弁護人のレビュー・感想・評価
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冤罪、拷問
昔の韓国がいかに恐ろしいところだったかがよく分かります。なんの罪もない若者が捕まって拷問されて...。そんな人々を助けようと、国家を敵に回して闘った弁護士の話。 見ててかわいそうだったけど、韓国では実際にこんなことが起こっていたんだということと、もうこのようなことが起きてはならないということを観てて感じました。
ソン
ガンホと、オダルスで、面白くないわけがないのだけれど、軽く予想を越えてくる。ガンホのカッコいいこと、カッコいいこと。いまだ日本にはトニーレオンを超える逸材は現れていないのだけれど、韓国にはソンガンホがいる。自国のネガティヴな歴史を、このリズムで、エンタメに仕上げてくる恨文化の成熟度の高さに嫉妬しか覚えない。
恐ろしや公安警察
大変見応えがあった。(2回目) 前半の成り上がり映画のコメディっぽさから一転、 ラストは胸熱の人権ドラマだった。 ノ・ムヒョン大統領がモデルらしいが、 こんな熱い弁護士が後に大統領になるって素晴らしい! と思ってからのノ・ムヒョン大統領の最期を知るととても 悲しくなる。 タクシー運転手の光州事件めそうだけど、 軍事政権下の公安警察は恐ろしい。 まさに白も黒と言えば黒。の世界。 公安幹部が表情から台詞から態度まで、 何かれ何まで腹立たしかった。 軍医はあの後どうなったかスゴい気になるが、 知らない方が良い世界なのかもしれない。 公安にも天罰が下って欲しい。 新聞記者との友情、強い相手に昔の喧嘩相手と手を組む みたいな展開が熱かった。 軍医が来て海外記者も来て、さぁ逆転だ!の展開から 大どんでん返しは映画的には好きだったが、 事実だとすれば恐ろし過ぎた。
なかなかの法廷劇
韓国が作った、反体制、孤軍奮闘の法廷劇であり、所々見せる手持ちカメラのアクションも冴えているし、ソン・ガンホの芸達者ぶりも健在であって満足できた。 事実に基づいているのは明らかであるが、どこからどこまでが真実に迫っているのかは解らない。しかし、勧善懲悪的な背景と、ラスト数分の見せ場への勢いは、カタルシスがあって面白かった。 それにしても、80年代において、憲兵みたいは国家保安警察官がいたという事実と、一次捜査での調書を拷問によりねつ造するという事実が、朝鮮半島の今を物語っている。恐らくこの二つは、形を変えて今も存在するのだと思う。
最高!!
さすが、ソン、ガンホです。 下手なハリウッド映画を見るより、よほど面白いです。 ただ、これがある大統領をモチーフにしたものなのですが、最終的には自殺してしまう結末となるのです。 そんな韓国という国が悲しすぎますね。
罪と正義を主張する主人公の執念
80年代軍事政権下で赤狩りの風が吹く韓国。高卒で弁護士をやっているウソクは、若い頃に世話になった店の息子ジヌが国家保安法違反容疑で逮捕されたことを知り、アカだと濡衣を着せられたジヌの弁護を引き受けることにする…。 最初金儲けの為に裁判官を辞めて弁護士になったウソクが、知人の息子の弁護を引き受け、事件を調べていくうちに、事件が全くのでっちあげであること、最初から検察や裁判官や弁護士が有罪を前提に処理しようとすること等、民主主義の正義が無いことに怒りを覚え、執念で無罪を主張する様が壮絶だった…。 マスコミも司法も全てが警察という権力寄りの超アウェイな状況でも、屈せず無罪と正義を主張する主人公の執念が凄くて。最終的に周りの人の心をも変えていく様子に心を打たれた。実在の裁判を基にしたストーリーらしい。
ポスターでも予告編でも、シリアスな社会派映画という印象だったのです...
ポスターでも予告編でも、シリアスな社会派映画という印象だったのですが、最初のほのぼのした入りで少し拍子抜けしてしました。 しかしそこからの落差がすごいです。 ほのぼのとしたごく普通の人々のごく普通の日常の中に、軍事政権の強権が介入してくる恐怖をよく描いています。 舞台は80年代ですが、朝鮮戦争の記憶や北朝鮮の脅威と文字通り隣り合わせな国で、共産主義(アカ派)というのは本当に敵国思想だったのだなぁとか、韓国が民主的な国になったのは本当に最近なのだなぁとか、見終わった後もやもや考えてしまいました。 実話が元になっているので終わり方もそんなにすっきりとはしません。しかし韓国映画はなかなか社会派な作品も多く面白いです。拷問シーンはかなりショッキングですが、ストーリーや時系列は分かりやすくドラマ性もあるので、社会派韓国映画入門?にもオススメな作品です。
国家VS弁護士
多くの顔をもつソン・ガンホですが、 今回はなんと猫のマネをします。 後半の弁護中の表情とのギャップが素晴らしいですね。 韓国の俳優はなぜこんなにも演技レベルが高いのだろうか・・・ ストーリーはよくある弁護士モノだったが、人権とは当たり前に有るものではないと再確認できた。国家の敵と認定されることで知ってしまう、国の残酷で狂暴な素顔。 国は誰のモノで誰のためにあるのか、改めて考えさせられるテーマでした。 この映画を見ていなければまったく知らない出来事だった、韓国の歴史の1ページ。知識として純粋に知れてよかった。 余談ですが、劇中機動隊のガスマスクと服装が映画「殺されたミンジュ」のそれと酷似していた、あれはオマージュだったのだろうか、それとも史実同様の装備だったのか 劇中セリフより 「古い借りは、口と足で返しな」 恩の有る人にはお金で恩返しよりも何度も会って会話したほうが感謝が伝わる。ってことですかね
我々は隣国のことを本当に知っているか?
(あらすじ)
1970年~80年代にかけてのミリタリーコントロールな韓国では、"国家保安法違反"で多くの学生達が不当逮捕されました。
1981年釜山の民主勢力に圧力を掛ける目的で、19人の学生が(おそらく)見せしめの為に逮捕される事件がありました。
これが えん罪『釜林(プリム)事件』です。
本作は、その釜林事件を元にした映画化です。
と、言うことは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領がモデルということになります。
ソン・ウンソク(ソン・ガンホ)は商業高校を卒業後、税務関係の弁護(というか、仕事内容は、日本では司法書士の先生が専門にされている、不動産登記だと思われる)をしています。
そして高学歴の弁護士集団の偏見や圧力と戦いながら事務所を大きくして、大手建築会社から顧問の依頼を受け、順調に仕事を熟すウンソクにある転機が訪れます。
それは、苦学生時代にお世話になった食堂の息子:パク・ジヌ(イム・シワン)が、"国家安保法違反"で逮捕されたからです。
つまり"アカ(共産主義者)"と言われ、逮捕されたんです。ただ、学生同士で小説を読み、意見交換していただけなのに。
当時の軍政権下の韓国では、国家安保法違反の逮捕は令状を必要としませんでした。
そのため当局は一旦逮捕し、拷問、強制的な自白をもって事件をでっちあげ、有罪としていたのです。
多くの弁護士が尻込みする中、ウンソクだけが"最期まで"国家権力に立ち向かいます。
ノ・ムヒョン元大統領は、本作で描かれる"釜林事件"を期に、人権派弁護士に転身し、政界を志したと言われています。
こんなことを経験したら、そりゃ国を変えたくなるぜ。
私はこの映画を観るまで、"釜林事件"のこと、またノ・ムヒョン元大統領が弁護士であったことを知りませんでした。
もちろん映画ですから、エンタメ度はプラスされていることでしょう。
それでも、抗えない国家権力の前で絶望に泣く子供達に、唯一手をさしのべるウンソク弁護士には、思わず拳を握って応援せずにはいられなかった!
ノ・ムヒョン元大統領が、この法廷から大統領になるまでを、じっくり調べてみたくなりました。
ま、ノ・ムヒョン元大統領のことは、まず置いておいて。
ウンソクが無銭飲食をするくらい貧しい苦学生から、七年掛けて司法試験に合格→事務所成功→そこからお金で人生を踏み外しそうになり→人権派弁護士に目覚めるまで。
ありがちな流れではありますが、そこは「ソン・ガンホに外れ無し」です。
ソン・ガンホは、"殺人の追憶"でも暴力刑事が事件を通して変わる姿を演じていました。
こういうの、上手いですね-。
そこにいる人物のリアルを感じます。
山崎貴監督、こういうのです!人物のリアルって。
対する悪の象徴。拷問刑事ドンヨン(クァク・ドウォン)。
あのー、どっから、こんな役者さん連れてくるんですか!?
なんすか、この顔!もう、憎々しさしかないですからね(笑)
歴代悪役ランキング、上位に入るでしょうね。
このドンヨンが、学生達を拷問するシーン。
絶望と恐怖しかない部屋で、人がどう壊れていくのか。
息苦しかったです。
パク・ジヌ役のイム・シワンが、女の子のように色白で華奢な男の子なんですよ。拷問シーンは、本当に見るに堪えなかったです。てか実際は、もっと酷いでしょうからね。
このイム・シワンって、"ZE:A"っていうアイドルグループの子なんですね。今後、注目したいと思います。
このシワンという守るべき者、そしてその母、ウンソクの正義と、ドンヨンに代表される分厚い国家権力の壁、とで行われる緊迫した法廷劇。
法律用語が飛び交いますが、個人的には字幕職人さん(有限会社西ヶ原字幕社の林原さん)のスキルが高くて、非常に分かり安く、面白く仕上がっていると思います。
で、ですね。
これ韓国ってひどいねーって話じゃないと思うんですよ。
日本の有罪率って、97%くらいだと思うんです。
有罪率っていうのは、"逮捕→起訴→裁判で有罪になる確率ですね。
もちろん日本の警察は優秀で、ほぼ全ての事件に有力な物的証拠と、目撃証人がいるんでしょう!
はてさて、そうなんですかね。
全ての犯人が間抜けで、現場に何かしらの証拠を残すんですかね?
そしてまさしくその現場を、市原悦子並のスキルで覗いてる目撃者がいるんですかね?
いやー、私はそうは思わないんですよ。
そこには少ない状況証拠と自白で有罪にしてしまう、裁判官の悪意があると思ってるんですよ。
ええ、この映画の状況と、大差ないと思います。
他国のこと。とか、思ってちゃダメだと思う。
あと、非業の最期を迎えた、日本ではあまりイメージが良くないノ・ムヒョン元大統領ですが。
本作のラストシーンと、そして韓国の歴代大統領11人のうち、亡命者2人、収監者2人、自殺者1人、暗殺された者1人、大統領弾劾訴追を受けた者1人ということを合わせて考えると、私は隣国のこと殆ど知らないんじゃないか?色々と心がザワザワとする、広がる面白い映画でしたねー。
観てる最中、「こんなに面白くていいの?」って小さく呟きました。
オススメします!
予想外に熱い
韓国映画は不慣れであったため驚いた。 はじめは食い逃げのシーンなどコメディ色の強い気楽な作品かとおもえば、終盤に進むにつれて拷問シーンや結構重い場面が続き、そして人物たちの個々の思いが熱かった。 みんな国を良くしようという気持ちはあって、その良さが強さなのか、民主主義なのか、またその手段が民主的な司法の実現なのか、経済力の向上なのか、それぞれの思想がそれぞれの視点で彼らなりの正義を貫いていたところが熱かった。
打ちのめされた!
法とは何か。社会とは何か。正義とは何か。生活とは何か。思想とは何か。歴史とは何か。。 そんな事を延々と自問自答させられる、そして見せつけられる。 劇中でも散々出てくる豚汁のような、非常に濃い映画でした。
歴史考察の一助に
80年代韓国の混乱が手に取るように伝わり、現在、朴槿恵政権下で大規模デモが繰り広げられている「理由」の一端が垣間見える秀作。 主演のソンガンホはじめ、役者陣の演技もすこぶる良い。必見です。
1981年、国家保安法違反容疑にかけられた釜林(プリム)事件
盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領という記載は一切なし。 釜林事件ともいっていない。 法廷劇というより「それでもボクはやってない」を彷彿とさせる。公権力の濫用、劇中「デモで何が変わるのか」というくだりがあるが期せずして韓国は朴大統領の退陣を求めるデモの真っ盛り。
出だしとラストの温度差がなんとも。
ソンガンホが話の進みでどんどん豹変しちゃって…さすが。 実話モチーフ、って事だけど軍事政権の恐怖が強烈。民主主義になりきれてない時代の怖さ。 ラストの美しい終わり方も綺麗すぎる感もあるが納得いかない結末に一筋の光、って事でしょうか。 見応えたっぷりでした。
圧がすごい
ソン・ガンホが完全アウェーの法廷で一歩も引かず演説するところが大変な熱量で圧がすごく、迫力に圧倒される。法廷ものの面白さを存分に発揮していた。
拷問が本当につらそうで、あり得る感じで描いているところが恐ろしい。憲兵の幹部みたいな人の顔が大変憎たらしかった。
高卒の弁護士で不動産取引で出世していくところが気持ちよかった。
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