楽しんでからいろいろ議論もできるだろう。
2になるとつまらなくなりそうで避けていたが面白かった うまいこと子...
無駄なく詰まったボリュームたっぷりの約2時間、一度で全ては観きれない
14年の技術進歩を随所で感じる大迫力の続編
前作はピクサーでも指折りでお気に入りでしたが、今作はそれを凌駕する程に
面白い作品でした。
ヒーローが活躍する内容ゆえに戦闘シーンが非常に多く爆発エフェクトや
破壊シーン、各ヒーローの能力の描写などが極めて迫力があり
特に、“一見ダサいスーツのヒーロー達“がいざ動いて戦い始めるとダサさなど
霧散し、実写では難しいアクションを沢山見せてくれてメッチャカッコイイんです。
主人公家族の日々の生活描写も何というか「あ~親ってこうなんか」みたいな
リアルなやり取りをしてまして、この家族の日常とヒーロー活動がうまく混ざり
最後まで楽しめる構成でした。
あと、私イラスティガール(奥さん)がピクサー作品の女性キャラで
一番好きなんですけど(前作で彼女が鏡を見るシーンがとても好き)
本作のあるシーンで華々しいヒーロー活動をして直ぐにでも旦那に話したいけど
子供の世話で疲れてるであろう旦那の手前、何度も家の方は大丈夫?とか
大変じゃなかった?と先に旦那の苦労を気遣い、そして私の事話して良い?
と確認してからとてもハシャギつつ自分の活躍っぷりを話す所が
男の自尊心をよくわかってるええ奥さんって感じがして地味に好きです。
とりあえず、前作好きなら間違いなく面白いです。
理想の続編
もちろん面白いし、大満足です。でも、素直に楽しめないとすれば、いつもの考えすぎの虫が頭をよぎること。まぁ理屈なんか忘れて、ひと夏の思い出に、親しい人や家族と、一緒に映画館に出かけましょう。これほどふさわしい映画も他にないと思います。
小さいお子さんと一緒なら、吹き替え版の出来もいいです。まあ、めったにやってないけど、レアな字幕スーパー版を探し当てて見るもよし。前作をたとえ見ていないとしても、まったく問題ありません。
今回、個人的にツボだったのは、スーパー赤ちゃんのジャックジャック。ちゃんとプロの声優さんが声を当てているんですが、どう聞いても自然な赤ちゃんのうわ言のようなセリフばっかりで、これだけでも癒されます。この赤ちゃんのスーパーパワーが、コントロールできないだけにかえってボブを苦しめるトンデモな展開に。これは笑えます。
そしてお母さんのイラスティガールことヘレンが大活躍。クレバーで大胆、鮮やかなアクションは爽快で、見たことのない興奮を味わえます。
さて今回、思い至ったことは、「マイノリティに最大限の配慮をすることが、もはや大作映画には義務付けられる」「ディズニー映画は世界市場を当たり前に意識している」ということです。
パパは育児に専念し、ママがヒーロー活動をすることで一家を支えるという構造は、もはや強いだけのヒーローが必要とされていないことの表れでしょう。ティーンエイジャーのヴァイオレットが持つ悩みは、誰もが感じたことのある痛みで、スーパーヒーローをとても身近な存在に思うことが出来ます。そのほかのヒーロー軍団も、どちらかと言えば、自分のパワーを持て余し、世間からつま弾きにされている「マイノリティ」扱いで、とてもヒーローには見えません。
まるで「X-MEN」を思わせるミュータント軍団のようです。ヒーローが街を救っても、感謝されるどころか、その損害に人々の関心が向くという皮肉は、前作から踏襲されているものの、昨今、ヒーロー映画だらけになってしまった現状では、割と何度でも耳にする話題でもあります。
「スーパーマン」が起源だと思われるミスターインクレディブルも、今では当たり前のキャラクターとして受け入れられ、彼が、結婚してパパになったら?町を破壊して人々から嫌われたら?などと身近な笑いで楽しめましたが、今作ではその路線を拡大しながら、パワーアップし、新キャラの活躍も盛り込んだ、理想的な続編です。
つまり、ヒーロー映画のパロディ作品なのに、そのパロディのレベルをはるかに超えてしまったクオリティの高さに、もはや笑いすら起きずに、ただ「すげー」としか感想の出てこない、お行儀のいい映画になってしまったのです。
唯一不満があるとすれば、前作から続投し、役のイメージに合わなくなった綾瀬はるかさんぐらいですかね。
2018.8.5
都会的レトロスタイリッシュ
悪と闘うだけがヒーローじゃない!
前作鑑賞済み
最高!アメコミ映画好きの私はピクサーの中でもこのシリーズが大好きなんです。
まず、ピクサーの3DCGの技術は言うまでもないほど綺麗でアクションは迫力があるので見ていて楽しいです。
ストーリーはよく問題提起をしておきながら途中で投げているだとか言われていますけど私は観客に考えさせることも映画としての一つじゃないのかなと。手放しには喜べないラスト。この家族と能力を持たない人々はこれからも大変な目にあうでしょう。それでも良いのか等々。割と深い映画です。
ま、ストーリーは以上にしてとっておきのアクションシーン!またまた最高だよピクサーはん。特に子供達のために夜遅くまで起きて宿題を解くカギを見つけていたり傷心のヴァイオレットを何とか励まそうとしているボブのシーンは心に残りましたね。何?ご覧になってない方は仰るか。こんな物はアクションではない。アクションとはバイクが爆発したり殴り合いの事だと。いえいえ家事に子育てとはアクションと同じくらい難しくて恐ろしいのでしょう。その証拠に本作では家事のシーンをアクションと同列に描いてます。ポスターの煽り文も「家事、育児、世界の危機!」ですからね。勿論マーベルみたいなアクションもかっこいいですよ。
いやー良い映画でした。本当に個人的な感想ですが2018年って傑作がすごく多い気がします。洋画だと「グレイテストショーマン」「ワンダー君は太陽」邦画は「カメラを止めるな!」アニメは「ペンギン・ハイウェイ」ここら辺は生涯忘れられない映画ですからね。
長い間隔
そぼくな感想なんだけど、アメリカのアニメだと、描き絵の質感でなく、CGの質感でアニメが動く。
それが、こっちでは見ないので、新鮮なかんじがするのに加えて、デフォルメがすごい。
成人した男女たる、Mr. IncredibleのからだつきとElastigirlのからだつきのちがい。
とくちょうを誇張しまくったデフォルメの楽しさがある。
しかしこの続編にいたるまで、とてもながい間隔ではなかっただろうか。
製作事情はぜんぜん知らないが、記憶をほりさげても、初作を見たのが、いつだったか、おぼえがない。
でもとても楽しかった記憶はあるし、ヴァイオレットが金曜にデートを約束して終わった──ところもしっかりおぼえていた。
この2はヴァイオレットが金曜にデートを約束した──ところから始まる親切設計。
おそらく製作者たちは、これが長い間隔を空けての2だということを解ってつくっている。さすが、だとおもった。
宮崎アニメもすごいが、あちらもキャラクター生命たる声優に腐心がある。ことを前作のThe Incrediblesを見て思った──ことを記憶している。
とりわけヴァイオレットとダッシュの声が、いい。
ひっこみじあんなヴァイオレットのせいかくが声でわかったし、また、ダッシュは、ほんものの子供の抑揚をもっていた。そこは、子供じゃないとむりな舌足らず感があり、ダッシュだけ声優が交代していた。
Mr. IncredibleのCraig T. Nelsonも上手だが、危機のとき、やたら早口になるときのElastigirlのHolly Hunterがいい。
かのじょの声によって、いつだって頼りになる母親/母性がしっかり表現されていた。と思う。
2では、Elastigirlと乳児のJack-Jackがキーパーソンになっている。
Elastigirlがすごいのは、上述した母親/母性にくわえて、セクシーも提供しているところ。デフォルメの方向性に意識的なvoluptuousがあると思った。
たんじゅんなダッシュがおきにいりのキャラクターだが、今回かれはあまり走らなかったが、映画はじゅうぶんに楽しかった。
ヒーローのかつやくと、睡眠不足になやまされながら、ダッシュに数学をおしえる父親=Mr. Incredible。・・・。
ぜったいに、家族の話を並行して描くこと、家族の話としてまとめること──にこのシリーズの良心があると思う。
このように、それが地球人のだれであろうと、万人が認めうる普遍にもっていけるピクサー/ディズニーってのは、やっぱすげえなあと畏敬できる。
可愛い💕ジャック.ジャック。
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