劇場公開日 2017年4月21日

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「『2010年メキシコ湾原油流出事故』」バーニング・オーシャン かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0『2010年メキシコ湾原油流出事故』

2025年1月26日
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鑑賞方法:TV地上波

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2010年メキシコ湾原油流出事故における、事実ベースの映画化。
原題は『ディープウォーター・ホライズン』
2010年4月20日22時ごろ、掘削用のパイプを海底に貫入した際、炭化水素層からの急激な吹き出しが発生。
気化した可燃物に引火して爆発火災が起こりました。
このプロセスに関して、この映画ではあいまいな映像演出で事故原因が判りにくく、それを批判する向きもあるとか。
この事故で掘削リグ「ディープウォーター・ホライズン」作業員11名が死亡、17名が重軽傷を負いました。
BP社といえば、言わずとしれた石油業界のスーパーメジャー。
作中のとおり、安全管理がゆきとどいていたとされていた企業で、それだけにこの事故による衝撃は大きかった事でしょう。

アメリカ最大の原油流出事故となったこの事件。
メキシコ湾全体の環境汚染がひどく、数年にわたって生態系が甚大なダメージを受けました。
BP社はイギリスの会社。
当時のCEOトニー・ヘイワースが、危機対応で口にしちゃいけない発言連発しまくって、こちらでも大炎上、事故の半年後に退任となりました。

逆にアメリカの石油会社オキシデンタル・ペトロリアムが、イギリスの北海油田パイパーアルファでも爆発事故を起こしてます。
こちらは167人死亡という、海上油田における最悪の事故として、今なお多くの教訓を残しています。

いずれにも言えるのは「安全文化」の欠如。
化学事故の多くは、この映画にもあったような作業員の危機意識の摩滅や、上層部のコストカットなどによる安全軽視が原因とされています。

事故は必ず起こるもの。
せめてそこから教訓を得て、今後に活かしてほしいと、心から願わずにはいられません。

かせさん
Bacchusさんのコメント
2025年1月27日

事実を知らしめるという意味ではとても良かったんですが、ドラマチックさが空回りしていた印象です。

Bacchus
マクラビンさんのコメント
2025年1月26日

事故は必ず起こるもの。
その通りですね。日々の仕事でもあてはまりますね!

マクラビン