「異常なほどにわかりあえない」たかが世界の終わり(2016) ぱんだまるさんの映画レビュー(感想・評価)
異常なほどにわかりあえない
ギャグなの?というほどに「わかりあう」ことの難しさ、もっと言ってしまえば不可能さを二時間見せつけられる。
強烈だ。
「愛ゆえにひとは苦しまなければならない。愛ゆえひとは悲しまなければならない」との南斗最強のお方の名言や、「愛しければ愛しいほど背中合わせになる」との冬の名曲の歌詞を一瞬思い浮かべるものの、この作品で提示されるそれはそもそも「愛」の概念とはかけ離れたもの。もっとドロドロとして、どす黒く渦巻き、汚らわしく、極上に美しい、繊細で、力強い、「何か」を語って見せて(しまって)いる。バタイユの作品を読んでいるような、そんな錯覚に陥った。
ありていの家族愛や想いがどうのというあまっちょろい戯れ言からは程遠い。だから正直みていて楽しくない。きつい。所謂娯楽作品としては評価は低い。
でも、何度もみていろいろと考えてみたくなる、接続端子のたくさんある作品。ぜひ。
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