「さよならアスガルド。ストーンはどこいった?」マイティ・ソー バトルロイヤル Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
さよならアスガルド。ストーンはどこいった?
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を繋げる重要な作品である。アベンジャーズは、あまりに大風呂敷を広げすぎて、"どうなっちゃうんだろう"と心配していたが、ジョイントパーツとしては大満足である。
そのぶん、単体の映画としては成立していないし、初心者にはまったく楽しめないかも。過去作を要・復習である。17作品もあるけどね。
"宇宙活劇モノ"(「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」)と、"神話モノ"(「マイティ・ソー」)、そして地球での"戦争/SFアクション"(「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」「スパイダーマン」etc.)との世界観ギャップが、いよいよ埋まりはじめている。
散らかしまくった伏線の回収をしながら、人気がありすぎてなかなか殺せない"ロキ"と、主人公"ソー"とのお約束事を踏まえつつ、MCUキャラ的に置き去りにされそうだった"インクレディブル・ハルク"を救い出し、実に上手にまとまっている(代わりに浅野忠信は殺されてしまった)。
オマケに"ドクター・ストレンジも忘れないでね"と付け加えているところもナイスプレイ!
原題はラグナロク(Ragnarøk:古代ノルド語で、"神々の運命")で、神の国の終末を意味していて、"バトルロイヤル"なんていう安っぽいタイトルではない。
最強の敵、死の神ヘラ(Hel/Hela、要するにHell=地獄)の登場で、ドラゴンボールばりに誰が最上位か、わからなくなってきた。やっぱり"サノス"なんだろうね。
そのヘラ役に、最強の女優ケイト・ブランシェットをキャスティングしたのが凄い。現実世界でも"ジャスティス・リーグ"とのハリウッドスター争奪戦が激しさを増している。
MCUの裏のスジ、最強の武器"インフィニティ・ガントレット"を手に入れる6個のストーン(原作ではジェム)のくだりは、今回はあまり進展しない。序盤でソーが探しているのは6つ目のストーンかもしれない。それどころかストーンのひとつ"テッセラクト"がアスガルドに保管されていたはずだが、ええっ?さよならアスガルド・・。
解決した部分と、謎が深まった部分と、楽しみは相半ば。いやぁ面白かった。
(2017/11/3 /ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:林完治)