海よりもまだ深くのレビュー・感想・評価
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海よりも深いものは・・・
樹木希林がとにかくいい!
以前、是枝監督に「演技しない演技が一番難しいのよ」と
言っていたそうだが、ホントに演技してないみたい。
亡くなった旦那のことを悪くいいながら、
ちゃんと奥さんだった。亡くなった今も。
夫婦ってのはね、好きとか嫌いとかそんなんじゃないのよ。と、
なんか、ダメ息子と元嫁に諭すように普通に話してるのが
印象的だった。
台風の夜、真木よう子と会話し、二人が元に戻ることはないんだと
悟って、涙をためるシーン。最高にグッときた。
海よりも深いものは・・・。
姿はないし、会話もないが、亡き父と良多の関係もいい。
似たくなかった父と、どうしようもなく似てしまった今の自分と。
その“似てしまった部分”が、どうやら息子にも遺伝してしまっているらしい。
「いなくなってしまってからじゃおそいのよ」
海よりも深いものは・・・。
ラストのハナレグミの主題歌がとても良かった。
「夢見た未来ってどんなだっけな
さよなら
昨日のぼくよ」
樹木希林(おばあちゃん)が言う。
「なにかを手に入れるためには、なにかを諦めなくちゃいけないんだよ」
「あと一歩だけ前に」
がんばってみようと思った。
何物にもなれない葛藤
何物にもなれなかった現実とどのように向き合うのかがテーマだと思った。
離婚した夫は、一度文学賞を取った限り目立った功績も無かった。
しかし、元妻と息子には愛情があり、再婚しそうなことに嫉妬していた。
どうにかして、息子の気持ちを取り戻そうとするが、現実は上手く行かない。
しかし、その現実を受け止めながらも生きようとする姿が描かれていた。
リアルな日常を切り取り、感情の交錯を描くのは、さすが是枝裕和監督だな~と感じた。
母の深い愛
カス男
実に滲み入る感じ
そういえば見ていなくって、プライムで最近観ました。
で、始まってすぐ吹きました。
まず舞台が清瀬、自分の住んでる所と近っwwww
他にも家での小分けご飯にジップロックなどのアイテムが、まんま僕の家と同じでこちらでもびっくり。
親近感というか作品との距離がすぐ近くに感じました。。
それにしても今回もキャスティングが絶妙ですね。
そして阿部ちゃんが呆れるくらいクソ野郎すぎて良いです。
あと口癖「アレして」「アレしようかと」がとても良いフックになってて、何だか憎めない可愛らしさが出ていたと思います。
そういえば阿部ちゃんが演じる「良多」役は何作目でしょう?
そして相変わらず樹木希林は存在が大きい。ちょっとした一言でも、すごい残る言葉がどんどん飛び出してきます。
「台風大好きなの、なんか気持ちが清々する」「違いのわかる人だったら困るんだけどアレして」これら辺ってアドリブなんですかね?何にしてもすごい。
そうそう、たこ公園は住宅の建て替え工事と一緒に取り壊されてしまったようですね。
とても印象的なシーンで使われていたので、ちょっと寂しいです。
ラストは監督らしく、実に滲み入る感じで心地良かったです。
そしてこのラストシーンは我が故郷の川越ですよwwwwww
単純に物語だけでなく、こういった色んなパーツにも楽しませてもらいました。
思い通りにいかないもんだよなぁ~
タイトルに絡むシーンは驚愕の名シーンだ。
元妻の再婚話にイラつく元夫
テレサ・テン
「別れの予感」を使うとは! いい曲であるよ。海よりもまだ深く 空よりもまだ青く あなたをこれ以上 愛するなんて 私にはできない。歌は3分で物語るが、映画は2時間かけて語る。
周囲の人間が何気なく発した名言を書き留め、小説に使おうと思っているが、なかなか書き上げられない、一発屋小説家の良多。まー、他人の言葉を散りばめても、自分の作品にはならんわな。でも、あまりに煮詰まると、そんなこともしてしまうのかも。
ドン底状態の主人公だけど、母はごはんは食べさせてくれるし、後輩は文句も言わずにお金貸してくれる。あと少しがんばれば、出口が見つかるんじゃないかな。キミは愛されているんだから。
阿部寛と樹木希林が揃って「アレ」って言うのが、おもしろかった。親子だねぇ。
思い描いていた人生でなくとも今を大切に・・
人生思うようにはいかないもの
名台詞の数々
強烈なメッセージはないのだけど、日常のどこにでもある家族、人生をドキュメンタリーのようにリアルに描く是枝作品。こんなはずじゃなかった人生、子供の頃なりたかった自分ではないけど、そうなりたいと思うことが大事、幸せになるためには何かを諦めなくてはならない、男は今を愛するのができない、一言一言が名言でした。今を一生懸命生きる、そして過去にはいつまでも執着しない、それくらい「今」を大事にというのがメッセージとして自分には感じた。
海よりも?タイトルとテーマ理解しづらかった
お祖母ちゃんの懐の深さのことなのか‥。最後の硯のシーンは、ちょっと分かりづらかったような。(うっぱらったのかと思って勘違いしてしまった(笑))共感できる日常シーンもあるけれど、樹木希林だけ特筆して、素晴らしかった。
哀しいかな、駄作の量産態勢に入ったのか、是枝裕和監督は。
素人が現実をそのまま映画にしてしまうと、観るに耐えない品物になることがあります。
この映画は、そのような品物に、きわめて近いです。
ダメな大人の男と女の間に、とても良くできた子供がいる、という状況をスケッチした作品です。
これで観客が、ダメ男か、ダメ女か、甘やかし婆さんのどれかに自分を投影できるなら、それで勝ちだぜ……という監督の計算なのかも知れませんが、そいつは甘過ぎる計算です。
観る側の個人的な事情に期待するような作品など、失敗映画としか言いようがありません。
父親役の阿部寛は、ダメ人間を熱演していて、もしかしたらその役柄を楽しんでいるようにも見えますが、ほんとダメ人間です。
母親役の真木よう子も、与えられた役柄を演じているものの、やはりダメ人間でしょう。
大切なところについて説明を省略して、観る側の想像力に丸投げする傾向が、この監督にはあるのですが、この方法に頼ってしまうと駄作が大量生産される危険があると思います。
言葉を書き留める
主人公は劇中周りの家族や人から心に響く言葉を幾度となく投げかけられる。
その度にメモを残し、仕事に生かしているが、ラストでは息子に大事な言葉を投げかける側の人となる。
人は何かなりたい自分を思い描き、それを目指して生きることに意味がある。
軽い気持ちで言う言葉は3回繰り返してしまうが、最後は念を押し4回本当だと息子に言う。
そして、樹木希林が言うように人はいつか死ぬのである。生きている間に言葉にして伝える必要がある。
海よりも深く人を愛し、自分を愛することこそ生きる実感が湧く。
是枝監督の映画は娯楽ではない、
惨めでも、情けなくても人生
私は今是枝監督の作品を巡っていて、これは6本目なのだが強いていうなら「歩いても歩いてもと」似た鑑賞感の作品だと思う。母に樹木希林、息子に阿部寛をキャスティングし、決して綺麗事だけではない家族の人間関係を多面的に映像化した。
阿部寛が演じるのは、昔は作家として有名な賞を取って大成したが今は落ちぶれて、ギャンブルが趣味の情けない父役。母役の真木よう子との間には1人の息子がいるが、完全に愛想を尽かされており、養育費も払えないため息子と1ヶ月に1回会うのでさえ渋られている様子。現在も、真木よう子にはもう新しい恋人がいるのだが、そのデート現場をコソコソ隠れて尾行したりなど終始情けない。
でもそんな2人が昔は好きなもの同士だったから今息子の存在があるわけで、、、
この映画のタイトルである「海よりもまだ深く」という歌詞が入ったテレサテンの「別れの予感」という曲が流れるシーンでの樹木希林のセルフがとても良かったので必見です。
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