「見る価値はあるが、惜しい、愛くるしい」鋼の錬金術師 ミソスケさんの映画レビュー(感想・評価)
見る価値はあるが、惜しい、愛くるしい
1人で観に行くか、
原作を知っている仲間内で観に行くか、
あとは子供が観に行くか、、、。
デートにはあまり向かない印象でした。
マンガやアニメの舞台版、とか最近よくありますよね。
それです。
そう思って、黙って15分観ていれば段々と慣れてきます。
それに慣れることができない人は、厳しいんじゃないかなと。
マンガ原作であること。
日本人が、洋風ダークファンタジーを演じていること。
この2点には許容、寛容であることが条件でもあります。
でもその辺はポスタービジュアルの通りで、ある意味期待は裏切っていませんでした。
自分は原作が好きですが、つくる側も好きなんだなぁ、と愛を感じました。
好きな、入れたいシーン入れました、感あります。
その辺は、三池監督のような原作ありの映画化にありがちな自己アレンジ、自己の面白さ追求型のつくりかたではない感じがします。
原作リスペクトを割と強めに感じるというか。
ただ原作にこだわりがある人には、やはり実写化の弱みは大きく出てしまう印象を受けそうです。
日本人が「エドー!」とか叫んだりとか、でも何気に街の看板は英語だとか、えその要素ここに入れる?とかつっこめばつっこむほど野暮な感じになっていきます。
台詞も結構マンガに寄せてます。
コスプレ大会、と言いたい気持ちもわかりますし、それは否定できないですし、むしろそれが面白い。
ただ、「実際に存在していそうな感」を出すための海外ロケ、小道具や映画美術としてのこだわり感はビンビンです。
笑っちゃうシーンもありますけど。
キャストも雰囲気がよく出てたと思います。
特に松雪泰子は、それっぽさがあり、本田翼も悪くなく。
CGも悪くないというか、納得するところがあります。
でも、多分作り方として、カットをコンテから起こしているのか(知りませんが)、間が悪いというか、あまりスムーズではなく。
そこは弱点です。見せ方ががっちり決まっているのか、アクション以外は抑揚がもうちょっと欲しいなという印象です。
また原作知らずに見ると「え?なに今の?」みたいなシーンは数カ所出てくるかもしれません。全く意味不明になるわけではないですけど、流れとして疑問なとこも多少はあります。
そこは、というか弱点だらけなんですが、酷評、という一言だけで終わらすのはもったいない映画かなと。
焔のエフェクトも見る甲斐ありますし、なんだかんだ言ってもハガレンなので、引き込まれるところがありました。
なので気になっている人は、観に行く価値があると思います。
スケール感は割と感じられ、多分日本映画ではあまり、というかかつて見られないようなファンタジー感をしっかり醸しています。
セットで撮影したなー、みたいな印象がほとんどなかったので、すごい。
故にコスプレ感も浮き立つ可能性はあるけど。。
観る時間返せ、と言いたくなるような映画もありますけど、これは違いました。
惜しい。