「旧3部作からのファンです」スター・ウォーズ 最後のジェダイ USKさんの映画レビュー(感想・評価)
旧3部作からのファンです
★1以下をつけるほど低評価をする方はきっと、唯一無二の特別な作品だからこそ自身が求める完璧さじゃないと気がすまないのでしょうか。
個人的に、映画としては楽しめる内容だったと思います。一緒に行ったSTAR WARSをあまり知らない友人も珍しく「結構面白かった」と言っていましたので。
マイナス点から書きますと、今回一番目立ったのはなによりフォースの描き方についてでしょう。
かつてフォースは
・物を動かしたり
・思念体として死してなお留まったり
・(極めてフォースの強いものだけ)遠くの出来事を感知したり
・稀に、特定のつながりがある人とおぼろげに交流できる
発現されるときはそういったものだと記憶していますが、
今回はそれに加え
・宇宙空間で生き延び、かつワープできる
・特定のつながりがある人と頻繁に、かつ鮮明にコミュニケーションを取れる
・極めて遠い場所に鮮明に自らの姿を投影できる
と、かなり飛躍した表現となりました。
これは、昨今の映画表現では当たり前なのかもしれませんが、STAR WARSの根っこであるフォースの元々の性質と比較するにかなり乱暴な印象を受けます。ルークが最後に使ったフォースの投影は納得できますが、レイアの復活シーンやレイとベンの頻繁なやりとりは、フォースという曖昧なものをあまりに鮮明に描きすぎていると感じずにはいられません。
ベンとレイのやりとりは次のEP9での直接対決への布石でしょうから、それはそれでわかるのですが、(レイアのシーン含め)もう少しうっすらした姿で描いてほしかったです。フォースが過去作と比較し飛躍したものになり万能すぎます。
それ以外は私個人的には良かったと思います。
ルークは元々ああいうキャラでしたから、ベンが悪の道に堕ちるきっかけを与えてしまうこと、そしてそれを卑屈にとらえ隠居することも納得できます。伝説に謳われるジェダイなど存在せず、彼はフォースの光の面を使い闇と戦ったひとりの青年でした。それを思い起こさせるような描写は、よかったと思います。
また、スターシップでのボルド女史の特攻シーンやスノークの取り巻きとのライトセイバーでの戦闘、(あっさり撃破されていく感はあるものの)宇宙空間での飛行戦闘シーンはシリーズへの期待に応える出来栄えだったと思います。
フォースの覚醒と比べると違和感は各所にありましたが、STAR WARSを見たというだけで、満足はしています。
ただ…ちょっとアメリカ人の悪いところが出たというと怒られるかもしれませんが、表現が直接的過ぎましたね。加えてお世辞にも美人とは言えないアジア女性の最後のキスも、ドアップでみる映画館ではげんなりです…そんなこと作成時にわかりそうですが、このシーンが実現したのも、背後に映画業界のダークサイドの力が働いているからですかね。という下衆の勘繰りをせずにはいられない後味の悪さを残しました。
前回は古くからのファンを大切にしていた印象ですが…次回はSTAR WARSの設定や世界観を丁寧に踏襲してもらえることを祈ります。