海よりもまだ深くのレビュー・感想・評価
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やっと見れた。就職氷河期時代を生きた人の映画
機上で出会った作品。途中までしか見れず、その後とても気になって、時々探していた作品。
昭和後期を少年時代にもつ少し駄目な男とちょっとドライな女(突き詰めるとこの女は現実的ではない。駄目な男と分かって結婚して離婚って。この程度の駄目さであれば、、お金が欲しいなら始めから結婚しない。才能か人柄にホレたなら離婚しない。別居程度が現実的だろう。)
その設定のまずさが人間関係の歯がゆさをよりハッキリとさせる触媒になっているのだが。
昭和の駄目男(才能はあるが食えるまでは突き抜けていない)は、もう1人の視聴者で、完全には重ならないけどシンクロ率が高めになっている。シンクロ率が高ければ、その演技力とメッセージ性の高いコメントが突き刺さる映画なのだと。
就職氷河期を過ごしたスパ世代にドンピシャの映画。
別れの予感
なんでテレサ・テンの歌なのだろう。「海よりもまだ深く、空よりもまだ青く。・・・・」
樹木希林が演じる母親の、子供たちや夫への愛であろうか。
形としては世間に自慢できるようなものではないけれども、それでも愛し切ったという彼女の人生が、テレサの歌声になって浮かび上がってきたような気がした。
この曲のタイトルは「別れの予感」である。別れを前にした恋人が、その一途で深い思いを謳いあげている。
人生の終盤で、自分が愛してきた者たちへ、そのような想いを感じることができたら、その家族は幸せな家族だと思う。
「残念でした 姉より」最高!(笑) 「なりたかった大人」になれなか...
「残念でした 姉より」最高!(笑)
「なりたかった大人」になれなかった大人…か、私もそうだし、ほとんどの大人はそうなのではないか。みんな夢見た未来と違う現在を懸命に生きているんですよね。かっこ悪いし、汚いところもある、そうそれでも懸命に。
何にも起こらない系は基本苦手なのだが、これは見入ってしまった。なんだろう?応援したくなる?明るい未来が見えないが故に?
同じ監督でほぼ同じような出演陣なのに、ハマったりはまらなかったり。不思議ですよね。
海よりも深い愛
先日BSでやっていた、この映画
『万引き家族』の是枝裕和 監督の作品でした。
ご覧になったこと、ありますか?
もしまだなら、ぜひとも観てください。
樹木希林さん、阿部寛さん、真木よう子さん、子役の男の子、小林聡美さん、リリーフランキーさんも少し出てました。
「幸せは何かを手放さないと手に入れられない」
「海よりも深く誰かを愛したことはないけど、まあまあ楽しく生きられたわよ 」
何れも希林さんが演じた老いた母の言葉です。
あまり詳しくは語りたくないのですが、阿部寛さんの父親の背中は哀愁に満ちていて…
母の愛も父親の愛もこんなふうに見せてくれるのかと。
ありふれたシーン、一つ一つが畳まれていき、こんなにも泣けてしまって不思議な感じすらしました。
いや、泣けたのはほんと最後にきてから。
ずっと泣けるような話し(会話)ではなかったのに(^_^;
シンパシーを強く抱きました。自分がまだ未婚で、子もいなかったら、泣けなかったかも・・
愚痴や弱音を腹にためる、思った通りに生きられない大多数の大人たちの変哲もない地味な日常、それは敷居の高くない場所にあって、気付ける人には優しい光が見えるの。
ハナレグミ 『 深呼吸 』🎵
エンディング曲がまた良い
初めて耳にしたこの歌詞、このメロディの力強さに泣きました。
団地に親近感
そんなに子供が可愛いなら、ダメな生活からなんとか抜け出すための努力はできないのか、と思ってしまう。別れた夫の母親に会いに行く元妻も現実にはありえないんじゃないかと思う。唯一共感できたのは、団地住まいの生活がすごくリアルだったこと。自分も団地で生まれ育ったから、すごく共感できた。ただ、団地暮らしから抜け出したいというセリフが何度か出てきたけど、団地暮らしってそこまで惨めじゃない。ちょっと偏見が強すぎると思った。
失って気付いた父親としての人生。成功できなかった男の人生は金のこと...
失って気付いた父親としての人生。成功できなかった男の人生は金のことばっかり。カネナンデス。
この作品にはないが飲食店で食べ物にナンカ入ってた言うチンピラキャラが超大嫌い。この映画で新品スパイクを階段に擦り付けて、良多が店員にクレームゆうシーンは本当にムカついたし、一気に大嫌いになった。
生きるためとはいえ、どうして人間って悪いこと平気でできるのだろう。良多の行動は全部お金がらみのものだったけれど、見ていてつらかった。
シンゴが良いキャラしていた。お婆ちゃんとの会話も胸にくる。どの登場人物も演技と会話の内容に現実味があった。みんな上手くてみんな凄い。
ワンフレーズで切るみたいなセリフ結構あってどれもよかった。
全部ひっくるめてアタシの人生やから。
シャレにならないわあなたと人生ゲームなんて。などなど。
エンディング曲は超良い。
歴史的名セリフ
何気ない家庭の日常生活を巧みに描いた是枝ワールドを感じた作品。撮影時の纏りあるファミリー感もヒシヒシと伝わってきた。その中でも樹木希林の存在感は飛び抜けていて彼女抜きには成立しない作品と感じる。
そして、数々の素晴らしい歴史的名セリフも強く印象に残った。
「幸せってのはね、何かを諦めないと手に出来ないもんなのよ」
「花も実もつなかいんだけどねぇ、何かの役には立ってんのよ」
「何で男は今を愛せないのかねぇ」
「全部ひっくるめて私の人生やから」
「誰かの過去になる勇気を持つのが男」
「女心は油絵みたいなもの」
「人生なんて、きっと単純」
2018-195
日常の中にあるドラマ
日常が描かれているけれど、
芸達者な役者陣が心の機敏を見事に表現していて見応えがありました。
やはりなんといっても名女優、樹木希林が素晴らしかった!
これから観られなくなると思うと残念です。
男ってやつは。
「過去の栄光を忘れられず、一獲千金を夢見て賭け事に投じ、親にいつまでも寄りかかり、息子の前ではかっこつけるけど金はなく、大切なものは失ってから気付く」。
そんなダメダメ男・良多を、阿部寛さんがうまいですね。トホホ感満載。こんな男、ぜーったい私は嫌です。はい。
団地から巣立った息子と娘(小林聡美さん)夫は亡くなり残された母。「私はここで死んでいくのよね」とつぶやく樹木希林さんの気持ち。冒頭からずっと、自分の祖母のようで、またいつかの自分のような。そんな感情移入をしてみてました。
多分祖母は、息子夫婦の復縁を画策したのでしょうか。台風で帰れなくなった夜に、3人川の字で布団を敷くという行動に出る所は(笑)。それが吉とでるのか、どうかっていうのも期待持っちゃったりして。
良多は「妻とは離婚したけど、息子の父親に変わりはない。キリッ」。なんていうなら、ちゃんとすればいいのにね。
探偵事務所の後輩・池松壮亮曰く「(息子が)会いたくなったら、向こうからくる」。後輩君の方が、わかってるね~。
「円満な家庭」って何をもって言うのだろう?。複雑な言葉だ。
全般的に漂うまったり感(盛り上がりにかけるともいう)が、劇場だったら眠かったろうな。
何故だか安心しました
私も団地住まいでした、給水塔は無かったけど友達と団地の屋上に上がったことはありました。子供達が多く賑やかでした、でも今は高齢化が進んでいます。中流家庭の日常でしたね、よくこんなテーマで映画が成り立っていると思いますが、最後まで観て良かったです。私の家族が、私の友達が、私の人生が重なっていました。
リアルな日常
リアルだな
あまりにリアルな日常
これといった事件はない
万引き家族で是枝監督にはまって何作か観た中では、一番淡々とした映画だった
ただ樹木希林さんの演技はやはり素晴らしい
なんて自然な演技なのだろう
誰しもが母や祖母を思い出すのではないだろうか
樹木希林さんなくては成り立たない映画
何かを諦めないと幸せは手に入らない
この言葉はぐっときた
樹木希林がすごい
樹木希林がすごい。
あのおばちゃん具合が最高です。
頭ではわかっていても、心では受け取りたくないような是枝監督の言葉。現実。理想。そういうのが樹木希林さんからなら受け取れる。
時間の流れ、魅力的な人物。
邦画はあまり見ませんが、是枝監督は間違えないので見ちゃいます。
『海よりもまだ深く』(2016)
『海よりもまだ深く』(2016)
離婚や不倫など夫婦崩壊から生じるエピソードやお金の問題など、夏目漱石もそういったテーマが用いられていたが、現代でもどぎつくなりながらいつまでも続いていく話である。そういう事をしない人達のほうが多いはずなのだが。主人公(演:阿部寛)は妻子と別居しているが既に離婚しているのだろうか。規定日に慰謝料や息子と面会で会うが、妻(真木よう子)は怒っていて、3人でお茶もせず、恋人を作ってしまい、遠くでその二人を見て、頭に来ている主人公。男は未練があり、女は怒ってしまって離れようとする。同じ是枝映画の『万引き家族』はまだ観ていないが、主人公のお金の足りない境遇で、おそらくそれに似たような息子の靴を買うシーンがある。小説家だが、それでは暮らせず、探偵事務所に勤めているが、仕事もうまくゆするような方法でピンハネのような入った金を競輪やパチンコにつぎ込んで、うまいことに増やしていたりする。主人公の職業は変わっていると言えば変わっている気味だが、エピソードは細かいところまでリアルに思えたりする。
親と姉の樹木希林と小林聡美のコミカルな感じが救っているのもあるが、阿部の雰囲気のコミカルな面も悲劇の辛さを薄めた感じにはしている。息子役の吉沢太陽の抑制された演技が、夫婦仲の壊れた子供のガラスのような感じが出ている。恋人もいるような妻なのだが、姑や嫂のいる家に少しだけ入ってきて食事をしたりするシーンもあったが。こういう状態でどう修復というのはなっていくものなのか。修復を視点にするのも大事な気がするが、実際は難しいのだろうか。どうしてそうなってしまうのだろう。不安定に陥った家族とは。吉沢と樹木の祖母と孫の会話は泣かせるシーンだ。修復したい男と、怒り続ける女。子供や親は付随しているが、もともとは二人の男女の問題である。これをどう見つめていくかが大事だし、こうした状況を映画で提起するのは意味ある問題提起の方法だと思う。樹木希林が、夫婦仲の壊れた二人に対して、布団を並べて用意するシーンも
深いシーンだ。是枝の色と、山田洋二の色ではまた違う色があるようで、山田映画も思い出してしまったりする。是枝のほうがドライな性格群を用いるようでもある。二人きり部屋に遭遇することになり、阿部が真木に、新しい恋人の事を問いかけるシーンも複雑なものであるが、ここで婚外交渉をする女という空気感の時代性(私は批判するが)が出されている。シングルマザーが異父兄弟をつくるかも知れないという場合についての、未練のある男側の気持ちが出ているが、まるで女のほうは男に対して冷めきってしまっている。だが男女とも子供に対しては愛情があるのだ。ただ、男は自分の家の金のようなものではあるが、母親や姉が管理している実家の金を夜分にこっそり探して利用しようとするあたりが悲しい。そういう面も妻が離れてしまった要因の一つなんだろうか。しかしそれに失敗すると仏壇に線香をあげたりする。樹木と阿部の親子の会話も味がある。しかし、許せないこともあったかも知れないが、女のほうが二夫にまみえずという教育が強ければ、別の分岐点があっただろうにとも思わせる。自由平等の時代にしていったらこういうケースが増えた。この映画では、真木と樹木の嫁姑の阿部の息子との話になりそうになるが、樹木のほうが回避した。そして樹木にしては孫、真木にしては子供のへその緒を、保管していた樹木が真木に渡すシーンになるが、樹木が「なんでこんなことになっちゃったのかねえ」と詠嘆する。真木も不憫な顔をする。
そんなときに、なぜか父と息子は暴風雨の中を公園のトンネルの中に夜を抜け出していて、一緒に煎餅を頬ばり、死んだ父、そして祖父の話をする。息子に父が言う、「まだなれていないけれど、
なるならないではなくて、なろうとして生きているところが大事なんだ」と諭す。元妻が迎えに来る。暴風雨。その中で元夫婦がトンネルの中で会話するシーンは妙なシーンだ。元妻の言い分では、
修復は不可能で新たな恋人(小澤征悦)の元に向かう。ドリンクを買って戻ってきた息子も含まれ、元親子三人の暴風雨の中のトンネルの中の会話。宝くじが風で飛んだらしく、豪雨の中を元夫婦と子供が一緒に探すシーンはなんらかの含蓄であり皮肉なのか。翌朝、天気になって男は女とその子を送るが、別れられるほうが優しいのか、夫も応じ、姑も複雑ながら静かに微笑んで別れる。
月に一度ずつこうして面会交流している様子だ。離婚問題を直視している映画だと思う。せっかくの夫婦が親子が家族が、40代、50代、それ以降となるとさらに辛くなる。どうすればこうならないで済むのかと考えていかねばならない。探偵事務所の後輩の池松壮亮が同じような親が離婚したケースで阿部との会話、「本当に好きならどんな状況でも子供は会いに来る」として、20歳ころにそうしたという話や、阿部と池松の会話が伏線となって、阿部と吉澤の会話に還っていくところも職人の手作りのような感じを受ける。
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