花戦さのレビュー・感想・評価
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「花戦さ」は成功したのか
野村萬斎の狂言的な演技が印象に残る。様式美と言おうか、笑うにしても泣くにしても独特の大袈裟な形があり、仕草や表情を見るだけでも楽しい。
物語の中心になる萬斎(専好)と佐藤浩市(利休)とのやりとりも見ごたえがある。時の権力に仕える利休と、仏に仕える専好と立場も性格も違う二人だが、茶と花という芸の道を究める者同士の共感と信頼関係がよく伝わってくる。秀吉は驕り高ぶった権力者としてあまりに悪者に描き過ぎてはいるが、利休との対立が徐々に深まっていく様子がなかなか興味深い。対立は作品の中で「金」と「黒」との比較で象徴されている。
「花戦さ」というタイトルだが、「戦さ」というほどの緊迫感が感じられなかったのは残念だ。
のぼうの城の萬斎はわざとらしくて好感が持てなかったが歳を取った分穏...
のぼうの城の萬斎はわざとらしくて好感が持てなかったが歳を取った分穏やかな演技になった。佐藤浩市も色気のある演技だった。
期待してたよりは…
前段が長くて少し退屈でした。
最後のために仕方ないのかもしれませんが、うーん。と言う感じでした。
俳優陣はそうそうたるメンバーでそこは良かったです。
私みたいに何も知らない人間より、華道や茶道をしてる人はまた違った見方できるかもしれませんね。
海外で受けそう〜
「のぼうの城」的な感じを期待して行くとちょっと違うかも〜
あちらは戦争中の武士の話なので戦闘シーンもあって派手な展開ですが
こちらは僧侶の話だし、文化的な話なのでアクションはありません。
それでもダイナミックな絵作りとして、大きな松の創作生け花が見事です。
天井までいっぱいに使った創作生け花が
作られる過程はなかなか興味深かったな〜。
海外で日本文化紹介作品として受けるかも??
それから
多分ドローン撮影と思われる山のシーンも新しかったです。
「なにわ言葉」については90%くらいまで頑張った感じですが
野村萬斎さんの結構良いシーンでの一言が
イントネーションが微妙に標準語ぽかったり、
逆に本来ならネイティブに喋れるはずの和田正人さんまで
言葉指導がついたせいか、やっぱりイイところで
イントネーションが微妙だったり〜〜
指導を受け過ぎるとネイティブでもたまに
本来のイントネーションが一瞬わからなくなるのね。
勿体無かった〜
監督さんがネイティブならこのテイクは使わないと思うんだけど〜
ただ、最後の展開は原作未読ですが、
原作ではもうちょっと緊張感があったのかもしれません。
映像にした分、緊張感がちょっと薄い感じ。
人によっては納得できないかもしれない。
鶴松が死んで落ち込む秀吉の描写もちゃんとあったけど
「友」という言葉に反応した秀吉の気持ちは
観た人に届いたかな?
それとやっぱ信長に中井貴一さん、出番は少ないけど
最後に説得力を持たせるには中井貴一さんクラスの
大物でなければならなかったのがよく解りました。
あと、ヒロインの女の子はちょっと現代っぽ過ぎる気がするな〜
それから顔のドアップが多すぎてちょっと観ててそこはしんどかった。
それなりに楽しめた
前半にくどい演出があったものの、全体としてみれば良い作品に出来上がっていると思う。
キャストもあっているし、何より数日かけて実際に作られた序盤と終盤の生け花は圧巻の出来栄え。
大河ドラマや朝ドラが好きなら楽しめるでしょう。
猛烈な眠気
2時間の上映で、戦いが始まるまで1時間30分はかかった。前半は爆睡した。映画の構成として、せめて30分くらいで戦いが始まって、それから勝ったように見せかけてどん底に落ちて、最後はやはり勝ちを収めるという構成が必要じゃないのか。ちょっと頑張ったら勝てましたじゃ薄すぎる。
映像もいかにもスタジオで撮りましたみたいベタッとした照明があったり、チープなTVドラマみたいな映像がちらほら。
萬斎の演技も上手いんだろうけど(顔芸とか)、好きにはなれなかった。
日本人でよかった
華道ってよく分からない世界でしたが
この映画を観て花の美しさ、その美しい花を
人の手で新たな命の息吹を与えると言う世界を
知る事が出来た作品です。
生けた花が映し出される度に笑顔になってる自分がいました。
その美しさと力強さで秀吉の心が動かされたのも
納得。
浮かび上がる梅の花
様々な登場人物の在り方が描かれていると思います。
老人も子供も専好にとってかけがえのない人達
池坊専好と利休対象的な生き方!
物にはいろんな側面があること
権力者からの重圧にも屈しない
生き方の美しさ
今思い返すとあの梅の演出が映画のエッセンスのように感じます。
時間をかけてじわじわ感動します
一期一会
萬斎ワールド全開の映画である。この人の狂言の舞台を見たことがある人なら、映画の演技も舞台の演技と同じであることがすぐわかる。喜怒哀楽を極端に表現することで笑いや涙を誘う演技だ。
この作品では、そこに茶の湯の侘びや寂びも加わるので、間がとても大事になる。ひとつひとつのシーンがゆっくり、ゆっくり進むのだ。それは茶の湯で主人の手元の動きを楽しみながら、茶の出来上がりを待つのに似ている。急いてもいけないし、気を抜いてもいけない。
ジェットコースターのようにストーリーが進んでいく最近の映画に慣れた目には、面食らうほどのスローペースだが、やがてそのペースが心地よくなってくる。茶の湯の席で流れる時間が、日常の時間から隔絶されているのと同じだ。
茶の湯の要諦は一期一会だ。一服の茶は無造作に飲まれて終わる。しかしその茶室でその一服の茶を飲むに至るためには、それまでの経緯があり、主人との出会いがある。主人にとっても、その客をもてなすに至った経緯がある。来し方を振り返り、行く末を案じる互いの人生の一瞬の重なりを、一服の茶に味わうのが茶の湯だ。
それは、やはり短期で終ってしまう活け花にも通じている。消滅する美を人生の一瞬に重ねて、無限の時間と空間の中でその花を活けるに至った縁起を感じる。花の命と自分の人生が重なったときにだけ、その花を愛でることができるのだ。花は散るから美しい。
この作品にはたくさんの出会いと、たくさんの別れがある。そのすべてが一期一会であり、主人公は出会う人、別れる人に「おおきに」を繰り返す。ひとつひとつの「おおきに」が全部異なるニュアンスで表現されるのは流石に萬斎である。佐藤浩市の利休とのやり取りにある「間」に、侘びと寂びを感じることで、観客はこの作品との一期一会を果たすことになる。
花戦さ
現代人が見失ってしまった花という小さな命の尊さ。便利さや豊さのために失った優しい心を取り戻して欲しい。綺麗なお花を生けることによって、自分自身とも向き合い、他人にも、全ての生き物にも優しくなれる。映像も音楽も良い。豪華な配役はそれぞれに見事な演技で引き込まれた。花に仏様の魂を見いだし、静かに語りかける。じわりじわりと涙が溢れ、最後まで止まらなかった。
みんなに見て欲しい。みんなが優しい心になって欲しい。
基本的に萬斎の演技があまり好きではないので、いい映画だとは思うが、...
基本的に萬斎の演技があまり好きではないので、いい映画だとは思うが、点数は高く出来なかった。生け花はどれも美しく、流派の中では池坊が好きなので、其の点では満足でした。
花で世の中が安泰になるって?
猿だけに猿之介を起用?
最後の秀吉と専好のシーンは全く頂けない。秀吉の残虐な行為を止めさせる為の「説得力」になっていない。池坊が監修をしているなら、もっと大胆に描いて欲しかった。グサッとくるシーンがなかった。
萬斎さんが専好で良かった🎵
私は元々萬斎さんびいきだけど思っていたよりずっと良かった🎵萬斎さん特有のあの感じと佐藤浩市さんのやさしく強い千利休は素敵立ったと思う。
エンドロールが終わるまで誰も立たなかったのは評価点が高いと言うことでは?🎵
萬斎さんますます大好き💕
こんな野村萬斎が好き。
ずいぶんと評価が厳しいようですが、僕は好きです。
そもそも野村萬斎が主役な時点で、映画の質がこの通りであることは想定内。飄々とした憎めない野村萬斎が好きなので、キャラ的には満足。
ほかも、信長の緊張感、秀吉の狂気、前田のバランス感覚、利休の矜持、、、よく描かれていたと思う。三成だけがずいぶんと損な役回りであったけど。
そして、蓮の素性が知れたとき(父様とか言った時)にゾクリとした。そのわりには、秀吉と等伯のからみがあるのかと期待したが残念。尺の関係か。
野村萬斎の面目躍如だが、なんちゃって”本格”時代劇
野村萬斎の面目躍如。
戦国時代の花僧・池坊専好を野村萬斎が演じ、花の美しさで豊臣秀吉をいさめたという伝説のエピソードである。華道三大流派(池坊・草月流・小原流)のうちの最古の池坊の正当性を大宣伝している。
初の"華道映画"ということもあり、監修として華道家元池坊の大バックアップによる生け花の競演がとてつもなく美しい。
ゆえに実話っぽく感じてしまうが、これは史実を無視した創作要素が多く、時代考証はメチャクチャである。堤幸彦監督×中村勘九郎の「真田十勇士」(2016)くらい弾けていれば、"こんなわけねーだろ"と楽しめるところだが、そうはいかない出来の良さが問題である。
野村萬斎のサービス演技は旺盛で、表情・所作すべてが狂言的にデフォルメされた正統派。なんちゃって時代劇なのに、脇を固める共演者が、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市とそうそうたるメンバーで、"本格時代劇"と誤解されてしまうわけだ。
ところが序盤でいきなり、織田信長との謁見の場に居並ぶ武将のテロップに、"豊臣秀吉"とでてくる。公式サイトには、"木下藤吉郎/豊臣秀吉"、"千宗易/千利休"の改名を後年のもので統一表示したと注釈はあるのだが、普通は映画本編しか見ないのがあたりまえ。歴史ファンにはがっかりだろう。
"これはフィクションです"とテロップを入れるべきではなかったか。実在の人物を使ってはいるが、"遠山の金さん"、"暴れん坊将軍"、"水戸黄門"なのである。
しかしエンターテインメント作品として観れば、なかなか見応えのある妄想エピソードである。仏道と華道の関係性、華道の心を伝えようとしている本作の姿勢には、"日本の美"に対する再発見がある。また、表千家不審菴、裏千家今日庵、武者小路千家官休庵の協力を得て、茶道と千利休の描き方も本格的だ。同じく時代背景がリンクしている、市川海老蔵主演の「利休にたずねよ」(2013)とセットで観ると、絶対に楽しい。
野村萬斎は、前作「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」(2016)で、人気脚本家・古沢良太による現代劇に挑戦していた。古沢氏いわく、"野村萬斎のアテ書き"のはずだったがイマイチ。結局、「のぼうの城」(2012)をはじめ、着物キャラクターでしか輝けていない。
本作に関してはまったく問題ないのだが、その演技は、アニメ声優や「シン・ゴジラ」でのゴジラのモーションキャプチャーモデルなど幅広い。やはり現代劇での魅力を観てみたい。
本作のちょっとした掘り出し物は、"れん"役を演じた森川葵である。言葉を発しない、捨てられた少女の演技に引き込まれる。
(2017/6/4 /TOHOシネマズ日本橋/ビスタ)
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