聖の青春のレビュー・感想・評価
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圧倒される。命懸けで挑み続けた勝負師の半生。
【賛否両論チェック】
賛:病と闘いながらも、自らの命を削ってまで将棋の世界で戦い続けた主人公の姿が、時に痛々しく、時に凄みをも感じさせる。
否:展開はかなり淡々と進むので、興味がないと眠くなりそう。将棋の試合内容のスゴさそのものも、あまり伝わっては来ない。
 “怪童”と呼ばれ、その将来を嘱望されながらも、重い病に苦しめられ、それ故に次第に偏屈になっていってしまう主人公の葛藤が、淡々とした中にも切なく描かれていくのが印象的です。
 同時に、そんな彼が文字通り命を削りながらも、“将棋”という命懸けの勝負の世界に身を投じ、迫り来る命の終わりと共に戦い続ける姿には、鬼気迫るものを感じます。そしてそんな彼と対峙し、真剣勝負をし合ったからこそ生まれた、羽生善治とのライバル故の絆にも、また考えさせられるものがあります。
 展開は淡々としているので、思わず眠くなってしまうかも知れませんが、勝負の世界に生きた1人の男の生き様を、是非ご覧になってみて下さい。
二人の演技に努力賞
将棋にはそれほど詳しくなくても、羽生善治が7冠を独占し、それまでの谷川名人らを一挙にゴボウ抜きして「羽生世代」が登場してきた事くらいは知っている。
村山聖は、そんな羽生世代の中でも異色の存在で、風貌もさることながら、存在感があったことは覚えている。そして、若くして亡くなった村山聖を描いた原作は、連載時からそれなりに話題となり、筆者も単行本化された際に読んだ。
そんな筆者からすると、映画化された本作は、もう一つの出来だった。1度だけの視聴だったので的確なことが言えないのだが、村山聖の人生を描くには淡々としていた印象だ。否、ストーリーは決して淡々としてないが、どうにも物足りない。
一方で、主演の松山ケンイチと、羽生善治を演じた東出昌大の役作りは、なかなか努力したなと好印象を持った。役作りという点では、必ずしもモノマネ的にする必要はないのだが、これはこれで一つのアプローチだし、村山と羽生の特徴はよくつかめていた。
そんな二人の役作りや、周りの助演者たちの演技は評価したい。
マツケンの安定感の安心感( ̄∇ ̄)ノ
伝説の将棋士、村山聖の伝記の実写化を実力派松山ケンイチの主演とあって、鑑賞しました。
感想は普通に面白いです。
原作の漫画を読んでましたので、あのお話を2時間にどうまとめるかが気になりましたが、子供の頃に将棋に出会った話などはバッサリと切ってましたが、それはそれで良かったかなと。
圧巻は20kg増で村山聖を演じた松山ケンイチさんの変幻自在さ。いろんな作品に出演されてますが、どんな役にも合わせて来る、ある意味形が無いのが彼のスタイルで、それが安心感に繋がります。松山ケンイチが出演しているだけで、作品にハズレが無い様に感じるのは彼の今までの演技の積み重ねの功績だと思います。
また、羽生善治役を演じた東出昌大さんの羽生っぷりは見事です。
ただ、将棋に真摯に向き合うが故にワガママに振る舞っている様に見える事や、死への葛藤からの焦りや行動に対する内面のフォローやしぐさ等の描写が薄いのが痛いです。これでは、ネフローゼを抱えていて、常に死に恐怖していてもその道のプロは将棋以外はグータラで生活や服装、言動、行動もだらしない様に見えてしまいます。
まあ、普段の生活も確りとしている羽生名人との対比は面白いのですが。
また、もう少し、師匠の森役のリリー・フランキーさんに焦点を当てて、師匠から見た村山聖を見せても良かったかなと思います。
将棋や囲碁、カルタと昨今は日本古来の遊戯文化がブームですが、どの道においても、その道のプロになると言うのは平坦な道のりでは無いと思います。
死を感じながらも、道を全うした村山聖と言う青年の生きざまを知るだけでも、この映画を観る価値は有るかと思います。
迫力と緊迫感のある良作
娯楽作
鹿児島の駅ビルで見て来ました。
感想
あれでは病気になるよ。
食事はチェーン店の牛丼ばかり。おかしにもこだわりがあるようだ。おまけに酒は浴びるほど飲む。これでは体調悪くなるし、病気も進行する。「僕は、体が弱い。だから、運動ときちんとした食生活だ。」と、気を付けていたなら、もっと長生きできたのではないか。
主人公のお友達は、引退を考えた対局で小学生相手に負ける。途中、鼻血が出(なんで鼻血が出るんだ?、知恵熱のようなもの?)散々な結果だった。
僕はNHKでこの棋士のことを知った。
「羽生を苦しめた男がいるよ。でも、病気には勝てなかったんだ。」「よし、それを映画にしよう!」となり、映画化されたんだと思う。しかし、その肝心の主人公の映画中の描き方が、「病気になる」→「若くして他界」と、ただそれだけだった。反対に映画のストーリーとして面白かったのは、お友達の将棋人生だった。
やり方によっては、もっと面白い作品、訴えかける作品にできたのではないか。エンドロールが出たとき、「ふーん」と思うだけのただの娯楽作になってしまった。
静かな感動
松山ケンイチの気迫
よかった
吉野家推し
あそこまで吉野家推ししてる映画なら、タイアップ企画でもやればよかったのにね...(映画の半券で味噌汁とタマゴサービスとか、吉野家で映画の割引券配るとか...)
映画の内容自体がイマイチだったから吉野家が断ったのかな!?!?
原作未読なのでわからないし、本人の史実はともかくとして、映画としての本作は面白くない。
これだけの実話ベースの人物伝なのだから、もっとそれぞれの内面を描く作品に出来たのではないか!?
松山ケンイチにあそこまでの役作りをさせておいて、あんなレベルの映画ではマズイのではないか!?!?( あれ、CGじゃなく、本当に役のために太ったんですよねえ!? )
単なるコスプレ俳優ではなく、役柄に自分を寄せていくタイプの怪優。
彼の役者魂が浮かばれない駄作になってしまっている。
東出も頑張って羽生に似せてはいるが、どうもアノ白々しい「演技してます!」というオーラ全開の顔がイマイチ浮いてる感あり。
強敵と書いて(とも)と呼ぶ。
将棋は遊びでやっている程度で入れ込んだことは無い。
なので素人ともいっても良いが、ここでは誰でも知っている羽生善治を通して将棋が「殺し合い」として描写されている。演じる東出昌大が羽生を完璧に自分のものにしているから彼の一挙手一投足を見ているだけで将棋を知らなくてもわかるのだ。
そして「死ぬほどくやしい」の台詞に妙な色気でグッとくる。その羽生がクライマックスで聖が不覚にも投了してしまったときにそっと涙をぬぐう姿が逆に聖のくやしさを表していて、その複雑な感情が観ている自分にもよくわかる。
そして、二人が見えるモノが何であるのかは知らないが、見とどけた気持ちにもなるのだ。
なぜ僕達は
凄い良い作品だった。
主役が、ここまでの決意を持って臨んだ理由がよく分かる。
天才・羽生善治と渡りあった男。
分かち合えた男。
物語としては申し分ない。
主役の役作りが物凄く綿密で…まるで聖が生きていたかのようで唸る。
死生観や、勝負の世界に棲息する覚悟や、その中でさえ戦友なのか仇なのか…それでも共有する絆とか。静かに、何も特別な事ではないかの如く語られていく。
最後の対局で見せた羽生の涙が、とてもとても印象的であり、この物語の終焉を告げていた。
良い映画を観せてもらえた。
人が最も幸せである時それは「何かに集中している時」との記述をどこかで読んだ。
この聖を観て、そうかもしれないと思えた。
目の前の一手以外は考えなくていい。
それに埋没してられる時間がどれほど幸福であるのか…そんな時間が持続していく事がどれほど幸福であるのか…そう思えたからだ。
冒頭、対局の合間にハイスピードのカットが差し込まれる。
同じ1分、同じ10秒のはずなのに…棋士とそれ以外とでは密度が違うのだと感じるとても優れた編集だった。
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