「今一度冷静に」アベンジャーズ エンドゲーム Candyさんの映画レビュー(感想・評価)
今一度冷静に
この作品に対してレビューする前に皆さんに一言。1度冷静になって、もう一度この作品を振り返ってみませんか?
私自身はMARVELというか、アメコミ全般の大ファンで、今回のエンドゲームも今までで1番楽しみにしてた映画でした。ですが私の感想としては、簡単に言ってしまえば"過度に期待しすぎた"になってしまいます。
もちろん面白くなかったわけではありません。1シーン1シーンどれを取っても、MARVELを愛してきた人にとっては、大変興奮するものばかりで、最後のアッセンブルのシーンなんかは自分でも驚くくらい、鳥肌が止まりませんでした。入りのホークアイのシーンからIWの悪夢を蘇らせる描写。それに続くスコットのキャシーとのシーンはよりホークアイの憎悪を際立たせましたし、同時にAoUの(邦題の)テーマにある"愛"という一面をしっかりと見ることができます。ここまでは完璧でした。
しかしこの後から少しブレてきたように感じました。私はタイムパラドックスとか時間系の話は得意ではないので、そこを批判する気はありませんが、インフィニティストーンってそんな簡単に手に入るんだ…と。確かに20作品かけて追ってきた物語を3時間に収集させるのは容易いことではありません。しかし回収しに行った先々で、こんな簡単に手に入ってしまうんだと、少し拍子抜けでした。このシーンは過去作を追う形になっていたので、ファンにとっては裏側を除いている感じで本当に楽しめるのですが、意外にもあっさりすぎました。これによって前作のサノスが着実と集めていった軌跡が一瞬で希薄になり、またそれにより内容が物足りなく感じてしまいます。
ラストについては、先ほど書いたように、アベンジャーズアッセンブルでは最高に興奮し、こんな豪華すぎる共演はもう2度とないだろうと感動しました。
ただラストにも気になった点がいくつかあったのでそれについても。
(この時点で凄く長く書いちゃったので要点だけまとめます笑)
・キャップとムジョルニア
ソーは"I knew it"と言った割には、過去作にもそこまで伏線はありませんでした。AoUのパーティでムジョルニア持ち上げ選手権(?)の時に、キャップが持ち上げた際、ソーが少しニヤつくというシーンがありますがが、本当にそこだけな気がします。個人的にムジョルニアは筋斗雲と同じようなものだと思っており、それだとキャップが持ち上げられるのも納得はできるんですが、ただあまりにも突然すぎた気がします。
・ソーの体型
私自身多くのレビューを拝見して、ある方は、「ソーはロキやアスガルド民の死、さらには自身の失敗によってあのような姿になった。我々では想像できないほどの悲しみを背負っている。それ批判人は人間の心が無いのか。」とおっしゃっていました。本当にその通りであり、何一つ間違っていません。しかし終始その姿であったため、ラストまでイマイチ緊張感が無かったという感想を持ちました。
・アッセンブル
何回も言いますが、このシーンは本当に最高でした。今までの歴史が一同に会するなんてファンには本当にたまりません。ただどうもお祭り感が否めませんでした。IWの流れもあるので、全員出さなければいけないでしょうし、出さなかったら確実に叩かれるので難しいところではありますが、多少詰め込みすぎかなと思いました。誰をフューチャーするわけでもなく、全体をちょこちょこ出してあっけなく終了。IWでは場所も2点であり、バトルも濃くそれぞれが自身の戦い方でブラックオーダーと戦っていたのを見てしまった分、贅沢な考えではありますが、やはりあっけなく、物足りなく感じてしまいました。
とこんな感じでラストの気になった点をピックアップしてみました。しかし逆に言えば、ここが気になっただけで、全体としてはMARVELファンを喜ばせる最高の作品だったのではないでしょうか。
私が言いたいことをまとめると、詰め込みすぎて展開が早く、一つ一つのシーンに納得がいかないまま終わってしまった、というのが1番です。それと同時に、"番外編"という扱いが1番しっくり来るのではないかと思いました。初めから騙されたと思って"番外編"として観た場合、多少雑なシーンも、メンバーのたわいのない会話も全て許される気がします。ただ現MCUの最終作として観た場合、やはり納得がいかないというのが私の感想です。
どこのレビューにも、ネタバレを気にしているのか、特に根拠のない絶賛が相次いでいる気がします。好きなものを評価すること自体はもちろん良いことですが、あまりにも「最高!」や「MARVELありがとう😭」などの中身がスカスカな評価が多すぎます。そして低評価の方を一方的に叩く。中にはただ「長い」等で批判している人もいますが、今のレビュー欄にいる☆5MARVEL信者も同じようなものです。
大変長くなってしまいましたが、比較的低評価であるなりにきちんと理由付けてみました。読んでくださった方々、本当にありがとうございます。宜しければコメントなども頂けるとありがたいです。
[追記]
これはエンドゲームだけでなく、近年のアメコミ映画に言えることなのですが、それぞれの制作期間が非常に短いのも、私がエンドゲームを納得できない原因の一つかもしれません。
かつて“ダークナイト”シリーズで大成功を収めたクリストファー・ノーラン監督(だったと思います…)がこのようなことを言っていました。
「私の頃(ダークナイト トリロジー製作時)は多大な時間があった。しかし今は次々と新作を出さなければいけない」と。ノーラン監督は、この”ダークナイト“トリロジーを、7年の歳月をかけて完成させました。このような短期の製作プランも、エンドゲームの雑さを招いた原因ではないかと思います。
これに関してはMARVELもDCも同じ状況にあるので、これからのアメコミ映画界がどう動くのかも注目してみると面白いかもしれません。
映画マン大好きさん
コメントありがとうございます!
私自身もアメコミは好きなのですが、DC派であるとともに、最近のMARVEL作品があまり好きではなかったので、同じような境遇かもしれません笑。
仰られてるように、期間が短い中で作ろうとするから、こういう乱雑さが目立ったんだと思います。それで一つ思い出して追記しましたので、よかったらご覧ください!
Yuyaさん
コメントありがとうございます!
多くの人がキャップとトニーの再開に疑問を持っていますよね。あまりにもあっさりすぎた上に、シビルウォーのせっかくの伏線が活かしきれていない。しかし大半の人は「それはそれ」みたいに片付けてしまった挙句、スカスカのレビューでひたすら作品の評価を稼ぐ。本当にMCU好きな人なら、こういう事もきちんと拾い加味した上で、きっちりと作品のレビューをして欲しいですね。
心から同意します。
私はいきすぎてアベンジャーズ大ファンから少しアンチに移行しかけてしまいました。
期間が短い中、長時間の映画を作ったらこうなったのかなと思ったりもしました。
演出がカッコよく、ドンパチしてカッコイイ!!というものを期待したのに正直がっかりでした
物凄く共感しました。仰る通りだと思います。ただただお祭り映画ということで大騒ぎ、絶賛してるようにしか感じません。ワールドカップの時だけサッカー、サッカーと大騒ぎしてるのと同じだと思います。私はハッキリいって22作品の中で一番期待はずれでつまらなかったとさえ思います。絶賛のレビューの中身も集大成とか最高とか定型区ばかり。中身がない。何が面白かったかなんて書いてない。むしろ絶賛してる人って21作品全部見てないんだろうなぁって思います。見てたとしても中身を理解してないし、深く考えてみてないんだろうなぁって。個人的にはシビルウォーの時にキャプテンとトニーが決別。その時キャプテンはトニーのピンチにいつでも駆けつける、といって終わりました。MCUはトニーを中心に進めた物語であって、シビルウォーでのこのシーンはトニーのピンチにキャプテンが駆けつける伏線だったと思ったのに。キャプテンが助けを求めた挙げ句、トニーあっさり和解ってシビルウォーのあれなんだったんだよ、みたいな