飯舘村の母ちゃんたち 土とともに

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飯舘村の母ちゃんたち 土とともに

解説

福島第一原発の事故により、仮設住宅暮らしを余儀なくされた2人の女性が、泣き笑いながら、たくましく生きる姿を描いたドキュメンタリー。地元・福島県飯舘村で孫に囲まれて幸せに暮らす、ごくありふれた老後を考えていた79歳の菅野榮子さん。しかし、原発事故により飯舘村は全村避難となり、ひとりで仮設住宅での生活を余儀なくされる。榮子さんの心の支えとなるのは、隣に移ってきた友人の菅野芳子さんだった。冗談を飛ばしあい、互いを元気づける2人が、仮設暮らしの中でこれからを模索していく。監督は30年近くパレスチナの取材を続け、女性や子どもに焦点をあてた「ガーダ パレスチナの詩」などを手がけた古居みずえ。

2016年製作/95分/日本
配給:映像グループ ローポジション
劇場公開日:2016年5月7日

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(C)Mizue Furui 2016

映画レビュー

4.0土とともに

2017年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

知的

いまは仮設住宅に暮らしているお母ちゃんの物語だ。
ふたりとも、飯館村の大きな家に、孫たちと一緒に住んでいた。
だが、3.11以降は9坪くらいのスペースで独り住まいである。
彼女たちにも選択肢があるにはある。
①飯館村のもとの家に帰る(この3月末に避難解除される)。
②息子、娘夫婦に家の世話になる。
③このまま仮設住宅に残る。
でも、お母ちゃんたちは思案中である。決めきれないのだ。
それはそうだろう。
飯館村に帰ったとしても、昔の村ではないのだ。
人の声もまばら。ましてや、子供たちの声はしない。
大きな家にひとりぼっちの生活があることが見えている。
息子や娘の世話になって都会に引っ越す?
そう言ってくれてはいても、それはほんとうに言ってくれてはいても。
息子たちの家族のなかに80歳の田舎のおばあの私が入っていって、ほんとうに幸せなんだろうか。自分自身、ことば使いやふるまいに気をつけて生活できるのだろうか。そんな疑問が湧いてくる。
それならば、小さな仮設で自分自身が生かされていることを学んだほうがいいのではないか。
随分、冷たい客観的なレビューのような気がする。
だけど、そうではないのだ。そう思っている。
仮設のある近くの土地で農業をやっているとき、すべてを忘れる。
体を使って、頭を使って、声をかけて作物を育てる。
大根を、人参を、菜っ葉を、枝豆を。
種をまき、水をやり、肥料をやって、育てる。
そして、収穫。その作物をおいしく頂く。
そんなときはこれからの自分はどうなるんだろう?
という恐怖と不安からすこしだけ解放されるのだ。
土と、太陽と、すこしの自分の努力によって解き放たれるのだ。
だから、選択肢は検討中、思案中なのだ。

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