少女(2016)のレビュー・感想・評価
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良かった
タイトルなし(ネタバレ)
過呼吸の音がかなり長くて不快だった。伏線回収もあぁやっぱりねと思ってしまいありきたりな気がした。原作未読のせいかすばるとタッチーの入れ替わりがよく分からず、ネタバレを改めて検索して理解した。友達と行ったが2人ともつまらないと感じた。
渡り終えるまで。
湊かなえの原作は未読なので、あのイヤな予告編でしか
物語への空想が膨らまず、実際観ようかどうしようかと
迷った作品だったが、鑑賞後の想いはまるで違っていた。
人が死ぬのを見たいというのがやたら宣伝文句になって
いるがそのイメージはない。むしろ生きたくて苦しんで
いる二人の女子高生がどうすれば現状を打開できるかと
手探りしている様子がよく描けている。陰湿ないじめが
ベースにあったり、援助交際、体罰虐待、冤罪のその後
などが次々と出てくるので恐ろしくなるが、主人公二人
は冷たい視線を送りながらも孤独に耐えぬく親友同士だ。
誰にもいえない想いを「ヨルの綱渡り」という小説で表現
する冒頭からのくだりが素晴らしく、この表現がなにを
意味していたかが分かる後半で涙が溢れる。多感な少女
が経験するひと夏の出来事ではあるが、それがこの二人
を大きく成長させ、ミステリーらしく伏線も回収される。
気持ちのいい展開ではないが絶望を期待する話ではない。
いかにも天真爛漫な女優二人をこの主役に抜擢したのは
かなりのチャレンジで、脇を固める俳優陣、特に重要な
役どころの稲垣吾郎と子役には驚いた。正に芸の綱渡り。
(エンドのGLIM SPANKYも素晴らしい。闇に目を凝らせば)
少女たちはこれを見てどう思うんだろう
少女時代ならではの繊細な心の機微を描いた作品なんだろうが、37歳の私にはテーマとして響くものはあまり無かった。
そのためストーリーや台詞より、ゴシック調の美術や照明などの演出を楽しんだ。
(こういう美術は暑い季節に見たいものではないから、もう少し寒い時期に公開すればよかったのに)
その中で、本田翼の深く暗い目だけが、強く印象に残った。
台詞回しなどの演技としては改善の余地があると思うが、あの彫刻のような顔、あの深い目は、今の日本の女優で彼女だけが持つものだと思う。
しかし、制服を着ていればそう違和感は無いが、私服で寄り添う本田翼と山本美月を高校生と思うのはなかなか大変だった。
それと、まさにドクズとしか言いようのないアンジャッシュ児島も良かったな。今も思い出しただけで腹が立つ。
あとはGLIM SPANKYのエンディングも良かった。
映画に合っていたかは分からないけど、最後にあの曲が流れたことで、モヤモヤした気持ちが少し晴れた気がした。
渋谷という土地柄もあってか、観客はほとんどスクリーンの中と同じような女子高生だちだった。
きっと私とはまるで違う感想を持つだろう彼女たちに、話を聞いてみたい。
ヨルの綱渡り
JK由紀と敦子は幼馴染で親友。
敦子は剣道日本一。
推薦で高校に入った敦子だが、試合で敗退して以来クラス中から虐められていた。
敦子を闇から救う為、由紀は小説を書いた。
国語教師が由紀の小説を盗作した上に受賞。
由紀の怒りは教師を破滅に導いた。
転校生が現れ由紀と敦子の間に違和感が生まれる。
転校生に唆され敦子は痴漢冤罪の共犯になる。
夏休み…
2人はそれぞれ別のボランティア活動を始めた。
由紀は難病の小児科へ。
敦子は老人ホームへ。
それぞれがそこで出会う心を許せる相手と生と死。
命の尊さと儚さを2人は身をもって体験する。
ヘルパーのタカオが人生の脆さについて語る。
幸せな家族が冤罪により崩壊してゆく様を切々と話す時、敦子の胸は痛み苦しむ。
病気の昴の父親探しに由紀は変態オヤジの交換条件をのむ。
昴と父親の再会に由紀は驚く。昴が入れ替わってる?
昴は父に復讐を果たした。
流れる血液…由紀は絶叫する。祖母との過去がフラッシュバック。
少女の頃の2人に戻ったように走り続ける…
ヨルが終わり2人は笑う。
登場人物が繋がっていく驚きとラストから冒頭に繋がる遺言は見事。
ラストは、親が親なら子も子だよ。
「因果応報」と稲垣吾郎がキーワード。
余談だが、映画館の後ろの席に座って居た初老のご婦人がへんな声を終始出していて気になって仕方がなかった。
自分で気付かずに漏れている声って気味が悪いです。
アン…ウン…アハァ…ウン…
これだけ聞くと何⁉︎と思うが、確かにオバハン1人でした。
御機嫌よう…
衝撃的でした。
原作未読です。ある二人の高校生が心の闇から、人が死ぬ瞬間が見たいと思い始めます。ミッション系の女子校が舞台です。湊かなえさんの作品は、「イヤミス」と呼ばれるものだと聞いていますが、終始ドロドロした、女クラの雰囲気がこれでもかという程、表現されていました。問題化している、LINEいじめの場面は「うわぁー、怖い。」と思ってしまいます。ですが、しっかりとミステリーの部分もあり謎解きを楽しむことが出来ました。最後にはどんでん返しが待っており、「そう来たか!」とパズルがはまって行きました。面白かったですが、JK恐すぎ!な作品でした。
ラストシーンの希望の光が清々しい
ネタバレ有り
映像が美しかった。
この作品で本田翼の新境地を見た。
上手いとは言えないが、いい表情で演技をしてた。山本美月も17歳の繊細な心を表現していた。
佐藤玲、白川和子、菅原大吉、真剣佑、稲垣吾郎の助演の演技により物語に深みが出ている。
児嶋一哉の国語教師はリアリティがない設定にも関わらずリアルに見えた。
男の子の子役の2人の演技には驚いた。
子役業界競争が激しいのだろうなと思った。
星のマイナス理由としては、
・ダンスシーンの人の少なさ
・遺書の読み上げシーンの気はずかしさ
・星羅と紫織の描写が少ない
である。
だが、原作より面白くなっていると個人的には思うので星4つ。
少女
小説よみました。
普通に。
原作に忠実に作ればもっと良かったのに。
説得力に欠ける
どんなに文明が進歩しても、日本はいまだにムラ社会である。国家という大きなムラの中に、無数のムラがある。企業や学校や各種団体などの公的な組織もそうだが、サークルや同好会などの任意のグループ、或いはママ友みたいなはっきりしない集まりに至るまで、個人の自由よりも集団の和が優先される集まりはすべてムラといっていい。仲間外れになるといわゆる村八分にされ、孤立するだけではなく、場合によっては暴力を受け、LINEやSNSで誹謗中傷され、インターネットを通じて世界中の晒し者にされることもある。
女子高生の仲良しグループも例外ではなく、仲良しグループから外れるとどんな目に遭うかわからないという相互的な恐怖心から、自分の自由を投げ出してひたすら集団に同調する。
集団の向かう方向は誰にもわからないが、建設的な方向に向かうことはない。一番よくあるのが紋切り型の価値観に従って他人を断罪することだ。「あいつ、うざくね?」と誰かが言えば、その途端にいじめがはじまる。同調圧力が強ければ誰もいじめをやめることができず、どこまでもエスカレートする。いじめた相手が自殺するか、遠いところに転校するまで終わらない。同じことは女子高生の仲良しグループだけではなく、日本中のいたるところで起きている。日本は大小のムラの集合体なのだ。
この映画では女子高生の間に普通に見られるであろういじめの場面が出てくる。いじめる理由は上記の通りで改めての理由づけは不要だが、いじめられる敦子とその友人の由紀の行動の動機が理解できない。子供のころのトラウマを引きずっているという理由だけでは、日頃の行動の理由としては弱すぎるのだ。逆にトラウマが蘇るたびに過呼吸の発作を繰り返す演出はくどすぎる。
足の怪我が治っていないふりを延々と続けられる意志の強さを持っている人は、簡単にはいじめの対象にならないだろう。敦子はどう見てもいじめられるキャラクターではないのだ。いじめにリアリティがないから、由紀が敦子のために小説を書く理由にもリアリティがない。プロットが根本から崩壊している。死ぬ瞬間の表情を見たいという台詞は、それを見たら何かがわかるという説明がなく、とってつけたようだ。小説を書く人間の精神構造はそれほど単純ではない。
原作を読んでいないので違いは不明だが、登場人物の相関関係がやたらに密集しているのも、予定調和的過ぎて現実味に乏しい。痴漢ぼったくり女子高生が自殺するのも理解できない。中年男をカツアゲするだけの度胸が据わっている女の子なら、たとえ父親が逮捕されたからといっても短絡的に自殺を選ぶことはないだろう。カツアゲ少女に、人間の出生の平等に関わる哲学があったとも思えない。
同じ湊かなえ原作の映画でも「白ゆき姫殺人事件」にはリアリティがあった。「北のカナリアたち」にはヒューマニズムがあった。しかしこの「少女」は最も平板なプロットにも関わらず、何故か最もリアリティがない。
LINEやSNSを使った同時代的な背景の映画では、リアリティがないとあらゆる説得力を失ってしまう。バラバラに登場する人物がいたるところで結びついて輪になるのは、監督としては満足なのかもしれないが、観客に訴えるものは何もない。へえ、そうだったんだ、という淡々とした感想とため息が漏れるだけだ。物語をまとめることに集中しすぎてテーマを深めることができなかったのだ。その結果、何がテーマなのかさえわからない作品になってしまった。
物語に繋がりがなくこの二人は適役?
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