劇場公開日 2016年9月24日

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「ちょっと不意打ちだった。」ハドソン川の奇跡 花火さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ちょっと不意打ちだった。

2016年9月24日
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 やはり近作同様、実体と虚像が解離してしまった人物を描いた映画。実際、夜の街でランニングするサリーと、白煙と光によってサリー以上に大きくなった影が同時に写るショットまである。
 と同時に、惨劇(9.11)に見舞われたニューヨークという都市を癒す物語でもある。西部劇の騎兵隊を彷彿とさせる、星条旗をはためかせながら真っ先に着水した機に向かうフェリーには感極まった。
 機長ほか乗員、乗客、彼らの家族、救出に参加した市民と行政、マスコミ、事故調査委員会。これだけ多くのアクターを過不足無く捉えながら、それでいて90分台という理想的なランタイム(このところのアメリカ映画に蔓延する風潮なら、公聴会が終わったあとでまだ映画が続いていても不思議ではない)で駆け抜けたことも素晴らしい。

花火