機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦のレビュー・感想・評価
全54件中、1~20件目を表示
息子がいたならば
中学生の時に夢中になって見た『機動戦士ガンダム』
意味も分からずに、ガルマの戦死や兄妹の再会、戦争に翻弄される少年の目を通して、ホワイトベースの中で繰り広げられる人間ドラマに惹きつけられ、やがてニュータイプの黎明と言う奇跡の瞬間に立ち会いました。
私も齢をとった。。。
見たかったORIGINはこれじゃなかった、たぶん。
コミックの映像化と言う難しいミッションにおける課題は、何と言っても「原作ファンを納得させられるか」に尽きるであろう。ところが、ORIGINが抱える課題はそれだけではなく、「アニメ原作ファンを魅了した安彦版コミックを、映像化する意義」にあり、究極の目的はアムロ少年がホワイトベースのクルーに帰結する映像を実現できるか、にあるだろう。
舞台挨拶でも安彦監督がとうとう口にした「次回作の成功は、その先も製作できる」というコメント。これに感じた何とも言えない感情。
それは感慨でもなく、不安でしかない。
ORIGINを初めて手に取った瞬間に味わった、何とも言えない興奮と、その後10年間にわたり続いた幸せな時間は何物にも代えがたい宝物であった。
その映像化が、いよいよ終決しようとしている。
観客席に座るは、いい年をしたオヤジ集団で、さながらヨン様ブームに集結したオバさん軍団や、乃木坂の握手会に並ぶ男の子さながら、価値観はヒトそれぞれなんだろう。
決定的に、決定的にダメなポイントがある。
攻防の、防があるから、攻が映えるのであって、ORIGINの演出に欠けているのは、その「防」の描写なのだ。
ユウキとファン・リーの悲劇だけでも、映画一本が出来たのに、ダイジェスト並みのおさらい映像に終わってしまった。ちゃんとした演出をするなら、ブリティッシュ作戦を遂行する部隊と、その動きを察知して阻止しようとする勢力、犠牲になった哀れな市民たち、『宇宙のイシュタム』が描いた世界を、ほんの少しでも取り入れて欲しかった。
この作品は、ジオンの強さを一方的に強調して描いてある。連邦にはほとんど触れられていない。逆説的に、ジオンがそれほど強そうに見えないし、つまらない軍事パレードを見させられている気分だ。
もっと言うなら、安彦演出の「古臭さ」も気になる。
絵の美しさ、キャラクターの瑞々しさにおいて、安彦良和は他の追随を許さない。それは今に至るまで変わっていない奇跡的なことで、たぶん世界的にも評価されておかしくない魅力だ。
でも、ドズルが作戦画面をたたき割って感電する描写や、アムロは顔に絆創膏一枚で、他のメンバーは包帯だらけ(なのに学校には来ているという…)、閉店して客がいなくなったバーで、突然熱唱するハモン(のシャンソン風のエレジー)。そしておそらく客席には、タチの姿をした我々(歳だけとってしまった少年たち)が座っているのだ。これらの演出は、もはや見ていられないほど痛々しい。
これでは先細りだ。
どれほど体裁を取り繕って、板野サーカス健在!永遠のアムロ!3倍速い赤い彗星の秘訣!動く安彦メカ!渡辺岳夫のオリジナルスコア!など叫んでみても、客席にはいい歳してガンプラ飾っているようなオヤジしか座っていない。息子がいれば、いっしょに映画館で見ることが出来ただろうか。
いや、たぶん息子は乃木坂の握手会に並んでいるだろう。
最終章が楽しみになりました
クライマックスに向けて
観る価値なし
脚本がひどいなあ
安彦さんを擁護したいけど…
リアルタイムでファーストを見ていたのは小5の時でした。ミハルの回はとにかく悲しくて泣きました(今でも泣いちゃいます)。
そのあと、TV シリーズを見直す度に新しい発見があって、のべで言えば、20回は見ていると思います。
私が1stに惹かれたのは、「大人の話だな~」って感じさせる、リアルな人間ドラマが描かれていたからです。
ソロモン戦で、ダミーの多さを理由にティアンム艦隊を発見できないとする部下に、ドズルは「それが戦争というものだろうが…」と返しています(苛立ちの感情からではないように感じます)。その一方で、グラナダ(キシリア)への援軍要請を下士官が進言した際はこれを明確に拒んでおり、状況とキャラクターを上手く描いているな…と思いました。
で、今回の作品ですが、今作品への強い違和感は、コロニー落としを巡るドズルらの言動にあります。
実行部隊の「悪く思うなよ…」(予告編にもあったのでネタバレご容赦ください)も軽いし、作戦を正当化する「ドズルの弁明」も軽いです。っていうか、喋りすぎなんです。
多分、作戦の「非人道性」を描こうとしているのだと思いますが、あんな三文芝居では、人間的呻吟は微塵も感じ取れません。
正直なところ、セリフが軽い、キャラクターが軽い、場面が軽い…という違和感は、映画オリジンの一作目から感じてはいましたが、今作品で決定的になりました。
ファースト大好きな私ですし、どちらかと言えば「安彦擁護派(=保守派?)」な私ですが、もし、「ファースト」全体が今後リメイクされるのであれば、ファーストが持っていたセリフ▪場面そしてキャラクターの「重さ」をしっかり再現して欲しい…って思います。
シャア戦地に立つ!!
ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』の人気キャラ、シャア・アズナブルとその妹セイラ・マスの過去を描くシリーズ第5弾。
一年戦争の幕開けであり、“シャア伝説”の始まりでもある“ルウム会戦”。
てっきり、バトルに次ぐバトルが見れると思ったら…。
それを期待すると少々肩透かしかもしれないが、それに至るまでの群像劇として見れば見応えあり。
『ORIGIN』は本当に人間ドラマ主体である。
連邦とジオンの戦争が遂に勃発!
まず序盤描かれるのは、ジオンによる悪名高きあの“コロニー落とし”。
最悪の惨事としてファーストではチラッと触れられている程度だったが、こうもまじまじと見せ付けられるとゾッとする。
コロニー内の住人を全員殺し、コロニーをそのまま地球への落下軌道へ。
その被害者数は二次被害も含めると、地球の人口の約半数!
もはやこれは殺戮。その恐ろしさにドズルは苦悩するほど。
コロニー内の若者カップルの恋愛は唐突だったけど、悲劇の犠牲者たちであった。
大きな戦局となるであろうルウム会戦へ向けて作戦を練る連邦、ジオン。
大きな手柄を立てようと意気込む黒い三連星。
コロニー落としを拒否し、降格させられたラル。
一方のアムロくんは…。
養父の容態が悪くなり、テキサス・コロニーに戻ったセイラ。そこで暴動が起こり、先導して戦う。(前作ではほとんど出番が無かったが、凛々しいセイラが見れた)
戦争という混沌とした世界の中で、各々のドラマが交錯する。
そして、ルウム会戦の火蓋が切って落とされた。
シャアも遂に戦火の中へ。
先にも述べた通り、シャアの華麗なる戦いは描かれない。戦いの直前で終わる。しかし、
「私にひざまずけ!神よ!」
通常の3倍のスピードに達した赤ザクの中で、この台詞を発した姿に、ルウム会戦に於けるシャア伝説を語るに充分の凄みであった。
物語はついにルウム戦役へ!
創り手側の下手な政治信条はいらない!
騙された!
としか言いようがない。
ルウム戦役でのシャアの活躍が本作で観られる!と誰もが想ったはずである。
誰がルウム戦役に至るまでの政治劇やサイド2における悲哀の恋愛劇を観たいと思うか!
正直いらない!
総監督の安彦良和がコロニー落としという愚行を真っ向から描くのがこの章の使命だと述べているが、我々、いや少なくとも筆者には安彦のそのような安っぽいヒューマニズムはガンダムにはいらない!
長い漫画連載の中での1エピソードとしてなら入れても構わない。
しかし、これは特別料金というレイトショーであっても優遇の効かない高い入場料金に設定されている映画である。
それでいて上映時間も83分と短い。
あまりにもルウム戦役へたどり着かないものだから筆者は途中から心配になって時計を何度も見た。
シャアがザクを駆って加速した際も時計を見たが、エンドロールの時間も計算に入れると残り時間があまりないように感じた。そしてあのシャアが突っ込んで画面がホワイトアウトした瞬間、こちらもある意味白い灰になってしまった。
安彦は次回『Ⅵ 誕生 赤い彗星』の前半はルウム戦役の本番を描くとインタビューで発言しているが、あまり鵜呑みにはできない。
今の世界情勢を見ていると地球連邦のような組織は結局絵空事であることがわかってしまっている。
世界は民族や宗教で棲み分けされていくことの方が幸せであろうし、現在各地で起こる葛藤や衝突もそれらに起因することが多い。
だからガンダムの中で展開される政治はしょせん時代に即してはいない。
神林長平が『戦闘妖精雪風』において異星人が襲来しても人々は異星人も一国家と見なして各国は争いをやめなかった設定にしているが、それが慧眼であろう。
仮に地球連邦があったとしても地球に存在する全国家が参加するとは思えないし、むしろあり得そうなのはどこかの大国がジオンに肩入れして結局今の国連といっしょで地球連邦は各国の思惑で1つにはまとまらずに有名無実化し、地球でも相反する国家間で戦争が起きるシナリオではないだろうか。
それなのにもっともらしくジオンと地球連邦という2つの対決軸で延々と政治劇を展開されても白けるだけである。
観たいのはただ1つ、ルウムにおけるモビルスーツの活躍だけである。
シャアや黒い三連星が画面いっぱいに暴れ回る姿である。
さらに言うならそんな下手な政治劇だけを展開するならまだしもところどころに挟まれる小さいエピソードがどことなく浮いている。
アムロやカイ、ハヤトの愚行も別に観たくはない。
ましてやサイド2のユウキとファン・リーの恋の下りは本当に本作にはいらない。桜は結構だ!
THE ORIGINシリーズは基本的にシャアとセイラとその周辺だけを描けばいいのではないだろうか?
無理に群像劇にして話が逆に分散してしまっている印象を受ける。
ハモンの歌にも問題がある。はたして一曲全部流す必要があったのだろうか?無駄に長く感じた。
池田秀一の声はさすがに齢を隠せなくなっているが、それはもうここでつつくのはやめよう。映像全体は抜群に素晴らしいのだから。
次回予告を観る限り次作もマ・クベを中心にしてまた政治劇が続いていくように感じられる。
また安彦自身も次作を「話全体は過去編の総まとめ」になると述べている。
あまりいい予感がしないが乗りかかった船である。筆者は次作も観るが、結局はそういうファン心理を利用して彼ら創り手側の下手な政治信条を観せられているとしたらそれは言語道断である。
つい最近リメイクに大失敗した『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』がある。
リメイクするのはいいがファンあってのリメイク作品であることを制作側に少しでも汲み取ってもらいたい。
最後の1分間以外は、、、
宇宙世紀の歴史を描いたドキュメンタリードラマ
僕はこのジ・オリジンを見る時、ガンダムは期待していません。
どちらかと言うと大河ドラマや戦争映画を見る感覚。またはお茶の間ドラマを見るように楽しんでいます。
そういった意味では僕は今回かなり楽しんで見れました。
TV版が始まる以前、あそこで何が起こっていたかと脈々と知れて満足でした。
キャラクターが本編とは性格や設定が微妙にずれていますが、そこはドラマなんで脚色が違うんだと割り切っています。
CGで動く赤いザクが新鮮でちょっと見入ってしまいました。
が、そこでオアズケ食らって、ブルーにもなりましたが……
それに歌が長すぎてちょっとダレたりもしたけど……
それを差し引いてもストーリーで魅せるものがあったので星4つけます。
ただ、ガンダムファンとしては戦闘シーンがもっと見たいと言うのは正直無くはないですが、やはりこれはあのガンダムとは違う別物なんですよね?
ドラマとして見るくらいがちょうどいい。
感想
前作観てなくてもまぁ分かるかな
ドンパチは少ないけど…。
全54件中、1~20件目を表示