「俳優”ベン・アフレック”、会心のキャラが誕生」ザ・コンサルタント Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優”ベン・アフレック”、会心のキャラが誕生
まいったね、素晴らしい。脚本を書かせれば、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(1997)だし、監督すれば「アルゴ」(2012)だし、仮面をかぶれば、"バットマン"の、ベン・アフレック最新作にして傑作。痛快である。
マット・デイモンの"ジェイソン・ボーン"や、トム・クルーズの"ジャック・リーチャー"に並ぶ新キャラ、"クリスチャン・ウルフ"の誕生である。前述のサスペンスアクション映画が好みなら、間違いなくハマる。
主人公の"クリスチャン・ウルフ"は、原題の"The Accountant(会計士)"なので、コンサルタント(顧問)とは違う。日本では、"税理士"程度と誤解されている、"会計士"のポジショニングゆえか。公認会計士のほうがはるかにエライのにね。
"ゴルゴ13"並みのスナイパーながら、頭脳明晰の"会計士"で、ギャラは世界的な名画で受け取るという"芸術センス"も持ち、それでいて"自閉症"ゆえの完全主義者という不思議なキャラクター。世をあざむく仮の姿で生活しながら、正義のヒーローになるところがカッコいい。
そのほかの登場人物たち、ひとりひとりの設定もプロットもスキがない。超越したサバイバル能力を身につけた理由、離婚した父母のその後、一緒に育った弟の行方、謎の指令をする女性・・・映画をひっぱっていく謎の数々、そのネタすべてが面白いので、とにかく観てもらうしかない。
これは無限にシリーズ化できそうな魅力的な素材だ。日本でも俳優、"ベン・アフレック"が見直されるはず。
(2017/1/21 /TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:岸田恵子)