奇跡の教室 受け継ぐ者たちへのレビュー・感想・評価
全57件中、21~40件目を表示
肝心なことが描かれていない
荒れたクラスの生徒たちをホロコースト研究のコンクールに参加させ、見事に優勝。
この作品が反ナチのプロパガンダ映画ではないとすれば、観客の興味はどこへ向かうだろうか。
この映画はその観客の期待には一切応えていないと言っていい。
学習意欲に乏しく、規律やチームワークへの理解が足りない高校生たちが、なぜこの教師の提案や指導を受け入れたのか。
他の教師たちが匙を投げる学級崩壊を、彼女は立ち直らせることができたのはなぜか。
なぜ彼女でなければならなかったのか。彼女は何者なのか。
このことに触れていない。
実話だから…?
ふうむ。
いい話だが、なんだかイベントもなくうまくいっちゃった感じが強かったなあ。
先生が、だめな生徒たちでも信じて身の丈に余りそうな課題を洗えたことがよかったのかなぁ。
呆れて怒るシーンもあったけど、「ここで怒るんだ?」という違和感あったな。
実話を元にしてるそうだから、実際にはこんなものなのかもな。みんな、本当はよいこ、やる気さえ出ればいいチームになれるって話かなぁ。
フランスは多民族、多宗教でたいへんなんだよということはこの映画でもよくわかりました。
だからこそホロコーストがハマるテーマになりやすいのかな。
これは奇跡じゃない
感動してしまった。歴史=戦争犯罪と向き合うこと、命の尊厳を守り人種差別とたたかい続けること、史実とそれからの在り方を引き継ごうとする者が受け継ぐ者たちの可能性を信じて受けとめること…時間を忘れてこんなことを考えた。
これは奇跡じゃないはずだ。人として当たり前の認識を得る過程であり、社会が発展していくうえで必然的なことだと信じたい。
けっこう映画を観ているけど、こういう映画を観ると「映画館は学校だ」と実感する。
顔の無いヒトラーたちを見たときにも感じましたが、アウシュビッツの事...
顔の無いヒトラーたちを見たときにも感じましたが、アウシュビッツの事はフランスでも知られていないことに驚きました。ストーリー自体は極めてシンプルでしたが、日常の学校生活において、人種や宗教が複雑にからんでる事にもびっくりしました。
対象に没頭させてから
ホロコーストからの生存者を招いて話を聴く場面が、最も印象に残った。生存者の感動的な話しぶりはもちろんのこと、話を聞いている生徒の表情がみるみる変化する様子に心を打たれた。あれは、演技ではなく素の体験をさせたのではないだろうか。
それと同時に、心に蘇ったのは、ここ数年で聞くようになった、被爆者の語り部にまつわる残念な話だ。修学旅行生が、語り部に信じられないような暴言を吐くことが増えてきたという。
この違いはなんだろうか。あのフランスの生徒だって、クラスが始まった時期は、ホロコーストの生存者に対して同じようなことをしていてもまったくおかしくなかったはずだ。
しかし、一点大きな違いに気付く。フランスの生徒たちは、生存者との対面の前に、徹底したリサーチを行い、調べる対象であるホロコーストの犠牲者への思いを高めているのだ。ゲゲン先生は、その機が熟すのを、待っていたのである。
修学旅行の引率者の先生方に問いたい。広島へ出発するまでの間、何を指導していましたか?学年集会を開いて、粗相のないように、何ていうお説教を垂れて、それで十分指導した気になっていたのではないですか?この映画を観て、自分たちの指導を振り返る機会にしてほしい。
と、だいぶ話が逸れてしまったが、生徒が変容していく姿がセミドキュメンタリータッチで描かれていて、教育に携わる者としては、変な感動を煽る作風でなかったことがかなり救われた。それでも十分感動的ではあるが…。
生徒一人一人の背景をもう少し丹念に描き、それを盛り込んで120分の作品にしてくれても、たぶん長く感じることなく観ることができただろうと思う。
人としての尊厳を奪われるホロコーストの悲劇と、生徒一人一人が自分の価値に目覚めていく過程が重なり、半世紀以上の時を経たカタルシスになっている作品のロジックも巧妙かつ爽快だった。
歴史を学ぶ意味。
歴史が勉強科目として苦手な人がいるかもしれない。
ペンは取らなきゃいけないし、全く聞いた事もない名前を覚えるのは難しい。
そんな時は、その時代をテーマにした映画を見るのが一番だと思っている。たった3文字にも満たない国や人の名前にも、そこには必ず"ストーリー"があるからだ。
『奇跡の教室』劇中の授業で、担任のゲゲン先生が一枚の絵を生徒たちに見せるシーンがある。
キリスト教がイスラム教を侮辱するその絵を説明する事は、20以上の人種と宗教が入り乱れたフランス国民(生徒)にとって当然タブーだった。日本人から見れば、いつものようにイスラム教徒は憤慨し、その他はただそれを見つめるの光景だ。
だがその時ゲゲン先生は、"ちゃんと考えて欲しい。この絵には、プロパガンダ(洗脳)用に作ったという"意図"があるの。"
ここで生徒達は、自分達が今ここにいる意味と、それを受け入れる準備ができたのだ。
ここまでの話は冒頭にすぎないが、彼らの努力や葛藤は、説明したシーンよりはるかにあなたの胸を強く打つと思う。後からこの作品の製作秘話も読んで納得できた。
あと1つだけ、歴史というのは儚いもので断片的である。調べようとしても、そこには文字しか情報がないのである。しかし、あなたが考えて行動して考え抜いた時、その点と点が線となって、あなたの人生をより豊かにしてくれると信じている。
その点となるには十分すぎるくらい良い映画だった。
人は変わる
良い出会いでも、悪い出会いでも人は変わる。仲間の存在で人は変わる。
何も話さなかった男の子が話しはじめるシーン、ソッポを向いてた子が教室に入ってくる所など、変化を捉えていた。
音楽も良かった。アウシュビッツの生き残りのレオンの証言は圧巻で受け継ぐというこの映画のテーマがこのシーンに詰まっていた。
これって実話?マダムの信念が子供達を動かす!
これって実話?と思ってしまうほど、よくできたストーリーで、やっぱり実話は小説よりも奇なんだなぁ…と改めて思い知らされました。
問題児クラスを担任することになったマダムゲゲン。学級崩壊といっても過言ではないクラスに、クラス全員で強制収容所の現実を研究するコンクールに出ることを提案する。
まぁ、よくある話といえばよくある話なんですけどね。
はからずも強制収容所って誰もが教科書で習うけど、なぜ番号で呼ばれていたのか、なぜ強制収容所の死体は坊主なのか…とか、今まで考えたこともなかった角度からナチスの所業を考えさせられるきっかけになりました。
また、その過程で、人間の尊厳や人という事を考えるきっかけとなり、生徒達は少しずつ自ら考え、人として成長していく…
なんか、忘れてたものを思い出すという感覚
当てはまる映画でした。
受け継ぐ者たちへ
教師と生徒が主人公の映画は色々ありますが、この映画では「(歴史を)受け継ぐ」ことが一つのテーマとなっています。
目をそむけたくなるような自国の歴史にちゃんと向き合おうことを教える教師の姿、そんな教師から学んでいく生徒たちに爽やかな感動を覚えました。
いい作品だと思います。
息子
アウシュビッツで起きた凄惨な出来事を若い世代に伝えるためのドキュメンタリー要素と、荒れたクラスを立ち直らせる王道学園もの要素を兼ね備えた良作。
実際の生存者が授業で語った信じがたい事実、それを聞いたあとに生徒たちが団結していく様には思わず涙。
それにしても、映画の中身とは直接的に関係ないけど、サンドラやディーパンや本作で描かれていた様がリアルライフなら、フランスってものすごく生きづらい街に思える。
あらゆる意味で社会勉強になる教材映画だし、実際に教育現場で見られるべき作品だと思う。
ストーリーには関係ないけど、エンドロールは最後まで見るように。
77
天使にラブソングだと思ってみれば面白い。
不良クラスがアウシュビッツを学んで更正する話しですごく泣けると聞き、構えて鑑賞したので割と拍子抜け。後半のクラス一団となってアウシュビッツについて調べていくシーンでは、自分も同じ様に学んでいる気分になり、泣けた所もあったが、実際アウシュビッツについてのそこまで深い探求はない。これが実話というのは素晴らしいが、悪かったクラスが良い担任の先生と一緒にアウシュビッツを学んでコンクールで優勝し更正したというとてもシンプルな、まさに天使にラブソングな話で、それを割と大雑把に描いているので105分という時間を埋めるにはあまりに内容が薄い。実際アウシュビッツに触れだすのはだいぶ後半からで、前半は退屈な印象だった。ちょくちょく人種差別問題や、生徒同士のいさかい、生徒を理解しようとしない大人などが出てくるが、ぜんぶ中途半端描かれているので結局あれはなんだったのという所が多く、メッセージ性は伝わってこない。
実際本当にアウシュビッツについて考えたいなら、私ならライフイズビューティフルやシンドラーのリストを見るかな。。。
不良の生徒達の変化に、心震える
先生が諦めたら、終わってしまうけれど、ゲゲン先生は諦めなかった。そして、無理にやらせるのではなく、生徒に考えさせる。こういう教育ができる先生は、いったいどれけいるんだろう。
与えられるテーマは正直重く、とても考えさせられた。日本にいるとなかなか実感することないけど、人種差別の問題はずっとあるし、考えていかないといけないな、とも思った。
とにかく、ふかーく考えさせらる映画だった。
原題の方がいい
ドキュメントタッチで淡々と描かれるので、盛り上がりが全然ない。
28人出て来るので見分けが付かないけど、
人種のせいで最初からクラスはあまり仲良くない。
エピソードがいくつも積み重なっていくけど読み取るのが難しい作品。
ただ、これを見て人種差別は駄目だと強く思った。
その人を人として知って嫌うのはいいけど、人種差別は駄目だなと。
このディスカッションの教育、日本でもやって欲しいな。
高校とかの授業で見せてあげて欲しい作品。
劇的な感動とかはないけれど◎
重くなく、前向きに見ることができた映画でした。
若者の成長は自然で、ドラマ仕立てのわざとらしさは微塵も感じませんでした。
先生にも魅了されました。
ユダヤ人の生存者が、生き残ることができた自分を支えたもの、の質問への返答が印象的です。
全57件中、21~40件目を表示