「じぃぃーーんと来た」カーズ クロスロード ユウさんの映画レビュー(感想・評価)
じぃぃーーんと来た
冒頭、マックィーンとキングの甥ウェザースのデッドヒートに後方から轟音をあげて迫り来るストーム。ここで早速やられましたね(笑)唸るエンジン、マックィーン達をあっという間に抜き去る黒いボディ、カッコいいです。
ただそこは悪役、性格は丁寧に見せかけて放漫、1でのマックィーンそのものですね。そして彼はマックィーンをロートル扱いしコケにします。憎たらしいですねぇ。
そんなストーム筆頭に続々現れた新世代マシーンに勝つべく無理をしたマックィーンは大クラッシュ、引退の危機に陥ります。そして、そこから立ち直るべく新たな仲間、トレーナーのラミレスと特訓!!…のはずがラミレスの面倒を見るような形で練習が出来ずむしろラミレスの特訓のような形になってしまいます。特にビーチでの練習は笑えましたねぇ、ラミレスてんでダメやん!
そしてかつてハドソンと共に活躍したスモーキーのもとを訪れ、衰えたスピードを補うテクニックを身につける練習をします。そんな中でかつての師、ハドソンの本当に大切にしていたものをスモーキーから聞かされます。マックィーンはレースで輝いていたハドソンが不幸になったとスモーキーに話しますが、スモーキーがそれを聞いて見せたものは、ハドソンが送ってきたマックィーンと共に過ごしてきた時間を写したたくさんの写真でした。私はここで半泣きでした。グッと来ますねぇ(涙)
レース本番、完璧とは言えなかった練習結果と裏腹にぐんぐん順位を上げるマックィーン、しかしながらそれでも遠いストームの背中、そんな矢先にクラッシュ発生、マックィーンはかわしていきピットインします。
マックィーンは勝利への最後のチャンスに、かつてレーサーを目指しながらも断念したラミレスに最後のチャンスを与え、自らピットクルーに回ります。このシーンは熱いですねぇ、世代交代をこんな風に描くとは、まぁ特訓シーンの途中からなんとなく察してはいましたが。
マックィーンのアドバイスを受け、ストームに肉薄するラミレス、そんなラミレスをストームは壁に押し付けクラッシュさせようとします。しかしながらここでかつてハドソンのやったように壁を使いストームの頭上を飛び越えます!…君がそれをやるんかい!!と心の中でツッコミを入れたのはさておいて、見事ラミレスとマックィーンは優勝!ラスティーズはテックスに買われラミレスはレーサーになりました。
ラストはレーサー使用のラミレスとハドソンカラーになった"ファビュラス"マックィーンが登場。一緒にダートコースを並走するシーンでエンディングへ。ここでのハドソンカラーに車体のファビュラスの文字は粋ですねぇ。
ここまで見ていただいてわかると思いますが、個人的には☆5をあげたいくらいに面白かったです。特にエンジンの唸りや何台ものマシーンが走り去る音響は是非とも劇場で感じていただきたい、そのくらい価値があります。あと奥田民生さんのエンディング曲エンジンも素晴らしいです。(ついでみたいになってすみません奥田さん)
ただ他の方も書いている通り、ラミレスとの交代はすっきりしない部分もあり、ご都合主義を感じてしまうかもしれません。ストームに屈辱を受けたのはマックィーンだけではなく、カーズをずっと見てきた、マックィーンファンの観客も同様です。それを晴らすのは一緒に成長したとは言えやはりラミレスではなく、マックィーンであるべきじゃないかなとは思いました。やっぱりあれだけコケにされ、屈辱を受けてきたマックィーンがテクニカルなベテランへと進化を遂げ、ストームをくだす。それこそロートルに負けるのはどうだいと言わんばかりに。こちらの方がなんとなくスッキリするんじゃないか…なーんて素人が空想してみたり(笑)
監督さんごめんなさい。これじゃあ世代交代が描けませんよね(汗)
色々書いてみましたがやっぱりカーズは面白い!!クロスロードでも見事に進化を遂げてくれました。監督さんをはじめ制作の皆さんも素晴らしい映画をありがとうございました。
最後に、ここまで長文駄文を読んでいただいた方にも、大変ありがとうございました。以上でレビューを終わります。