フィッシュマンの涙のレビュー・感想・評価
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コメディと思って観るのは間違い
てっきりのんびりとしたコメディなのかと思って
観始めたら、予想外に鬱展開。
もはやこの世の中は生きる価値が無いのではないかと
思わせるような、
人を人とも思わないクソ野郎ばかりで、
エレファントマンにしては本家エレファントマンはまだ
人間への希望があったものの、
こちらは中には完全に欲に染まってない人も
たまにはいるよ、程度。
観終わってあたたかい涙は流れないし
殺伐として冷え切った心から
回復が困難だ。
人を人たらしめているものは何なのだろうか?という
哲学的なことを訴えたいのかもしれないが
ちょっとそこまでは自分には受け入れ幅はなかった。
世間は厳しい、ハートウォーミングなんて世迷言だと
言い切って、救いのない物語がお好きならば
この作品は気に入るかもしれない。
原題は「突然変異」
内容からして「シェイプ·オブ·ウォーター」に影響を受けたのかと思ったら、なんとこちらが先でした。
原題は「突然変異」。
タイトルの通り、魚人間になった青年を巡り、人々が変わっていく様を描いています。
にもかかわらず、なんでフィッシュマンうんたらなんていう邦題をつけちゃったんでしょう。
面白いのが、魚に変わった青年を「생선인간(センソンインガン=生鮮人間)」と呼んでいるところ。
韓国では、ただの魚は「물고기(ムルコギ)」と呼び、食用の魚を「생선(センソン)」と言って区別します。
また、センソンと言うと、たいていは死んでいる魚イメージします。
もうちょっと付け足すと、釣りに行ったり水族館にいるのはムルコギですが、人がその魚を「食おう」と思った瞬間「センソン」になります。
彼は自らセンソンインガンと呼び、周りの人間もセンソンインガンと呼びます。
誰一人ムルコギと呼ぶ人はいません。
つまり彼は最初っから人に食いものにされる存在として描かれているわけです。
ただの魚じゃないんです。人に食われる魚なのです。
韓国人の行動パターンをうまく描いた作品で、まあまあ面白みのある映画だとは思いますが、この魚人間の彼の姿のベースはどう見てもフナや鯉(ヒゲはないけど)で、マグロのような海水魚ではなく、海では生きられない淡水魚のようなのです。劇中も(飲料)水を欲したり、ただの水を吹きかけたり水風呂に浸かったりするわけですから、どうも淡水魚なわけです。
そんな彼がラストで···。
う〜ん、丁寧に物語を描いて来た作品なのに、最後がどうも腑に落ちないツメが甘い終わり方だったのが残念です···。
超社会派ドラマ。魚男になってしまったことを観てるよりも、自分に重ね...
超社会派ドラマ。魚男になってしまったことを観てるよりも、自分に重ねて自分の身に起きている不幸事のように解釈してみると怖くてたまらなくなる。
事実かどうかなんて関係ないし、一個人がどうあがいても大きな力の前には何も出来ない。
こんなラストが用意されているとは思わなんだ。
いい意味で思っていたのと違う!裏切られた!
ストーリー自体はよくある設定。
しかし、人間が魚男(フィッシュマン)になるというこの斜め上な設定。
韓国だけに限らない国・企業・学歴・貧困・雇用の問題等が描かれており、登場人物の20-30代の人には特に響くのではないか。
そしてこんな斜め上な設定なのに、途中からフィッシュマンが愛おしくも感じてしまう。
悪は何なのか。正義とは何なのか。
そしてフィッシュマンの選ぶ道とは。
フィッシュマンという斜め上な設定だが正統な社会派ドラマ。
よかった
今年最後の映画鑑賞。
年末の午前中ということもあり三割程の入り。
特に大きな盛り上がりはなく淡々とドラマは進むが、ブラックユーモアが効きわるくはない作品。
韓国事情を反映しているので、あまり感情移入はできない。
今年最後なので、前から思っていることを言うが座席がガラガラなのになぜ隣に座ってくるのか?
満席ならしょうがないが、今日みたいなガラガラの日だったら隣に人がいない席をとるだろうが!
前列に一人しか座ってないからよっぽど前に移ろうかと思ったが面倒くさくてやめたが、こんなこと思っているのは自分ひとりなのか!?
いつも疑問に思う!
とにかく発想が面白い。
製薬会社の臨床試験の影響で魚人間になってしまう、というお話。人魚姫のように尻尾ならまだよかったのに…。
いいように晒し者になってしまう魚人間と、貧富の差と学歴の差にいつまでもさらされる韓国社会の現実を見せられながら、その中で自分の居場所をどう見つけるか、を教えてくれる結末でした。
しかし、よくできた魚顔。気持ち悪いつつ、人間らしさもよくでている。
ラストの海のシーンがとっても救いになる結末でよかった。
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