「怒り」スター・ウォーズ 最後のジェダイ uso800さんの映画レビュー(感想・評価)
怒り
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ルーカスが作り上げたこれまでの世界観・思想の完全さを、完璧なまでに無視し、ぶち壊した。スターウォーズの世界観・思想とは、人間一個人を地球上の自然と一体と捉えるアジア、特にインドを基盤とした思想に、善悪二元論的なキリスト教的世界観を組み合わせた、非常にユニバーサルなものだった。瞑想とライトセーバーはまさにその象徴だった。この枠組みが完全に無視され、蹂躙されている。
また、本来アメリカ人が最も忌み嫌う論理的矛盾も至る所にあふれている。特にスノーク・レン・ルークの力関係(フォース含めて)には大きな矛盾がみられる。レイアがあんな感じで生き延びれるなら、オーダー66でジェダイの大半が死ぬなんてことにはならない。等々数え上げればきりがない。
さらに、説明できていない事実関係が多すぎる。スノークやレイの出自、カイロレンのレンの名前が示す意味、二人一組のシスを一人だけにした意図等、全て次作でクリアするのなら評価するが、あまりにも多くの宿題を放置した作品だ。
オバマからトランプに変わったアメリカのどうしようも無さを象徴する作品、かつスターウォーズの名を語る二流のSF映画だ。
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