たかが世界の終わり(2016)のレビュー・感想・評価
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退屈な討論劇。
この監督は色々な人が様々なところで「類いまれなる才能を有した人物」と喧伝していたので、期待して上映に臨んだのですが。蓋を開けてみると、既視感にあふれた、議論、口喧嘩、それに無駄なおしゃべりに満ちた退屈な作品であり、私は大いに失望し、エンドロールの途中で退席しました。昔、エリザベス・テーラーが主演していた「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」という映画をこの作品を観ている間、思い出したりしました。ほとんどが室内での喚き合い、科白で劇を引っ張る能のなさ、しかも、殆どのセリフが手垢にまみれ、水で薄めたようなものでした。寸鉄人を刺す、かのようなセリフは皆無でした。この映画、先が容易に予想できるものなのです。ドラン監督の能力の限界を見た思いがしました。
カネと時間を返せ!
声を大にして言いたいです!
フランス社会の奥深さへの敬意
フランス語が全く分からないので、字幕では伝わらないニュアンスがかなりあったのだろうと思います。特に会話の応酬の場面では、日本語字幕では伝えるのが難しい語感もあったはずです。漫才や落語に文法的に正しい外国語字幕を付けても伝えきれないものがあるように。
それでも凄かった。家族だろうが、学校だろうが、職場だろうが、絶望的に分かり合えない、絶対この人と二人きりになりたくない人っていますが(自分がそう思われることもあると思います)、これほど真正面から、救いようのない状況を描いた作品を初めて見ました。
過去の確執の原因や知らなかった事実が判明し、最後は理解し合えて和解に至るみたいな話はよくありますが、そもそも原因となる誤解や事件が有ろうが無かろうが、この人とは絶対ムリ、という人間関係がそのまま描かれている映画を見た記憶がありません。
シャルリー・エブド以来頻発するテロや難民問題、イギリスのEU離脱(ギリシャや南欧だってまだまだ安心できない)、極右政党の台頭等々、メチャクチャ大変な時でもなお、このような家族や人間の本質に迫る作品を、本気で作れるフランス社会の懐の深さを感じました。レア・セドゥ、カッセルの極限の苛立たしい演技だけでも見応えあります。
マリオン・コティヤール‥‥昨日マリアンヌを観たばかりですが、やはり只者ではないですね。微妙な立ち位置の義姉をほどほどの存在感に抑えながらも、鑑賞後の残像度は一番でした。
想像を膨らませ答えを出す、観客側が
間違っていなければ「トム・アット・ザ・ファーム」と本作「たかが世界の終わり」には原作があって映画の内容は二つともセリフでの説明が無く観客側が考え導き出すと言うか不親切に進む共通点がある。
主人公ルイは何故に家を飛び出し長い間、音信不通でいたのか?
家族に対してどんな気持ちでいるのか?
結局は何も言わないで終わる感情の意味は?
妹シュザンヌの幼き頃を知らずにシュザンヌも兄をよく知らない。
長男アントワーヌの感情剥き出しの態度はどうしてなんだろう。
終始、意味深な表情のカトリーヌの想いは?
母親の息子を愛する気持ちも案外アッサリしている。
「わたしはロランス」に「Mommy/マミー」の音楽と映像に特徴のあった演出は今回は控え目に家族の会話に表情や態度を焦点にカサヴェテス映画の雰囲気も!?
グザヴィエらしくオープニングの曲と中盤のマイアヒにエンディングの曲は上がる。
ルイの頬にある傷跡もある回想シーンに活かされているしアントワーヌの拳の傷も彼の性格と意味合いが。
母とは仲良しと語るシュザンヌの映像はずぶ濡れの中での口論が映し出される。
観ている側、それぞれが考えて想像し感じなければならない一つのオチや答えがある訳では無い映画。
異常なほどにわかりあえない
ギャグなの?というほどに「わかりあう」ことの難しさ、もっと言ってしまえば不可能さを二時間見せつけられる。
強烈だ。
「愛ゆえにひとは苦しまなければならない。愛ゆえひとは悲しまなければならない」との南斗最強のお方の名言や、「愛しければ愛しいほど背中合わせになる」との冬の名曲の歌詞を一瞬思い浮かべるものの、この作品で提示されるそれはそもそも「愛」の概念とはかけ離れたもの。もっとドロドロとして、どす黒く渦巻き、汚らわしく、極上に美しい、繊細で、力強い、「何か」を語って見せて(しまって)いる。バタイユの作品を読んでいるような、そんな錯覚に陥った。
ありていの家族愛や想いがどうのというあまっちょろい戯れ言からは程遠い。だから正直みていて楽しくない。きつい。所謂娯楽作品としては評価は低い。
でも、何度もみていろいろと考えてみたくなる、接続端子のたくさんある作品。ぜひ。
原作の世界観を見事に描写した手腕に唸る
各俳優が繰り出す心情表現の演技が非常に細かく、映像班の作り出した世界観はぞっとするほど美しい。また、俳優が喜怒哀楽を表現した際にタイミングよく差し込まれる楽曲にも痺れました。
原作はジャンリュックラガルスの戯曲「まさに世界の終わり」で、日頃から戯曲に慣れ親しんでいる人でなければ展開を読みづらい感がある。そのため、興味がある方は映画を観た上で原作に触れるのが望ましい。ただ、普段から読み物や映画ドラマを鑑賞し、読解力のある方なら苦なくストーリーを追えるかと思う。
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