「奇跡じゃなくて人と向き合った映画」ハドソン川の奇跡 poyokoさんの映画レビュー(感想・評価)
奇跡じゃなくて人と向き合った映画
せっかく素晴らしい作品だったのに、「ハドソン川の奇跡」という邦題がどうしてもしっくりこない。
劇中でも、トム・ハンクスが演じたサリー機長が、苦渋の判断で乗客の命を助け国民から英雄のような扱いをされる一方で、上からは過失責任を問われ、犯罪者のように責められていた。
英雄のように扱う人々も犯罪者のように扱う人々も決して、乗客ともども命の危機に晒された彼を人としてみていないかのようだった。
この映画の中でイーストウッドが描いているのは奇跡なんかじゃない。
窮地に立たされミスや迷いがあったとしても、人がどれだけ命と向き合い自分のなすべきことができるのか、どこまでも人間の心に向かい合った作品だった。
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