雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのレビュー・感想・評価
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ふつう
ウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたデイヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたデイヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたデイヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つける。それから彼の心は徐々に変わっていく。デイヴィスは脳に障害があったのだが・・・
fuck off!
いい映画
邦題が勘違い
面白いんだけど、邦題は見る前の印象を変えすぎる。
センチメンタルな映画ではない。
原題はdemolition、解体。
その名の通り、ジェイクギレンホールがいろいろ解体しまくる。
彼のヤバい表情は普通の映画では無さそうであることを感じさせるが、
やっぱりやばかった。
でも何かを思いっきり壊したい衝動は誰でも共感できるし
どういう仕組みか知りたい気持ちも良く分かる。
みんなの上手く動かなくなった心を一度思いっきり解体することも大事なんだろーな。
解体することを恐れて臭いものに蓋状態なんだろうな、と。
妻の父親とかね。
でも最後にはconstructし始めたので良かった。
ジェイクギレンホールはやはりいい俳優。
あの表情はなんとも言えない。
思考停止男の悪あがき
突然妻が死んだ。だけど僕は悲しみを感じられない。
そういう始まりです。
西川美和監督『永い言い訳』とコンセプトが似ている作品です。
『永い言い訳』がとても好きなこともあって、ちょっと比べながら見てしまいました。
こっちの残された夫は、不倫していたわけはないです。
でも妻をとても愛していたかと言われれば、微妙。
何も感じずにただ無為に与えられた日常を生きていただけの人として
描かれています。おそらく巷にあふれる思考停止を生業としたような人たちの象徴なのかなと。
同じ車に乗っていた妻が死にました。
悲しくない。
悲しくなさにさすがにがっかりして、逡巡していたら、
妻の父に言われた「分解して再構築」というキーワードを
物理的に実践してしまい、妻関係でできた人脈に腫れもの扱いされていきます。
また、妻を失った病院の自動販売機が壊れており、
m&m(チョコ)が買えない。そのやるせない怒りを何度も
自動販売機のベンダーにクレームの手紙を書くことでちょっとずつ
吐き出します。まあ、クレームっつうか、自分語りの手紙でした。
その手紙を見て心配してくれたシングルマザーとその息子と知り合い、文字通り人生を分解して再構築していく話です。
ナオミワッツが最近どこでであってもよくて、今回もよかったです。
裕福でないシングルマザーで、一人息子を愛しながら、
少し心を閉ざし気味の息子をどう扱っていいかわからなくて、
人生の心もとなさを埋めようと、あんまりふさわしいとは
いえない人(会社の強面社長)と付き合っているという設定です。
心を閉ざし気味の息子ってのは、自分が何かってことにもやもやしているローティーンなわけで、有体にいうとゲイなのかもと悩んでいるんです。かわいい男の子なんですが。彼がディヴィスになついていく過程はとても好きでした。
ラストでね、ゲイバーに行ったのかな?そこでボッコボコに殴られちゃうのね、それが辛かったです。
正直ディヴィスの逡巡よりも、ナオミワッツとその息子の方に私は肩入れしてみていました。
そして、主人公ディヴィスです。
私は、思考停止した人が嫌いなので、実生活にいたらとっても嫌ってしまい、彼の気持ちを考えることはしないでしょう。
でも、映画なので、ちょっと寄り添ってみようかなという気になりました。
美しい妻となんとなく結婚して、妻の父の銀行で一生懸命働いているけど、それだけで。もちろんそれはがんばっているからなんですが。
妻がどう愛されたがっていたか分らず、
自分が妻をどう思っているかもわからず、
妻を失ったことで、その悲劇を悲しめなくなって初めて、
これじゃいかんと破壊を始めます。
トイレを壊し、家を壊し、パソコンを壊し。
妻のドレッサーを壊していて、妻の妊娠と中絶を知ります。
そしてその理由が、妻の浮気での妊娠だったからだと知ります。
妻は自分を愛していなかったか?
いや、そうではない。妻は、ディヴィスにもっと愛されたかった。
でも夫の愛を望むように得られなくて、悲しかったのではないか。
冷蔵庫のポストイット、車のサンバイザーの裏のポストイット、それから、記憶の中の妻の様子から、妻を思い、自分が見逃してきたものを後悔し、ついには妻を愛していたことに気づき、ようやく悲しめる、というお話でした。
まあ、デイヴィスの逡巡は、さしてわかりにくいこともないのですが、
鑑賞環境が良くなくて(他人の体臭や立てる音に集中を削がれ)、
ちょっと細々わからないまま見ていたんです。
特にサンバイザーの裏のポストイットは邦題の『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』と関連しているわけですが、なんのこっちゃわからんくって、
見た後でああ邦題!、だけどどんな文脈だった?っていう感じで、
ちょっと消化不良なんですね。
あと、描き方がちょっと抽象的な感じがして、あらすじから多分、
こういうことかなーと補完は出来なくもないんですが、
意図が読み切れない感じが、もやーーっとしたんですね。
機会があれば見直したいです。
『永い言い訳』との比較もあって、そっちが私的にすごく良くて、
なので、この映画はそれに比べりゃ踏み込みが浅いように思ってしまいました。
『永い言い訳』はもっと人とのかかわりから再生していく話で、
この映画は、自省がメインですね。それが悪いというわけではなく、好みの差です。
破壊
もうひと壊しして欲しい!
ジェイクギレンホールとナオミワッツ、そして子役の演技が冴えてた。出てくるキャラはどこか皆、壊れている。普通に生きることの難しさよ。
脚本は練られていたが、主人公が仕事の価値を見いだせない金融マンというのがやや記号的で残念。永い言い訳が引き合いにだされるが、死後に何かに気付くという話はどこか自慰的で共感しにくい。男の独りよがりぽくないか。
ところでラストシーンはなんだったのだろう。他に気になったものは義父の壁時計。雑踏の逆再生。子役の覗き趣味。地獄谷の猿。釘を踏んだら心も痛い!グルーミングしなくても髭は剃るもの。
デイヴィスが身の回りのあらゆるもの、結婚生活を分解・破壊することか...
ここまでブッ壊れると芸術に見えてくる。
主人公の妻が死ぬ
主人公ギレンホールがどんどんブッ壊れていく
ストーリーもブッ壊れる
最初は淡々とテンポ速く話が進む
「何処から面白くなるんだこれ?」と思っていたが
ジュダ・ルイスが登場した途端
センスの良い映画に変わっていく
ヒースレジャー、リバーフェニックスの再来か?
役に対する(特に言葉遣いに)繊細さが伝わってくる
高揚感に浸っている時に、また物語は予期せぬ方向に
ある意味開き直りの様な再構築展開
メッセージや加害者の男性
中絶やメリーゴーランドで含みを持たせる
多くは語らない監督センス
私的にたくさん映画を観ているが、また違う感覚を味わえる映画。
やはり「とことんブッ壊れるのはいらなかったのでは?」とか「含みが解りづらい」等で評価は分かれるだろう。
日本語タイトル命名由来はダウン症→ダウン→日射病でも倒れる(ダウン。既にダウン症と関係ないが文字だけ流用して)→車のサンバイザーで避けましょうか?→死んだ奥さんのダイニングメッセージ
なのかな?
(馬鹿な私の個人的推測でした。w)
糠に釘
大切にしたい
MOTTAINAI
言葉にできない心の旅
再生する時
喪失を超える!!
邦題がだめ
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