海よりもまだ深くのレビュー・感想・評価
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なりたい自分になれなくても
是枝監督作品。
別れた元妻に未練タラタラ。
賞をもらった小説から何も書けないでいる自分と、
取材と称したやめられない探偵業務。
全て諦められない夢と自分の過去にしがみつく男。前に進まなければいけない、そうは思っていてもそうできない情けない男である。
誰かの過去になる勇気を持とうや、と探偵事務所の所長に言われ、前に進ませてね、と元妻に言われ。
そんなことは彼もわかっているはず、わかっていたはず、でも自分に言い訳して、時代が、男だから、俺は違う、なんて言いながら誤魔化していくのだが、ある台風の日に元妻と息子と母親の家に泊まって、改めて気づかされるのだった。
母親から、幸せってのは何かを諦めないと得られないの、は重みのある言葉。
誰もがなりたい自分になってるわけじゃない。母親も父親も、こんなはずじゃなかった、という思いで数十年生きているんだ。でもこの上なく楽しく生きていける。父親は息子の書いた小説を町中に配っていたらしい。なりたい自分になれなかったであろう父親で、小説家になることで喧嘩していたのだけど、自分の書く小説を喜んでくれていたのだ。
海よりも深く人を愛せなくたっていい。それでも人は日々を楽しく生きていける。なりたい自分になれなくったって、喜びにあふれた人生を生きていけるじゃあないか。前を向いてさえいれば。
是枝監督作品は静かに胸に迫るところがある。余韻がとても良い。俳優の皆さん、阿部寛、樹木希林、真木よう子さんが素晴らしいのもあるが、やはり監督の手腕も大きい。やはり是枝監督作品は好きだ。
樹木希林さんは本当に面白い。
ザ・日本映画
昭和な日本の様子がとてもうまく出ていたと思います。
どの役者さんも演技がとてもよかったです。特に樹木希林さん
。ほんと、演技が自然。ほぼアドリブなんじゃないかと思うくらいでした。
食事のシーンとか、作るシーンとかが多くて、それがとても手際よく、おいしそうで…。うんら、やはり、ザ・日本映画だわ。
樹木希林という人間
みんなは気付いただろうか、
あの年老いた母は、弱くて頼りない"老人"を演じているんだよ。
それはあのダメ息子に立つ瀬を与えるため。息子よりももっと弱い自分になるため。
弱さを装う母親を演じる樹木希林の、なんとなんと すごいことか。
「あん」も本当に良かった。
希林さんご病気とのことですよね・・・
不世出の大俳優とのお別れの前に、世の監督たちが渾身のオファーを続けています。
僕も襟を正して、この人の映像に尊崇の誠を尽くしたい。
追記:
2018.9.15.逝去。
やっぱり…
是枝監督の映画ってどうもわからない。
というか刺激が少な過ぎ?
よくある小説とかの上中下の上だけ見た感じ。転に差し掛かる前に答えを無理やり与えられたような…。
そんな当たり前な日常を求めてる人もいて、そういう人なら響くのかな。
フェロモンよう子に悶絶
樹木希林さんと監督是枝裕和さんでレンタルした。
是枝作品実はそんなに観てない。見たい見なきゃと
思いながらついつい先延ばしにしてしまう感じだが
私が見た作品を思い出す。幻の光、花よりもなほ、
歩いても歩いても、空気人形、海街diary、
そしてTVドラマで、ゴーイング マイ ホーム。
どの作品も大好き。今回の作品も是枝裕和さん色満載です。池松壮亮さんにリリーフランキーさんに小林聡美さん。もういい表情が声がすべてがいい。見る前に
真木よう子さんには失礼だがこの面子の中では少し落ちるのではないかと思ってましたが、真木よう子さん
最高。さよなら渓谷は本当に良かった、そして真木よう子さんの出演映画・ドラマいつ見ても真木よう子さん私には良い感じにしか見えない。しかしなぜか見る前は大丈夫かなぁ〜と思ってしまう。不思議ですが真木よう子さんだけかもしれない感情が生まれるのです。長々になりましたがこの作品間違いなくオススメ
女優陣が最高。男優陣も間違いないが真木よう子さんの身体に声に仕草に目に心を抜き取られた。
是枝監督はやはり良い監督さんだなぁ〜と思いながら
エンドロールを眺めた。
頑張れダメ親父
成長しきれていない大人。
いつまでも子供の心をもったお父さん。
そういった印象を受けるシーンが随所に溢れている。
中でも響子と人生ゲームを二人でしようとするシーンは笑えた。
唯一の楽しみは月に1度息子と会う事。
息子の事は愛してる様で、それだけはなんだかほっとした。親として所謂「当たり前」の事なんだろうけど、こんな時代、当たり前なんて通用しない事件がゴロゴロ。
だからこそ、息子のためにも、終盤の亡父との出来事を糧にして、もう一度作家として大成してほしい。
響子は前に進みはじめたのかもしれないけど、その未来には良多と再婚するという道が100%ないという訳ではないと感じた。
1%を信じて頑張れダメ親父、息子のためにも。
深い
樹木希林さんと阿部寛さんなので、なんとなくいいのは分かっていましたが、やっぱりいい映画でした。
親を大切にしようって思えました。
2人の芝居が日常をそのまま切り取ったように自然で、本当に素晴らしかったです。
観てよかったと思える映画です。
シャレにならないわ、あなたと人生ゲームなんて
清瀬の団地で 親父の葬式の後片付け
元小説家、今はヤサグレ探偵
相棒の池松君が可愛らしい
したの?したわよ
愛だけじゃ生きていけないのよ、大人なんだから
3回言ったら真実味が無くなる
真木よう子が普通で可愛い
親のへそくりをくすねようとする息子
海よりもまだ深く人を愛したことはないけど、それでも生きてる。人生なんか単純よ。あんたの小説に書いていいわよ!
川越
立川競輪
ダメ親父・ダメ夫・ダメ男
映画だとわかっているけど、
こんな男は嫌だぁぁ~(>_<)と、
途中で生理的に拒否反応が…
亡き父親とかぶり、思い出してしまいましたf^_^;。
母親役の樹木希林さんもいい演技で、
実際にいるよなぁと実感させられました。
馬鹿な子供ほど可愛いかぁ~
無償の愛ですね。
ダメ中年の日常
小説家の夢を捨てられないギャンブル好きの男と
その家族が描かれている。
何があるわけでなく、主人公の日々を淡々と映す。
樹木希林の言動など含蓄に富む描写はあるものの説教臭くはなく、
自分の原点に立ち返るという監督の話のとおりの内容だと思った。
日常をまさに日常として映画におさめたという意味で秀作
しっとり浸れる
しっとりと心に沁みてくるような映画。
小さな家族のささやかな出来事の話だけど、みな、とても演技が上手で、魅入ってしまった。
樹木希林さんの、幸せのってのは何かを諦めないと手にできないもの、っていうセリフがとても良かった。
真木よう子は、最高の離婚の時もそうだったけど、愛されたくないオーラ、冷たい雰囲気を出すのがとてもうまいと思う。あれは相手の男だったら心折れるね。笑
台風、大好きなの。なんか気持ちが清々する
映画「海よりもまだ深く」(是枝裕和監督)から。
見ず知らずの若者と中高年の会話って、お互いの立場を考えずに、
言いたいことを言うから、面白いことが多い。
幾つになっても定職を持たず、ダラダラ生活を繰り返し、
競馬などのギャンブルに打ち込む中年に向かって、若者が叫ぶ。
「あんたみたいな大人にだけはなりたくないです」
それに対して、中年も負けてはいない。
「言っとくけどな、そんな簡単に、なりたい大人になれると思ったら、
大間違いだぞ」と言い返す。
これは、経験から発せられた言葉として、ニヤッとさせられた。
また「男」に対する女性の視点が妙に引っかかって、メモをした。
「男ってのはさ、なくして初めて愛に気付くんだよ」
「男の人は、すぐ『賞味期限』気にするから」
「なんで男は『今』を愛せないのかね」など・・。
一番メモしたのは、樹木希林さん演じる主人公の母親の台詞。
「友達をつくんなさい」
「そんなもの作ったって、お葬式にでる数が増えるだけですよ」
「こんにゃくは、ゆっくり冷まして、一晩寝かせた方が、
味がしみるのよ、人と同じで」
「便利になったなぁ」「歳をとって体が不便になった分ね」
「台風、大好きなの。なんか気持ちが清々する」
「幸せってのはね、何かを諦めないと手にできないものなのよ」など
さすが、人生を長く生きてきただけあるな、と感じた。
こんな台詞が気になるなんて、私もそろそろ仲間入りだなぁ。
大学生の感想〜
最初はパッとしない映画だと思いながら見ていましたが、阿部寛、樹木希林、小林聡美の演技に見入ってしまいました。どの家庭にもありそうな自然な描写、セリフで人生について少し考えるきっかけになる作品でした。
日常のあまりの自然さにニヤニヤする
是枝監督の映画は、
いつも見始めて数分で、
「あぁ、こういう人いるいる」
「いやぁそうそう、そういう時あるー!!」
の連続で、
どこでこんなにごく普通のありふれた家庭の一コマを
切り取ってきたんだろう、と感心するくらい
そこにみんなの日常が凝縮されている。
主人公のヘタレ具合や、
でもその中に自分の一部を重ね合わせてしまうところ。
そんな周到な演出になっているから
派手さはないのに多くの人を惹きつける作品に
なっているんだろう、と思う。
幸せになるには、
何かを手放さなきゃいけない、か。
じんわり、耳に痛いお言葉です。
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