「息づかいが聞こえる」たかが世界の終わり(2016) 豆さんの映画レビュー(感想・評価)
息づかいが聞こえる
スクリーンから呼吸が聞こえた。
僕はもうすぐ死ぬ… 12年も疎遠だった家族にそれを伝えるための帰郷。
この家、家族に何があったのか…全ての感情さえも観客に委ねる映像のつくり。好きです。
薄い布地のカーテンが風で揺れている向こう側の世界、汗で首筋に張り付いている髪が気持ちまでねっとりしてるようだし、タバコを吸う行動で耐え難い苛立ちも感じる。否応なしにそこにある感情を覗きたくなる。ぼやけた映像の先にあるものが知りたくなる。
嫌なことに、ふと目を閉じるかのようにドアを閉める…それも家族。答えなんてなくったっていい。
勝手にドランが自分自身を切り売りしてるような気分になり切なくなった。
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