劇場公開日 2017年1月21日

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「暗い影を背負う、表と裏の顔を持つ男!」ザ・コンサルタント サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5暗い影を背負う、表と裏の顔を持つ男!

2017年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

依頼者に親切な凄腕会計士という表の顔を持つ一方で、マフィアたちの資金洗浄を手助けする『あの会計士』。しかし彼のもうひとつの顔は暗殺部隊顔負けの凄腕ヒットマンだった!

というめちゃくちゃかっこいい映画。なんだこの設定は!盛りすぎではなかろうか!しかしそれで面白いんだからまたすごい!
まあ、結構立たないと凄腕ヒットマンの顔は出てこないんだけど。片鱗は見せているけれど、それでも顔色変えずに最短で相手を仕留めていく様に匹敵することはない。とにかく暴れだしてからは言葉で言い表せないほどにかっこいい。

もちろんドラマパートもある。「ザ・レイジ」のように開幕10分で暴力×暴力×暴力というアクション全振り映画ではない。いや、それでもかっこいい映画には仕上がっただろうけど。
ドラマパートでは会計士の人となりをたっぷり描く。だからこそ、最終決戦が少し拍子抜けっぽくっても納得できる。なぜ戦いに身を投じたのか、なぜ闇に生きるのか、なぜ捜査官たちは彼を捕えるのをやめたのか、すべて腑に落ちる。
結局、これは会計士にまつわる事件を描いた映画ではなく、会計士の人生の一部をちょっとだけ取り出して観客に見せているだけなのだ。色々と事件は起こって解決に乗り出す人はいるが、解決…というか円満に終了することができたのは会計士ひとり。他の人は、なんというか、諦めたりもやもや思いを抱えたりしたままラストを迎えた。そんなように見えた。

まあ、タイトルが「ザ・コンサルタント(原題"the accountant")」だからそれでいいんだけどね。観終わってからやっと「事件解決してねえ!」と思ったくらいだし。とにかくかっこよかった。

サブレ