愚行録のレビュー・感想・評価
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嫌な奴しか出てこないイヤミス映画
とにかく登場人物がほぼ嫌なやつしか出てこない。惨殺された感じのいい夫婦と評判の二人について主人公が調べていくうち、女癖が悪く野心的な夫の過去や、向上心が強く他人を踏み台にしてきた妻の学生時代などが浮かび上がり、主人公と妹も虐待を受けていた子供時代が明かになっていく…。
元々の原作も緻密な構成のミステリーと聞いてたけど、それを上手く映画として再構成したなという印象。主演二人の怪演など、役者陣の演技も良い。ただし過去話の、特に学生時代のシーンが多く、それを現在と同じ役者が演じてるので、学生にしては年取ってない?っていう違和感は正直あり…。
ただその辺の作りの粗さを考慮しても、傑作イヤミス映画と呼んで申し分無い面白さ。ポーランド国立映画大学出身の石井慶監督はこれが長編初作品らしいけど、そうとは思えないほど、カメラの動線のシーンの繋ぎの巧さ、印象的なショットやローアングル、音楽の効果…映画として非常に丁寧な作りだった。
ミステリーが好きな人、イヤな気分に落ちたい人には、自信を持ってお薦めできる映画でした。
俳優陣がすごい
この映画の場合、「後味悪い」は俳優陣への褒め言葉でしょう。
明確な悪意を持っている人間のほうが物語としては理解しやすいですが、そういう単純な人物は登場しません。
だから難しいと思うんですが、微妙な感情やエピソードを表現するのがどの出演者も自然で上手すぎ。
いい暮らしがしたいとか軽んじられる人間にはなりたくないとか、自分が可愛いから多少後ろめたくてもとか、観ていてつい「仕方ない」と思ってしまいそうになります。
ストーリーは意外とあるようで無かったです。
人間の愚かな行いを描くための設定を、少しずつ出していく感じで進みます。
感想を引きずりそうな予感がある方は、誰かと一緒に観て、食事でもしながら発散することをおススメします。
殺されたのは成功者?
特に観る気もなく、たまたま残業帰りにやっていたという、消極的観賞。
決めては満島ひかりとダーク調の画が良さげという事。
大学生の描写としては皆、ハツラツさに欠けていたような。
実際の惨殺描写が少ないのが良いところ?
親になると、子まで殺すことないんじゃないの?と、作り事ながら思ってしまうが、具体的描写がないのは許せる。
ダーク調の画は良かったが、学生がチャラチャラやっているところは、もうちょっとヒラヒラしたライティングが良かったかも?
土地開発を目指す男の住居としては、随分殺風景と言うか安っぽいと言うか?まぁ絵空事のような家族の死に場所として、的確な描写だったのかも。
まぁまあ楽しめた。
兄貴、事情を知っていての行動なら、ちょっと怖い。
愚行、、録、?
人の愚かさ
演技派揃い
なんでだろ
引き込まれる映画だった。
人は等しく愚かで残酷である。
確かに訪れる3度の衝撃。人間の愚かさを詰め込んだミステリー。
【賛否両論チェック】
賛:様々な登場人物の様々な言動によって、人間の醜い部分が多角的にむき出しにされていくようで、思わず考えさせられる。ミステリーとしても秀逸で、次第に明らかになる真実にも驚かされる。
否:ミステリーだが雰囲気や展開はかなり静かなので、油断していると眠くなりそう。後味もかなり悪い。
「仕掛けられた3度の衝撃。あなたの日常が壊される。」
というのがキャッチコピーですが、それに違わないミステリー特有の驚愕の真相が明らかになり、静かな中にもハラハラさせられます。
1年前に起きた一家惨殺事件を追う記者。彼が接触する関係者達は、皆他人のあざとい一面を暴露し、結果として他人を貶めていきます。そんな証言の連鎖の果てに、人間の愚かさやおぞましさといった醜悪な部分が露になっていくようです。
またストーリーの本筋以外にも、バスの中でお年寄りに席を譲らないことを注意された主人公が、わざと足が不自由なフリをしたり、飲み屋で渡された相手の名刺の上に、無意識のうちにジョッキを置いたりと、日常にありふれた人間の浅はかさが随所に切り取られ、考えさせられる部分があります。
雰囲気はかなり淡々と進むので、やや退屈してしまうかも知れませんが、人間の本性をまざまざと見せつけられる、そんな作品です。
石川慶
虚栄
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