「208 seconds」ハドソン川の奇跡 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
208 seconds
記憶に新しいニュースを描いた作品。
乗員乗客全員無事でも、乗客を無闇な危険に晒したのではないかと、公聴会が開かれることに。
長年培ってきた人間の「経験」、そこから生まれる勘や決断は、方程式で計算できるものではないため、最近は軽視される傾向にすらあると思います。データ、エビデンスを基にしたあらゆる角度からの検証や考察は必要ですが、前例のない状況において、算出できることだけが正解ではないことを教えてくれた事象でした。
どんなに英断でも、着水を可能にする人間の「技術」がなければ、不可能だったのですから。
これからの時代、乗り物はどんどん人工知能による運転に取って代わられるでしょう。しかし不測の事態に、ベテラン運転手を超える判断が出来るようになるのでしょうか。
この作品ほど離陸時に緊張したことはなかったです。数えきれないほど乗っている飛行機ですが、空の旅の安全は当たり前ではないのだと、改めて思いました。
単なる時系列ではない回想録の見せ方は流石です。
全乗客の安否確認が終わるまで安心出来なかった機長の想いに感動しました。
実話モノは何かと退屈になりがちですが、短時間にまとめた無駄のない良作でした。
"A delay is better than a disaster."
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