「MCUシリーズ11年分の思い出と感謝を詰め込んだ映画界に残る記念碑的作品」アベンジャーズ エンドゲーム オレさんの映画レビュー(感想・評価)
MCUシリーズ11年分の思い出と感謝を詰め込んだ映画界に残る記念碑的作品
サノスに敗れ、全宇宙の人口が半分になってしまった世界で絶望に暮れるアベンジャーズの面々。
地球での敗戦後、対策を練っていたキャプテンアメリカらの下に、ニックフューリーが散り際に送った信号を受け取り、地球に舞い戻ったキャプテンマーベルと3週間の宇宙漂流の末、彼女に救出されたトニースタークとネビュラが合流する。
失われた人々の為、世界の為、最強の敵サノスに再び挑む彼らを描いたアベンジャーズシリーズ第4作目にして、MCUシリーズ第22作目、そして2009年の『アバター』を抜き、歴代最高の世界興行収入を記録した大傑作。
アベンジャーズがサノスに大敗を喫した前作で、まさに目の前が真っ暗になったような絶望に襲われ、どんな展開になるのか全く予想できず、リアルタイムに1年間焦らされた今作。
今考えても本当によくもまあ1年も待てたなとつくづく感じる今作はなんと3時間越えの大作で、
散り散りになっていたメンバーが打倒サノスに向けて再び集結するのに約1時間
インフィニティストーンの回収を目的とし、3チームに分かれ、過去に旅立つ展開にもう1時間
現代に襲来したサノス軍に対して、ついにアッセンブルを果たした全ヒーロー集結の歴史的大決戦に1時間
とボリュームたっぷりの内容に加え、シリーズのファンへ今までの感謝を伝えるかのように過去のMCU作品をセルフオマージュしたような演出が多く見受けられ、過去に類を見ないファン感謝祭的な大団円の作品となっていた。
様々なオマージュの中で特に言及すべきなのが、スコットことアントマンが提案した量子トンネルを用いたタイム泥棒作戦において、3チームに分かれ過去に戻る経緯が描かれるのだが、
2012年の『アベンジャーズ』におけるNY大戦2013年の『マイティソー』におけるアスガルド2014年の『ガーディアンズオブギャラクシー』における惑星モラグ
2018年の『アベンジャーズ インフィニティウォー』における惑星ヴォーミラ
の計4つ(正確には5つ)の時代へ遡り、なんと年代別に作品を遡り、作品丸々セルフオマージュを果たしたトンデモ演出である。
こんな演出は見たことなかった。
もちろんBTTFを始めとした名作シリーズの中で、前作の時間軸に戻り、別視点からの再解釈を描くなどの展開は見たことはあるが、これほどシリーズ化し、概ねは変わらないものの多くの製作陣によって構成されてきた作品群を全て連結させる、荒技ながらもシリーズを追ってきたファンにとっては涙及び興奮無しには観れない、素晴らしい映画体験を与えてくれる演出であったと思う。
タイム泥棒作戦会議と題して、6つの石を効率良く集めるためにどの時代に向かうべきかを話し合う件が特に好きで、かつて自分がMCUで1番好きかもしれないと記した、AOUのパーティーシーンに匹敵するシーンだったかもしれない笑。
ヒーローたちが本来の姿で真剣に、しかし段々とダラダラしながら途方のない話し合いをメシを食いながら横になりながら続ける、こんなシーンが自分がいつまでも観ていたいと思うシーンだ笑。
また前述した通り、サノスの指パッチンを無かったことにする為、過去に戻り石を集めるわけだが、その過程がインフィニティウォーで石を集まるために全銀河を回っていたサノスのごとくで、この1時間も丸ごとインフィニティウォーからの引用に思えて、とても面白かった。
集大成にしてはアクション少なめな印象を初見は感じたが、2時間で6つの石全てを集め、ナノガントレットに装着し、再びの指パッチンで全銀河の人口が元に戻った世界に急襲する2014年のサノス軍vs2023年のアベンジャーズの歴史的大決戦を描いたラスト1時間が素晴らしすぎて、アクション映画としても素晴らしい作品だった。
前作で拝めなかったアイアンマン、キャプテンアメリカ、ソーのいわゆるBIG3が勢揃いで再度サノスへ挑むシーンにゾクゾクが止まらなかったのと、サノスの装備が鎧とデカ包丁(デュアルブレード?というらしい)のみの石無しだったにも関わらず、3人を完膚なきまでに叩きのめすという超純粋に強く、絶望と感動でちょっと泣いた笑。
太り切ったソーがちゃんと強い、キャプテンがムジョルニアを使いこなすなどのサプライズが次々と起こりながらも、アイアンマンもソーも倒れ、キャプテンのヴィブラニウムの盾も半壊してしまい、それでも足掻くヒーローたちを目の当たりにし、残虐性が増したサノスによりブラックオーダーの面々に前作以上の大群で押し寄せるアウトライダーズ、大量のチタウリとそれらを擁する数十隻に渡る母船の大群が集結する。
勝算皆無の絶望的な状況にも関わらず自らを奮い立たせ、満身創痍の体を引きずりサノス軍と相対するスティーブに微かに聞こえた
Hey Cap you ream me ?
On Your Left
懐かしき声と共に光り輝くスリングリングから現れたブラックパンサーとオコエ、シュリ、ワガンダの大軍。
大空を羽ばたくファルコンを皮切りに次々と開かれる別次元の扉からタイタンより帰還したGOGの面々とドクターストレンジ、スパイダーマン。
ニューアスガルドからヴァルキリーらアスガルドの民達や銀河よりラヴェジャーズ、カマータージから魔術師軍団が駆け付け、バッキー、ワンダ、さらにはスーツを纏ったペッパーも登場し、まさしくヒーロー集結と言わんばかりの中、響き渡るキャプテンアメリカによるファン念願の
Avengers,Assemble
と共に雄叫びを上げて突撃する両軍と崩壊する我が涙腺笑。
こんなに泣きながら楽しんだアクションシーンは初めてでした笑。
何十年も使われてきたであろうコッテコテのヒーローモノの全員集合の演出がこんなにも自分の琴線および涙腺を刺激する物だと思わなかったもので自分でもビックリするくらいスクリーンが見えないくらい泣いた笑。IWのときも言ったけどこの時代に生まれてきて本当によかったと何回も思った笑。
各所で頻発する因縁の対決や感涙の再会を経て、全ての石を正しい時代に戻そうとガントレットを抱えてタイムトンネルへと駆けるアベンジャーズ陣営と再び大量虐殺を起こすためガントレットを奪おうとするサノス軍の激しい戦いへと展開していく。
そんな中遅れて駆け付けたキャプテンマーベルを筆頭にお姉様方に守られる末っ子感満載のピーターを救おうと集結した女性ヒーロー陣の戦闘シーンで二度目の涙腺崩壊笑。
唯一の女性ヒーローとしてチームを牽引したナターシャの存在意義が証明されたようなこのシーンはポリコレだなんだと一部批判もされているようだが自分は大好きだ!
女性ヒーローの活躍、ソーやキャプテンアメリカの連携攻撃で次第に追い詰められていくサノスだが、底知らずのタフネスでヒーローを跳ね除け、サノスの怪力にビクともしないキャプテンマーベルを相手取り、一時的にオーブの力を体に直接取り込むという機転で辛くも切り抜け、再びガントレットを手中に収める。
誰しもが勝てないと絶望する中、1400万605通りの未来の中で1つだけサノスに勝てる未来を見つけたと言ったドクターストレンジがトニーに向け掲げた人差し指。
全てを悟ったトニーはサノスの隙をついてナノガントレット自体では無く、ストーン6つのみを自らのスーツに装着する機転で形成逆転、自らをinevitable=絶対と称するも呆気に取られたサノスを前にして
A N D
I
A M
IRON MAN
のセリフで我が涙腺幾度めかの崩壊笑。
まさに集大成にふさわしいMCU第1作目からのオマージュと共にチタウリ、ブラックオーダーの面々、そしてサノスが塵へと帰っていく一方でストーンの反動で自らの生命を使い果たし、この世を去るトニースターク。
アベンジャーズの面々を始め、妻のペッパー、親友のハッピーやローディ、愛弟子のピーター、そして最愛の娘モーガンらに見送られながら、湖に流されていく思い出のアークリアクターを眺めながら、一つの歴史が終わったことを感じさせた。
その後ソーはなんとGOG組と合流し宇宙の旅へ(!)、キャプテンはストーンを各時代に戻す過程の中で自分の人生を歩みたいと感じ、最愛のペギーとの一生を終え、満足感に満ちた表情のまま、サムに盾を譲り渡すなど次世代へのバトンを繋ぐかのような演出で3時間にわたる物語の見事な幕切れとなった。
もちろん負に落ちない点が皆無かと言えばそうではないが、素晴らしい映画体験であったことは変わりない。
初見の衝撃や感動を味わせる為に、周到にネタバレ禁止を呼びかけてきたルッソ兄弟をはじめとした製作陣とこの時代に生きていたことを本当に感謝したい(しつこい)
この圧倒的なフィナーレを前にして淡々と次の作品が待っていることに感謝しつつ、いつまでもMCUシリーズを追い続けたいと思えた歴史的作品。
2019年04月26日(金)1回目@ユナイテッドシネマ浦和IMAX
2019年05月02日(木)2回目@MOVIXさいたまDOLBY CINEMA
2019年06月04日(火)3回目@ユナイテッドシネマ浦和吹替
2020年03月23日(月)4回目DISNEY THEATER
2023年04月22日(土)5回目Disney+