劇場公開日 2017年5月20日

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「前半のクソは後半の見事な伏線」皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0前半のクソは後半の見事な伏線

2017年6月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

泣ける

笑える

決して良い子には見せることができない、エログロな表現が満載な作品だったけれど、感動してしまった。
永井豪は非常に好きだが、鋼鉄ジーグのオリジナルは全く知らない。実際にジーグもダークヒーローなのかどうか知らないけれど、永井豪作品に数多く存在するダークヒーローは気に入っているわけで、この映画においても、そのダークヒーロー愛を非常に感じるところ。しかも、そのダークっぷりというか汚れっぷりは本家を超越している。その汚れさ加減にうんざりする前半は、はっきり言って退屈極まりない。しかし、その前半の忍耐は、後半、想像を超える歓喜へと昇華された。
決して細部が洗練された話でもないし、唐突なところも少なくない。それでも画面に引きつけられてしまうのは、意図的にビジュアル的な美しさを廃除しようとしていたところにあった。ヒーローもヒロインも決して容姿に長けているわけでもなく、申し訳ないけどヒーローものならば間違いなくすぐにやられてしまいそうな男と女…しかしその醜さが美しく見えてしまった瞬間、思わず涙が溢れてしまった。
悪ふざけな面は大いに感じるけれど、何かしら考えさせられるところもあるわけで、その志は意外と高い作品なのでは?と深読みもできる。
音楽も良かったし、非常に好きな映画だ。

SH