劇場公開日 2016年4月9日

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「珍しく邦題が秀逸。」孤独のススメ 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5珍しく邦題が秀逸。

2016年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

知的

人には勧め辛いが好作、という一本。

「失うのが嫌ならば、何も持たなければ良い。裏切られるのが怖ければ、誰も信じなければ良い」

そんな自分が辿り着いた人生の真理を、噛んで含めるような物語。
ただ、それを貫くには人間という生き物はあまりに弱過ぎるから、宗教に頼ったり、愛という幻想にすがったりするわけであったり。
だからこそこの映画が産まれるわけで…
宗教的描写は多いが、本題はそこにあらず。
誰もが抱える「永遠に満たされない心の隙間」を淡々とあぶりだしているのが心に染みた。
失ったようで実は持っている主人公、宗教的価値観で守られてはいるが実は空っぽの隣人。
そして全てから解放される代わりにずべてを失い、すべてを得るストレンジャー。
キリスト教がモチーフだが、これはもう「色即是空、空即是色」の哲学世界である。

疲れた心と、その隙間を埋めるものは何なのかを考えさせられる作品。

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レビューも書かない阿呆からのフォローは迷惑千万、好きこそモノのヘタレなれ