「冬に見たらより感動だろう」ハドソン川の奇跡 akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
冬に見たらより感動だろう
クリックして本文を読む
ようやく見る機会を得て、オンデマンドで拝聴。
巨匠クリントイーストウッドがハリウッド映画の良心と底力を見せつけてくれた傑作だと思います。
バードストライクと呼ばれる、鳥の大群がエンジンに巻き込まれる航空機アクシデントを、最小限の被害にとどめたサリー機長の判断力と的確な行動。空から鉄の塊が落ちてきても、都市部への被害は全くなく、しかも乗客は全員無事だったという奇跡。
乗員乗客155人が生き残ったことの意味はとても映画の時間内では描ききれないが、老パイロットが、自らの判断力だけを信じて最良の結果に導いたことを検証しようとする映画。尺の短さが良かった。
ラスト間近の国家運輸安全委員会の公聴会において、コンピュータでのフライトシュミレーションは、位置的には付近の空港に着陸できたという結果を導きだした。付近の空港の滑走路までエンジン停止した状態でちゃんと飛べるはずだと。
しかし、あくまでもそれは管制塔とのやりとり時間や機体の微妙な高度や位置、重さ、その他の障害、パイロットの腕の確かさなどいくつもの計算不能な要素を排除した結果なのだ。それを簡易に主張するサリー。
非常に大人の映画なので、一見地味にも見える映画のつくりになっていた。映像的なクライマックスは何度か繰り返される水上着陸の瞬間であり、155名の無事の確認が機長にもたらされた瞬間だ。
ヒーローは一人ではない、機長の言う通り、終始落ち着いていた副操縦士や、生死を分かつ混乱の中とりみださなかった乗客全員、冬の川の中に素早く救助に駆けつけたニューヨーク市警など、英雄的に動いた全員なのだ。
コメントする