たかが世界の終わり(2016)のレビュー・感想・評価
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思い出ゲリラ
私はドラン監督の作品を観る前に、毎回少し覚悟がいる。心のどこかにあるカサブタを剥がされる気がするからだ。上手に隠したはずのカサブタを見つけ出し、容赦なく掻きむしって剥がす。
作中に描かれるような家庭環境でも、人生でもない。でも、ドランは確実に私のカサブタを引っ剥がすのだ。
さて、私も出来るだけ実家には帰りたくない種族だ。特に関係が悪い訳でもないし、両親ともにドラン作品に出てくる親ほどエキセントリックではない。極一般的な家族とも言える。でも帰りたくない。「実家」という箱に記憶や良い思い出も悪い思い出も、心の古傷も置いてきたからかもしれない。(さして大したものでもないのだが)
「実家」を共有する家族たちは思いもかけない記憶を共有していたり、違う視点から記憶していたりする。そして不躾に思い出ゲリラのように、掘り返し披露する。血縁のある家族ほど無遠慮なものはない。掘り返された記憶はまた生傷となり、カサブタになるまで埋めて置かねばならない。大した傷ではないのだが、心は治りが遅い場所なのだ。
わかってほしい。ルイも私も実家が嫌いなのではない。実家を出るときに記憶や思い出、後悔を丁寧に葬ったはずなのに。生傷には手当てをしてでていったはずなのに。時に無邪気に時に必要以上に重々しく引っ張り出しかきむしられることに準備が必要なだけ。私も同じことをしたくないから、出来るだけ黙って端的に答え誰のカサブタも剥がさずに帰りたい。だから準備が必要なのだ。
このようにカサブタが剥がされてしまったのです。
ドラン作品はいろんな意味でカメラが近い。無遠慮ともいえる距離に寄ってくる。
何も言えねぇ
あらすじでは魅力が伝わらない系映画。
余命少ないことを告白するために帰ってきたはずなのに、家族が全然言わせてくれない。昔の家にも行かせない。恨みや疑念、冗談で誤魔化したあと、やっぱり愛してる…と仄めかすツンデレ家族。面倒臭すぎて主人公に同情したけど、12年も表面的な付き合いしかしてなかった奴がいきなり現れたら動揺するんかな。あと母や兄の「聞きたくない」ってのが死の予告に対する発言なら、不器用な愛情の発露でもあるのかもしれない。
何も言えないまま映画が終わって少しびっくり、でもずっと観てられるので不思議。私はあと3時間同じことが続いてもぎり観れます。
ちょうど田舎に帰省中。気取った映画ばっか観てんなと姉に怒られ、自分の行く末を予言されているようで妙に沁みました。
フランスの家族はこんなもの??
ネットでの評判やカンヌ映画祭のグランプリ?作品とのことで鑑賞。
見る前の簡単なあらすじ読んで、これ日本人に理解できる内容かな?と少し不安を持ちながら見てみたら、案の定な内容…
正直、ほぼ意味がわからなかった。息子に久々に会うのに化粧やネイルして準備をし、自分が話したいからと明らかに周りはうんざりするのがわかってて、何度も話したネタをいかにも今初めて公表するかのように話す母親の気持ち。
何につけても揚げ足を取るような発言をして周りを苛立たせ、しまいには俺が悪いのか?とブチ切れ始める頭のネジの3本くらいなくなった長男。
どう考えても機能不全家族だろ?こんな話見せられて意味不明、心も暗くさせられ、なんの時間過ごしたんだろ?というのが率直な感想。
長男が殴りかかる寸前で拳がわかるように映っていたが、何度か殴ったことのある傷跡が見れた。ここからきっと普段周りにも暴力振るっているんだろうなというのが推測される。
大体長男は最初見た時、あまりにも帰宅した弟と比べて老けているので親父かと思っていた、兄さんって呼ばれたのでその時点でようやくわかった。
自分にはどうしてグランプリ取れたか理解がし難い内容でした。
強いて言うなら、昔流行った『恋のマイヤヒ』が途中でかかったこと。とても懐かしく思わず替え歌で口ずさんでしまっていた。
疲れた😓
家族それぞれの想いが交錯する
演劇みたいな映画だった。うるさくした小津映画みたいでもあった。
と思ったら、舞台劇が原作だった。ある日の午後、12年ぶりに家族に会いに戻ってきた次男ルイ、劇作家。兄のアントワーヌは弟に劣等感があるのかすかしたインテリ野郎と思っていて、自分の職業も弟からしたら粗野に見えるんだろうと勝手に思い込んでいる節がある。でも弟のかつての友達がガンで亡くなったことをルイに伝えた箇所で、兄は弟が何故12年ぶりに戻ってきたか本当はわかっていたのかも知れないと感じた。自分で自分に頭くる無器用な兄は右手の握り拳に赤い痣が沢山ある。妹のシュザンヌ(レア・セドゥ可愛い)は小さかったからルイのことは覚えていないが慕っている。少し大雑把で一方的に喋るのは母親似、激情して攻撃的に話すのは長兄似だろう。ママの化粧はなんだか濃すぎ、同じ話(ルイさえ知ってる)を繰り返して家族からウンザリされてハイテンション気味。でも子ども達の個性をよくわかっている。
殆ど話さなかったルイが唯一話せた相手は、初対面である兄嫁のカトリーヌ。アントワーヌに会話の邪魔をされながらもゆっくり話し続けるルイとカトリーヌ。このシーンにはたっぷりと時間がとられていて、二人の横顔とうなじが画面いっぱいに映し出される。どうってことない言葉のやりとりと沈黙のシーンは長く、穏やかで美しい映画の一場面だった。
グザビエは色彩、光、音楽、美術、カメラの扱いが上手い。キャスティングもいい!ルイはギャスパーだからこそだし(スキーで亡くなって本当に悲しかった)、カトリーヌはマリオン・コティヤール以外には考えられない。家族なのに家族とまともに言葉を交わせない立場に陥ったルイと話せて、最後は目と身振りで挨拶できたのは、血縁関係のないカトリーヌだけだった。兄も母親も誰よりルイを愛おしく思っているのにみんなの前で素直にルイの言葉に耳を傾ける勇気がない。ルイは孤独に押しやられ置いてきぼり、彼自身も家族に心からの共感を感じることはできなかった。
時計は容赦なく針を進める。ちょうど午後1時に到着したルイは、デザートが終わった後に家族に言うべきことを言ってその日のうちに帰る、と電話の向こうにいるパートナーに伝える。その午後4時に針が近づいていく。いつの間にか鳩時計の中に入り込んで床の上で死んだ小鳥はルイの身替わりだろうか?
ルイが家族と意志疎通ができなかったのは彼の12年もの不在(音信不通ではなかったのに!)が原因なんだろうか?ルイだけが家族の中で唯一知的な職業に就いているからなのか?それとも彼がゲイだからか?私は意志疎通ができなくなってしまっている家族は沢山いると思う、それぞれが誰かに劣等感や不信や苦手意識を持ったりするから。それはわかる。でも私は家族が連絡してくれれば長年不在であろうが、どんな仕事をしていようが、ゲイやレズであろうがいつでも受け入れて時間をかけて話を聞きたい。それから初めて自分も話す、自分ばかりが話しそうな恐れがあるから気をつける。
おまけ
原作者のジャン=リュック・ラグルスはゲイで、エイズで38才で亡くなったことを知った。映画の中で長男が家父長的な立場にならざるを得ないのを不満に思っている箇所があって、なんか古いなあ、いつの話なんだろう?と思い頭が少し混乱した。ルイのかつてのボーイフレンドが亡くなったと兄がルイに伝えた時、あえて「ガンで」と死因を言っていたが、それはエイズなのではと思った。ラグルスが生きていた時代、エイズは不治の病だった。だからこの劇(映画)でも兄のアントワーヌは弟のルイも遅かれ早かれ死ぬと感じたのではないか。
家族それぞれの噛み合わない思惑と会話の絡み合い
「Mommy 」はそれほど好みではなかったが、やはりグザヴィエ・ドラン監督の作品には気になる何かがあり鑑賞。
オープニングの独特な音楽と、きれいでこれまた独特な雰囲気の車窓からの景色に、これはいいかもと期待値急上昇。特にさりげなく映った赤い風船なんかはとてもおしゃれ。
そしてそこからは、永遠主人公達のアップ中心の撮りで淡々とストーリーが進んでいく。と言うか、ストーリーらしいストーリーもないまま主人公達のあまり噛み合わない思惑と会話だけで進んでいく。
うーん、本作は豪華キャストだからまだ成り立つが、そうでなければ途中棄権してしまいそうになるほど退屈に感じる場面が多いように感じる。とにかく主人公達の想いが分かりにくく、観ていて誰とも共感できないし、ほとんどのシーンが薄暗い室内というのも退屈してしまう。そのあたりが本作の魅力なのかも知れないが、個人的にはもう少し皆の背景がわかるようにしてもらいたかったかな。
でも、本作のタイトルはとてもおしゃれで良いと思う。
家族の剝き出しの感情
ほぼ家の中だけで話が展開する。家族同士の会話で成り立っているような作品で、役者陣は表情での演技がメイン。ドラン監督の作品はいつもそうなんだけど、特にこの作品は登場人物一人一人の感情がダイレクトにこちらにぶつかって来る度合いが高くって、正直観ていて疲れた。兄が他の家族に自分の人生のイライラだったり嫉妬だったりをぶつけて罵倒してる姿はほんと「もうやめて!」って思ったけど、それだけ迫真の演技だったのは間違いない。個人的には、幸せな家族よりもこんな家族の方が世の中には多いんじゃないかと思うので、ウソがない映画だなと思ったし、現実味がある分人間性の本質がよく表現されているなあと思った。最後テーブルの下でつないでいた手は誰と誰の手なのか?座席の配置と兄の顔の向きが合ってないような気がしたんだけど、あれはわざとそういう演出なのだろうか。
家は救いの港じゃない
愛しているのに分かりあうことが上手くできない、そんな家族の物語。
OPカミーユの歌から凄くて、その歌詞もそのまま全てを示唆していました。
また音楽も絶妙で、グザヴィエのセンスの良さがみられます。
とにかくキャストが凄くて、フランスを代表する顔ぶれでしょう。
その家族の内面を覗きにいくようなカットや、溢れて止まらない会話の数々。
あまり意味のないような会話だけど、そこに何かを探っているようなもどかしさもみられました。
そして皆、病というか家族でいられる時間が残り少ない事をわかっているんでしょうね。だから口から出る言葉も何処かむき身。
皆演技が素晴らしく、一番は言葉より雄弁な皆の表情ですね。
手を握った時のあの時間。そのカットに映る皆の顔はすごかったです。
そして最後は自分自身そのままのような小鳥。
家に帰り、傷つけ傷つき、そして果てる。
家は救いの港じゃない…
深く刺さる言葉でした。
映像は綺麗だけど…
ぜんぶあっぷです
ヘンな感覚の映画だった。
とりあえず内容を置いても、見え方(撮影方法)からして、顔のアップでずっともっていくので、世界がとらえられなかった。
(常に顔のアップなので)住居や調度や昼夜や体型や姿勢や各々の位置情報や食事の内容がわからない。くわえて単焦点(背景がボケるカメラ)なので、なおさら世界がわからない。
が、わからないのでかえって普遍性があった。普遍性とは、固有の家族を描いている──のではなく、いわゆる「家族」の有り様が描かれている気配──があった。
ところがその家族は全員がさいしょからすさまじいわだかまりをもっていた。
ぎこちなく、疑心暗鬼で、帰省したルイのきもちをさぐっていた。
それが、なぜなのかわからない。ずっとわからなかった。
IMDBの映画の概要をつたえる欄に『末期の作家であるルイ(ギャスパー・ウリエル)は、久しぶりに家に帰り、家族に死にかけていることを伝えました。』とあったので、そうなのか──と思ったが、映画内にはルイが末期であることも、家族に死にかけていることを伝えるばめんもなかった。(と思う。)
映画内には、すさまじいわだかまりを持ってしまった家族が、いがみ合っているところ、しか描かれていなかった。
だが、その様子は、なんとなく滑稽でもあった。
笑える要素はまったくない映画だが、そこはかとないユーモアがあった。
なにより映画はおもしろかった。
日本映画で、技量や社会体験が未熟なため、よくわからない映画がある。その種の暗愚をこの映画には感じなかった。
グザヴィエドランといえば天才肌の監督だった。ここで使っている天才は日本映画界で使われるクオート付の(マスコミ称や自称の)天才とはちがう。ほんものの天才だった。
キャリアのさいしょから母親を描いてきた。J'ai tué ma mère(2009)やMommy(2014)で母親像と家族のなかにいる自分自身を描いてきた。
そのすぐれた観察力を本編でも感じた。母も兄も妹も兄嫁も、ルイにたいして依怙地になっている理由がわからないのに、なぜか家族らしさがあった。
役者の巧さもあった。コティヤールもセドゥもカッセルも迫真だった。ナタリーバイの厚化粧は妖怪人間ベラのようだった。
とくに妹セドゥと兄嫁コティヤールが巧かった。センスのない両肩タトゥも「地元に残った妹」の雰囲気をだしていた。
ルイと妹シュザンヌ(セドゥ)が話しているとき、妹は頻りにたばこを吸っていた。あまり記憶がない幼少のとき出ていった兄、社会で成功した兄──にたいするポーズや照れが現れていた。
ちょっとした気づきだが、そのシーンで単焦点になるところがあった。背景でセドゥが全裸になって着替える。その様子はぼけて見えないが妹は頓着せずに着替えた。
個人てきにこのシーンが気になった。
なぜかというと日本では裸をトクベツなものとしてとらえる。なんとなく撮ったり、たまたま映ったようには撮らない。日本では(女の)裸に神格や娯楽要素を置く。
が、フランス/カナダのグザヴィエドランは大人かつゲイなので、裸をトクベツ視していなかった。
だから「兄のまえで躊躇せずに全裸になって着替える妹」(しかもそれがボケて見えない)の描写は、われわれ(日本人)から想像もできないほどの大人な社会に見えた。のだった。
ただしこのシーンはルイがゲイであり、妹がそれを知っていることを示唆していた。と思われる。ルイの病がHIVだということもなんとなく暗示していた。のではなかろうか。(じっさいのところはわからないが。)
(またルイのゲイはさいしょの兄嫁との会話で「あなたもいずれ子供をもつ」と兄嫁が言ったときに兄アントワーヌ(カッセル)が苛立ったところと、思い出のカットシーンで、なんとなく把捉できる。と思われる。)
映画は、憎しみを前面に押し出していながら、むしろ家族愛を語っていた。
またわれわれ(日本人)の世界にはないアンニュイがあった。
この年(2016)のカンヌで、パルムドール(第一位)はケンローチのわたしは、ダニエル・ブレイクへ行ったがグランプリ(第二位)をこれがとった。
なおルイ役ギャスパー・ウリエルは夭逝した。
『2022年1月18日、フランス・サヴォワ県のスキー場でスキー中の衝突事故に遭いグルノーブルの病院に搬送されたが、翌19日に死去。37歳没。』
(ウィキペディア、ギャスパー・ウリエルより)
【初見時にはグザヴィエ・ドランは、難解な領域に足を踏み込んだなと思ってしまった作品。だが、その後見返すと見事なる家族の葛藤を描いた作品であると思った作品である。】
ー グザヴィエ・ドラン監督が「家族」をテーマに新境地を開いた濃密な会話劇。フランスを代表する実力派スターが共演し、感情を激しくぶつけあう演技合戦を繰り広げる。ー
■「もうすぐ死ぬ」と家族に伝えるために、12年ぶりに帰郷した人気作家のルイ(ギャスパー・ウリエリ)。
彼の長きに亘る不在に慣れていた家族の戸惑いと喜びと怒りを、長兄アントワーヌを演じるヴァンサン・カッセル、その妻カトリーヌを演じるマリオン・コティヤール、妹シュザンヌを演じるレア・セドゥが、夫々の立場で、ルイに対する想いを表明する。
久しぶりに家族で食卓を囲みながらも、ひたすら続く意味のない会話。
ルイはデザートの頃には自身の境遇を打ち明けようと決意するが、兄アントワーヌの激しい言葉が頂点に達した時、それぞれが隠していた思わぬ感情がほとばしる。
◆感想
・初見時には、豪華絢爛なスターが集まりながらも、散漫なイメージがあった。
・だが、「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」が公開される前に今作を見返すと、そのイメージは覆った。
・家族の中で、ゲイとして名を上げながら音信普通だった男が久方ぶりに実家に帰ってきた時の家族それぞれの想いがキチンと描かれていたからである。
・特に、長兄を演じたヴァンサン・カッセルの苛立ち振り、妻を演じたマリオン・コティヤールの抑制した演技。素直に兄の帰還を喜ぶ妹シュザンヌを演じるレア・セドゥの姿は見事である。
<母、マルティーヌの息子が久方ぶりに帰ってきた理由を問わずとも、その哀しき意味合いを理解する態度。
ルイが、最後まで自身の境遇を言い出せずに、実家を長兄から追われるように出る姿。
これは、私見であるが長兄アントワーヌは、ルイが久方振りに戻って来た理由を母と共に、薄々感じていたのではないか・・。
そして、その事実を受け入れ難いために、敢えてルイに対し、粗暴な言葉で追い出そうとしたのではないか・・、と思った作品である。
ルイ=グザヴィエ・ドラン監督に見えてしまったのは、私だけであろうか・・。>
まぁ、そんな単純な話ではないよね
字幕を延々読まされる二時間。
私の世界の終わり
私の世界は終わります
でも、周りの人の世界は続いていき
過去から未来へと継続される流れは、変えたくてもなかなか変わらない
人生の転機をきっかけに話して理解を得たいが
話すことすら難しいそんな家族の関係性で
結局話せずに終わる
話せていたらお互いにもっと理解し労り合う事ができたのかもしれないが
現実は無情でそれを許さない
関係性を描くのに会話にちょっと頼りすぎかな?
って少し思った
キャストは悪いと思えないので脚本がもうちょっとだった感じがする
タイトルは色んな事を想起させて面白かったんだけどな
タイトルなし
フランスの豪華キャストが出演するが、死を告げるために久々に故郷に帰ってきたが母、兄夫婦、妹はいがみ合い、まともな会話ができず、ラスト迄言い出せない。そのもどかしさがあまり特徴的に表現されておらず、いがみ合いだけがうるさく残った。
オープニングの歌が全て
好きな映画
自分の事ばっかりの家族
すぐに怒りの沸点に到達する兄と妹。
引っ込み思案の兄の奥さん。
同じ話しを何度もする母。
今まで家族に無関心だった主人公。
物語は主人公ルイが自分の死期が近くなり長年会ってない家族に会いにいくが、中々話せずに他愛もない話しや感情のままに怒り狂うケンカに発展したりと死期が話せない。
そりゃそうでしょ。ずっと無関心だったくせにいきなり帰ってきたなら、何かあるだろうと勘繰るのが普通。
喋らせまいと残された家族も必死にもなります。
ルイも優しそうな雰囲気だが、実家のマットで思うのは昔の彼女と自分の事。家族の思い出は?
そんな家族無関心男がいきなり帰ってくるんだから、兄は怒りのボルテージマックスでしょう。
ルイとアントワネーヌのドライブはルイが家に到着前の空港の話しをするけど、アントワーヌには響かず。
今まで家族をほっといて今朝の話しをされても怒りの沸点低いアントワーヌにはグツグツに煮えたぎった怒りをぶちまけるだけ。
その後の家族の前でのアントワーヌの思いの吐露。
そして、色んな壁にぶち当たり1人孤独に死にそうな小鳥。主人公は自分と重ねたのかと思います。
いやぁ、演技合戦がすごいですね。
名優揃いで特にアントワーヌ演じるヴァンサンカッセルはすごかったなぁ。
あんな扱いづらい人にみえますもんね。
全編を通して顔のアップも多く、演者さんの表情、特に目で何かをメッセージを残してるような演技は皆さん素晴らしいですね。
重たい映画で見終わった後にはズーンとなったりしますが一見の価値ありです。
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