カーズ クロスロードのレビュー・感想・評価
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チャンプを継ぐ者
ピクサー/ディズニー『カーズ』最新作。
『1』と『2』、スピンオフの『プレーンズ』も2作、同社作品の中でも頻繁に作られるこのシリーズ。
正直良かったのは『1』だけで、後は微妙…。多少質落ちのスピンオフ『プレーンズ』はまだしも、本家の『2』に至っては何故かスパイ映画風になっちゃって呆然としたもんだ。
ピクサー作品でありながら劇場では観に行かなかったほどあまり期待してなかったが、今回は華々しい復帰と最終レースに相応しい出来映えだった!
やはり今回は、話が良かった。
チャンプのマックィーンにも限界が。
台頭してくるルーキーの存在。
勝負の世界で生きる者に必ず訪れる世代交代、衰え、人生の岐路…。
話の展開は自然であり、必然。
あっという間に周りは若者だらけに。
歴戦を共にした仲間たちは次々引退していく。中には、若者に変わられクビになる者も。
疎外感。嘲笑。
意地でも勝ちたいという気持ちが先走り、大事故を…。
復帰は絶望的。
しかし、マックィーンは…。
この若いレーシングカーたちは皆、若い頃のマックィーン。
自惚れ。自意識過剰。高慢。
マックィーンも昔はそうだった。
そんな生意気な若造に酸いも甘いも教えるのが、年長者。
行き詰まった時、道を指し示してくれるのは先人たちだ。
その教えに耳を傾けた者こそ、必ず伸びる。
どんなに才能あるルーキーでも、一人では絶対伸びない。
新しきが古きを脅かし、古きが新しきに一泡吹かせる。
数字やハイテクも勝負の世界で勝つ為には必要な戦略だろう。が、それに溺れる者は実際の場では何も出来ない。テクニックや経験、知恵が足りないからだ。
かといって、それらに固執し過ぎていては一歩踏み出せない。
チャンプで居続けている者たちは、それら両面を兼ね備えている。
例えば映画の世界でも日本の芸能界でも、未だにトップで居続ける者は、古きを大事にし、新しきも吸収している。
そして、いつの日か自分を追い越してくれるルーキーが現れるのを待っている。
どんな世界でも、新しい才能が現れ、追い越していくのを見るほど嬉しい事はない。
ルーキーがそれを出来たのは、尊敬するレジェンドが居たからだ。
てっきりマックィーンと高慢ちきなストームが一騎討ちし、マックィーンが勝ち、ストームがマックィーンを認め、マックィーンもストームを認め、バトンを渡す…と思ったら、意外な展開に。
ルーキーは思わぬ所に居た。
かつてドックが自分を導いてくれたように、今度は自分がルーキーを導く番。
マックィーンは良い師になれるだろう。
良い師が居たし、彼自信が栄光もどん底も全て経験している。
それをそのまま、後進者へ…。
いずれ終わりは来る。
ルーキーたちが後を継ぐ。
でも、終わりは自分で決める。
それまで、走り続ける。
自分を引き継ぐ者も、自分で決める。
それを見届ける喜び。
諦めぬ者、挑戦し続ける者、受け継ぐ者に、チャンピオンの座は道を開けて待っている。
シリーズ完結編
ストーリー負けしてるのか
え、あ、そうなんだ・・・。
マックイーンの苦悩と頑張りかと思えば、突然コーチになる。
って事はカーズシリーズは、お終いって事なんでしょうかね。
ちなみに、映画冒頭の短編アニメーションの方が良かったりもした。
次世代へ繋ぐこと。
テーマは世代交代。三作目にまさかこういう展開を持ってくるとは
予想しなかったがさすがの出来に感無量。若い世代や子供達も楽し
める要素はたくさんあるが、やはり引退勢や中高年にはグッとくる。
まだまだやれると足掻く者もいれば諦める者も次の人生を探す者も
いる中で自分が何を選んでどう生きるか。ううん、どう生きたいか。
挑戦し続けるマックィーンが最後に選択する行為に呆然としながら、
彼が次世代の師となる今後を予期させる。最後に一華咲かせて有終
の美を飾るストーリーが多い中でこの決断は潔い。前監督ラセター
そのものという感じ。そして昨今のトレーニング法の違いまで言及
したリアルな語り口に唸る。将棋界で目を引いた新世代登場の特集
をTVで見た時、AIと同じ考え方をする若手にベテランが戸惑う
場面が何度も映し出された。今回マックィーンが戸惑う場面とほぼ
同じ感覚なのだ。最新鋭のマシンでトレーニングを繰り返し最強の
レーサーに育っていく若手たちは実際の荒れたコースなど知らない、
古参のベテラン勢は最新のマシンを使いこなせない。もはや時代が
こうさせたのだと云わんばかりの巧い描写に何度も打ちのめされた。
人間がもしAIに勝てるとしたらそれは人間のどんな技なんだろう。
ところで吹替版しか近くで公開されていなかったのでそれを観たが
松岡茉優のクルーズ(彼女曰く喉が一番かっぴらいた時期だったと)
があまりに巧くて驚いた。役にピッタリの声を選ぶのも匠の技だね。
(鼻歌まじりでいってみよう~この先の人生。色々大変だろうけど)
最高でした。
カーズ1の続編として、最高の作品だったと思います。
キャラクターに感情移入して、胸に込み上げて来るものがたくさんありました。
泣きました。序盤、中盤、ラストと3回くらい泣いた気がする。
ラストの展開が個人的にはものすごく好きです。
ずっとマックィーンは悩んでいたけども、最後は勇気ある決断をしました。
そして渡されたバトンを信じて、走り出したクルーズ。
一人は、自分の可能性を信じられるようになりました。もう一人は自分を信じてやってやりきってつまづいた先に、新しい喜びを見つけました。
あとですね、サンダーホローも好き。
データじゃなくて、本物の道を走る、みたいな。
ストーリーもいいし、カーレースも白熱でかっこいいです。
いやほんまめっちゃカーズ好きです。語りつくせません!最高でした。
迷ったけど観て良かった( •ᴗ•)*♪
完全にオトナ向け
結末に賛否はあると思うが、完全にオトナ向けの作品だった。主題歌に奥田民生を起用など、配給元は誰に観せたかったのだろう? クルマたちを人間に置き換えると、いかにもなメリケン映画そのまま。場末のレース場の雰囲気など、好きだけど。同行した3歳児に何が面白かったか尋ねたら、「クルマが回転するところ」だそうだ。
意外と大人向け
子供が喜ぶかと思って見に行ったが、意外と大人向けだった。
小学校低学年だとストーリー部分はいまいち分からなかったようだ。
なおストーリーという点で言うと、カーズ1を見ておかないと話しがいまいち分からないと思う。
レースシーンはいつもながら大迫力で、映画館で見る甲斐あり。
子供も食い入るように見ていた。
CGがすごすぎて実写と言われても余裕で騙されるレベル。
日本映画との差を思うともの悲しくなってしまう・・とか思っていたらストーリーが「新しいものは浅薄だ。古いものが良い」みたいな方向に進んで、PIXARおまえが言うな感が。。
テーマについては、しみじみ共感する。これは子供には分からんだろうなぁ。
マックィーンみたいなスーパースターと我が身を比べるのはおこがましいが、月日が経つというのはそういうことだね。
鑑賞記録
社会に出て、職に就いて7年。新しい1年が来るたびに、ゴールがない日々を走り続けている自分を感じています。当たり前のことですが、なったら終わりではなく、なってからがスタートなわけです。そんな日々の中で自分の夢、目標としている姿であり続けることの難しさを感じることは誰にでもあることなのではないでしょうか。今回マックイーンが直面する事態はまさにこれだと思うのです。
夢について、映画が伝えてくれるメッセージはいくつかあります。よくあるのは「夢はあきらめなければ叶う」というもの。確かにその通りなのだけど、叶えられない夢が呪いとなり、その人を苦しめてしまうことがあると思います。そんな人たちに対して「夢はあきらめてもいいんだよ」というメッセージを伝える作品もあります。
しかし!物語のクライマックスでマックイーンが下す決断は、呪いとも諦めとも違う希望に満ちたものなのです。「いつでも新しい夢を見つけることはできる」というメッセージとそこからの展開に胸を熱くすること間違いなし!レースのルール的に大丈夫なの?…とか、細かいことは気にならないくらいの盛り上がりです。ここは是非劇場で観ていただきたい!
あと、(これまでろくな思い出のない)日本版エンドソングですが、奥田民生の歌はスゲーかっこいい!!作品の余韻に浸るのにぴったりですよ。
第二次モラトリアム到来
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