「台詞、表情、間の使い方、どれもが自然で、ドキュメンタリー映画を観ているかのよう」海よりもまだ深く かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
台詞、表情、間の使い方、どれもが自然で、ドキュメンタリー映画を観ているかのよう
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誰一人として演技してないリアル映画。台詞、表情、間の使い方、どれもが自然で、ドキュメンタリー映画を観ているかのような感覚になった。
主演の樹木希林、阿部寛、真木よう子はもちろん、良多の部下、姉の旦那子供、団地の住人、など脇役の演技も自然で無駄がない。変にデフォルメせず、誰もが実際に周りに居そうな人間で親近感を覚えた。特に良多の部下の気怠そうな感じは、今時の新入社員っぽくてそこら中に居そう。
中でも樹木希林と阿部寛の演技は頭ひとつ抜けている。二人の演技が優しくてホッコリ、やり取りをずっと観ていたいくらい。ダメ人間の阿部寛を責めたりせず接する樹木希林に心を打たれた。
俺も将来ダメ人間になる可能性が高いので、樹木希林と阿部寛(良多)のやり取りは、将来の自分と母を重ねて胸が熱くなった。俺がダメ人間になったとしても、良多の母のように受け入れてくれると信じたい。
大きい事件も起こらず淡々としてる映画なのに、飽きずに観られたのは役者陣の演技の力だと思う。キャスティングがしっかりしていれば、派手な演出は必要ない、そう教えてくれる映画だった。
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