「そもそも「映画」として評価するから駄目」アベンジャーズ エンドゲーム セインさんの映画レビュー(感想・評価)
そもそも「映画」として評価するから駄目
まずはじめに、ここでの批判的なレビューに対して親の仇のように噛み付きまくる熱烈な「信者」さん達。とりあえず「お疲れ様。」
劇場公開時、あの衝撃的なラストの前作から一体どのような「番狂わせ」を見せてくれるかと期待して観に行った。当時見た印象としては前作のシリアス展開から一転、「ご都合主義」オンパレードの後半で一気に脚本が安っぽくなっちゃったな〜、という感じだった。
「アメコミの実写映像作品」としてはこれ以上ない「大成功」と言えるかもしれない。しかし1本、ないしは前後編合わせた「映画」として見ると途端に評価が落ちるのは何故だろうか。理由は明白、前作のレビューにも書かせてもらったが、やはりこの「アベンジャーズ」シリーズ、いや「アイアンマン」からはじまったマーベルスタジオ全ての作品の世界線が共通しているという一大プロジェクト、これまでの「映画」とはどこにも「属さない」作品を生み出したからだ。
「『インフィニティウォー』の前作が『エイジオブウルトロン』ではない。」これがどういう意味か?シリーズの前作だけではストーリー上「成り立たない」とは?『1作目の「ホームカミング」が正式な1作目ではない。」これもおかしい。なら『シビルウォー』がスパイダーマンの実質的な「0作目」なのだろうか?ならば何故タイトルにそれを書かない?「ホームカミング(シビルウォー2)」と書かなければ不親切だとは思わないか?
これが許されるのはこのシリーズだけだ。いやそんなこともう誰もが知っている。だが本来「映画」とは、時代を超え世代を超えて「見ることの出来る」ものだ。ならばこれは?アナタがひいお爺さんお婆さんになった時、自分の孫に「シリーズを1から全て説明」出来るだろうか?『ホームカミング』の前に『シビルウォー』を見ろ、『アイアンマン3』はシリーズ3作目だが2作目と3作目の間に『アベンジャーズ』を挟まなければ理解出来ないと「知らない人」にいちいち説明する事は出来るだろうか?
私は人の評価は見ない。何故なら何の予備知識もいれずに、ゼロの状態から作品に入りたいからだ。その方が純粋に作品を楽しめるからだ。だが今作はどうだ?時代が変わり「何も知らない人」がふと手に取った作品によっては混乱を招かないだろうか?純粋な楽しみを奪うことにはならないだろうか?
今作は「映画」ではなく「アメコミの実写化」として「別枠」として捉えてはどうか?ここで批判的なレビューをしている人は全てとは言わないが今作を「映画」として評価しているからではないだろうか?ほかの映画と同じ「目線」で評価するから駄目なのだ。本作には「映画」としての「基準」がまず違うのだから。
「マーベル作品がアカデミー賞を取れないのはおかしい」と一部のファンの間で論争が起き(「ブラックパンサー」が作品賞にノミネートされたが)事実「アメコミ賞」なる枠を別に設けるという話(若者の視聴率獲得の為)まで持ち上がったが、私はそんなことをする必要はまるでないと思っている。個人的には近年のアカデミー賞の基準にも疑問を覚えるが、少なくとも「その程度」なのだ。本作は「映画」ではない、「アメコミの実写化」なのだから。