雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのレビュー・感想・評価
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いい映画
最初は変な手紙と、分解と破壊を繰り返す主人公になんだかよく分からなかったけど、付箋、墓参り、メリーゴーランドにグッときた。エンドロールの曲も素晴らしかった。
子供との食卓、ホームセンターでのやりとりが印象的だった。
この監督の映画は全部好き。
邦題が勘違い
面白いんだけど、邦題は見る前の印象を変えすぎる。
センチメンタルな映画ではない。
原題はdemolition、解体。
その名の通り、ジェイクギレンホールがいろいろ解体しまくる。
彼のヤバい表情は普通の映画では無さそうであることを感じさせるが、
やっぱりやばかった。
でも何かを思いっきり壊したい衝動は誰でも共感できるし
どういう仕組みか知りたい気持ちも良く分かる。
みんなの上手く動かなくなった心を一度思いっきり解体することも大事なんだろーな。
解体することを恐れて臭いものに蓋状態なんだろうな、と。
妻の父親とかね。
でも最後にはconstructし始めたので良かった。
ジェイクギレンホールはやはりいい俳優。
あの表情はなんとも言えない。
思考停止男の悪あがき
突然妻が死んだ。だけど僕は悲しみを感じられない。
そういう始まりです。
西川美和監督『永い言い訳』とコンセプトが似ている作品です。
『永い言い訳』がとても好きなこともあって、ちょっと比べながら見てしまいました。
こっちの残された夫は、不倫していたわけはないです。
でも妻をとても愛していたかと言われれば、微妙。
何も感じずにただ無為に与えられた日常を生きていただけの人として
描かれています。おそらく巷にあふれる思考停止を生業としたような人たちの象徴なのかなと。
同じ車に乗っていた妻が死にました。
悲しくない。
悲しくなさにさすがにがっかりして、逡巡していたら、
妻の父に言われた「分解して再構築」というキーワードを
物理的に実践してしまい、妻関係でできた人脈に腫れもの扱いされていきます。
また、妻を失った病院の自動販売機が壊れており、
m&m(チョコ)が買えない。そのやるせない怒りを何度も
自動販売機のベンダーにクレームの手紙を書くことでちょっとずつ
吐き出します。まあ、クレームっつうか、自分語りの手紙でした。
その手紙を見て心配してくれたシングルマザーとその息子と知り合い、文字通り人生を分解して再構築していく話です。
ナオミワッツが最近どこでであってもよくて、今回もよかったです。
裕福でないシングルマザーで、一人息子を愛しながら、
少し心を閉ざし気味の息子をどう扱っていいかわからなくて、
人生の心もとなさを埋めようと、あんまりふさわしいとは
いえない人(会社の強面社長)と付き合っているという設定です。
心を閉ざし気味の息子ってのは、自分が何かってことにもやもやしているローティーンなわけで、有体にいうとゲイなのかもと悩んでいるんです。かわいい男の子なんですが。彼がディヴィスになついていく過程はとても好きでした。
ラストでね、ゲイバーに行ったのかな?そこでボッコボコに殴られちゃうのね、それが辛かったです。
正直ディヴィスの逡巡よりも、ナオミワッツとその息子の方に私は肩入れしてみていました。
そして、主人公ディヴィスです。
私は、思考停止した人が嫌いなので、実生活にいたらとっても嫌ってしまい、彼の気持ちを考えることはしないでしょう。
でも、映画なので、ちょっと寄り添ってみようかなという気になりました。
美しい妻となんとなく結婚して、妻の父の銀行で一生懸命働いているけど、それだけで。もちろんそれはがんばっているからなんですが。
妻がどう愛されたがっていたか分らず、
自分が妻をどう思っているかもわからず、
妻を失ったことで、その悲劇を悲しめなくなって初めて、
これじゃいかんと破壊を始めます。
トイレを壊し、家を壊し、パソコンを壊し。
妻のドレッサーを壊していて、妻の妊娠と中絶を知ります。
そしてその理由が、妻の浮気での妊娠だったからだと知ります。
妻は自分を愛していなかったか?
いや、そうではない。妻は、ディヴィスにもっと愛されたかった。
でも夫の愛を望むように得られなくて、悲しかったのではないか。
冷蔵庫のポストイット、車のサンバイザーの裏のポストイット、それから、記憶の中の妻の様子から、妻を思い、自分が見逃してきたものを後悔し、ついには妻を愛していたことに気づき、ようやく悲しめる、というお話でした。
まあ、デイヴィスの逡巡は、さしてわかりにくいこともないのですが、
鑑賞環境が良くなくて(他人の体臭や立てる音に集中を削がれ)、
ちょっと細々わからないまま見ていたんです。
特にサンバイザーの裏のポストイットは邦題の『雨の日は会えない、晴れた日は君を思う』と関連しているわけですが、なんのこっちゃわからんくって、
見た後でああ邦題!、だけどどんな文脈だった?っていう感じで、
ちょっと消化不良なんですね。
あと、描き方がちょっと抽象的な感じがして、あらすじから多分、
こういうことかなーと補完は出来なくもないんですが、
意図が読み切れない感じが、もやーーっとしたんですね。
機会があれば見直したいです。
『永い言い訳』との比較もあって、そっちが私的にすごく良くて、
なので、この映画はそれに比べりゃ踏み込みが浅いように思ってしまいました。
『永い言い訳』はもっと人とのかかわりから再生していく話で、
この映画は、自省がメインですね。それが悪いというわけではなく、好みの差です。
破壊
映画でよく観る会話しながらのよそ見運転、僕はいつもハラハラドキドキしながらそのシーンを眺めて結局何も起こらずに終わることが多いけど、本作はその“映画よそ見運転問題”に深く切り込んだ問題作だなと。
一度分解することで新たな発見が得られることは誰もが知っていることだが、少なくとも今の社会で普通に暮らしていたら到底無理なこと。
物理的にも精神的にも。
普通の人なら誰もが羨む美しい部屋をブッ壊しまくるあのシーンは映画史上でも最も体験したい場面の一つになった。
今までとはベクトルは違うものの、ジェイク・ギレンホールの静かな狂気っぷりはやはり凄い。
これは今季一番人におすすめしたい映画。
52
もうひと壊しして欲しい!
ジェイクギレンホールとナオミワッツ、そして子役の演技が冴えてた。出てくるキャラはどこか皆、壊れている。普通に生きることの難しさよ。
脚本は練られていたが、主人公が仕事の価値を見いだせない金融マンというのがやや記号的で残念。永い言い訳が引き合いにだされるが、死後に何かに気付くという話はどこか自慰的で共感しにくい。男の独りよがりぽくないか。
ところでラストシーンはなんだったのだろう。他に気になったものは義父の壁時計。雑踏の逆再生。子役の覗き趣味。地獄谷の猿。釘を踏んだら心も痛い!グルーミングしなくても髭は剃るもの。
デイヴィスが身の回りのあらゆるもの、結婚生活を分解・破壊することか...
デイヴィスが身の回りのあらゆるもの、結婚生活を分解・破壊することから再生を選ぶ過程がゆっくりと、しっかりと描かれていて心地よい。
会社のトイレの扉バラバラにするわ、家具をことごとく破壊して終いにはブルドーザーで家ぶち壊すわ、かなり過激なことしてますけど、不思議と観ていてスッキリした気持ちにしてくれる。
邦題にあのフレーズが選ばれる点は合点がいかない。
ここまでブッ壊れると芸術に見えてくる。
主人公の妻が死ぬ
主人公ギレンホールがどんどんブッ壊れていく
ストーリーもブッ壊れる
最初は淡々とテンポ速く話が進む
「何処から面白くなるんだこれ?」と思っていたが
ジュダ・ルイスが登場した途端
センスの良い映画に変わっていく
ヒースレジャー、リバーフェニックスの再来か?
役に対する(特に言葉遣いに)繊細さが伝わってくる
高揚感に浸っている時に、また物語は予期せぬ方向に
ある意味開き直りの様な再構築展開
メッセージや加害者の男性
中絶やメリーゴーランドで含みを持たせる
多くは語らない監督センス
私的にたくさん映画を観ているが、また違う感覚を味わえる映画。
やはり「とことんブッ壊れるのはいらなかったのでは?」とか「含みが解りづらい」等で評価は分かれるだろう。
日本語タイトル命名由来はダウン症→ダウン→日射病でも倒れる(ダウン。既にダウン症と関係ないが文字だけ流用して)→車のサンバイザーで避けましょうか?→死んだ奥さんのダイニングメッセージ
なのかな?
(馬鹿な私の個人的推測でした。w)
糠に釘
上映時間が20:50であったため、その前に酒を飲んでしまい、まんまと前半寝てしまった。「ブロークバック・マウンテン」以来好きだったジェイク・ギレンボールの作品だっただけに残念。一緒に観た家内はさめざめと泣いておりました。私が覚えているのは足に釘が刺さるシーンのみ。
大切にしたい
すべての要素が素晴らしい!
まず、ジェイクギレンホールの演技が素晴らしい!一つ一つの表情に心を動かされる。ほかのキャスト陣もみんなすごくよかった!クリス役の子も素晴らしかったし、ナオミワッツさんも、クリスクーパーさんも素晴らしい!
そして、よく練られた演出や脚本が素晴らしい!あえて曖昧にする点がとてもいい味を出していて心にしみる。
とても異質な映画。わかりにくいと思う。でもだからこそ、言葉では説明できない感情が込み上げてくる。
これぞ大切にしたくなる映画だと思った。
MOTTAINAI
壊れた心を壊す物語。
点検し分解する事から、理解とはかけ離れた破壊に変換された為に、デイヴィスが得た爽快感を感じる事が出来なかった。
またカレンの家庭問題に関しての結論が投げやりに思えた。
しかし邦題に関連するサンバイザーの件と、破壊する事で得た妻に対する愛の返答として、メリーゴーランドを再構築するシーンは素晴らしい。
しかし現実的に物を破壊する事や、家庭や仕事を無責任に放り出す事が出来ない我々からは遠く離れた物語に映った。
言葉にできない心の旅
妻を失ったが悲しみを感じられない。何故なのか?自分は果たして妻を愛していたのか。妻は自分を愛していたのか。
魂を失った男の心を雄弁にではなく淡々と紡いでゆく様がリアルに迫ってくる。観賞後、しばらくたってからジワジワと胸に染みてくる映画。
再生する時
自分自身がぶっ壊れた時に、今まで信じていたこと、付き合っていた人達との関係をも壊してみるといいかもしれない。
苦しんだ後には必ず何らかの形でギフトがあると、信じたくなる作品でした。苦しみにも意味があると。
喪失を超える!!
いい映画!
過去の記憶を無軌道に辿る心の旅、
まるでロードムービーのよう
デイヴィスはPTSDなのかな?と想像した
その治癒の過程で、
いわゆる「退行」することでバランスしようと苦闘しているようで
痛々しい様だけど
きっと克服〜幸せがラストに用意されていはず!と祈りながらスクリーンを刮目した
大団円で 、期待通りの多幸感に満たせれて良かった
邦題がだめ
邦題も映画の内容から取られてはいるものの、
切り取る視点が違う気がする。
何かを失っても、無感情でいる様子は自分にも容易に置き換えられる。
映画を見ながら自分も少しだけ個人的な出来事の解体と再生ができたかな、と感じた。
本当は斧を持ってモノを壊してみたいけど。
破壊なくして・・
まずジェイク・ギレンホールの素晴らしさ。これは誰も批判出来ないのではないだろうか、少なくとも複雑な心情の持ち主を演じさせたら世界トップクラスなのは間違い無いだろう。
簡単には言い表すには容易でない映画だが、決して敷居の高い映画では無い。むしろ話としてはシンプルである。
破壊なくして創造なし。
明日を生きる人達は心の再生を繰り返しているのだ。
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