「アクションとしては前作を越えたけど」ジョン・ウィック チャプター2 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションとしては前作を越えたけど
公開二日目のレイトショーで鑑賞しましたが、まずまずの動員。5割程度は客席が埋まっている感じでした。男女比では圧倒的に男。まあ、デートで見に行く映画ではありませんね。
意外にも、評価高めなのは、レンタルなんかで、草の根的に、「観た」という人が劇場に足を運んだからでしょうか。観客の反応を見る限り、続編が製作される気配が濃厚に漂っていますね。プロデューサーとしては、思わぬヒットシリーズを手にして、今後、どうやって広げていくかを構想中というところでしょうか。
さて、この映画、続編をにらんでのことなのか、きちんと完結していません。1作目は引退した殺し屋のジョンが、チンピラに家を強盗され、可愛がっていた子犬まで殺されたことに腹を立て、報復をしたら、相手の父親がマフィアのボスだった。ということで、組織を相手に大立ち回りを繰り広げ、壊滅させますが、本人も大ダメージを追います。
まず、そのわずか数日後という設定のストーリーが無理すぎます。そんな数日で回復するケガじゃないって。。。例えば一流のアスリートがケガをして、復帰しても以前のようなパフォーマンスは出来ないし、それなりのリハビリ期間が必要でしょう。ジョンの殺しのパフォーマンスも、フィジカルが万全だという前提にあるはずで、冒頭の、自宅でくつろぐジョンの様子は、前作の後遺症を全く感じさせないものになっています。
で、壮絶な戦いを経て、世界中の殺し屋から狙われる立場になってしまったジョンは、愛犬といっしょに逃げ出すところまでが、今作のストーリーで、正直な感想は、「え?まだ逃げるの?だったら、初めから戦わなきゃいいじゃん」というものでした。
今後、想定される「チャプター3」は、もっとド派手な展開を予定してあるのか、それとも人物像に光を当て、深みを追求していくのか。いずれにしても、ストーリーをもう少し練り上げて欲しいところです。見せ場のための必要最低限のストーリーではなく、ちゃんとした意味のある行動と、逆転、感情の爆発を盛り込んだ素晴らしい脚本から取り掛かってほしいところです。その上でのガン・フーの発展を期待します。
2017.7.10